見出し画像

2024年ベストムービー10

映画館に行く機会がめっきり少なくなって、当たり前だが映画を観る本数も激減した。理由は単純である。地元の映画館で僕がみたいと思う映画がほとんど上映されないからだ。また興味はあっても精神的にダメージを受けそうな映画は観たくない気分なので、それも映画館に行くことが減った理由である。

さらに観たい映画であっても上映の時期が他所とは著しくずれていて、年間ベストといってもタイムラグなしに上映される地域とは違って、かなり後日に上映される場合もある。だからそういう時期的なずれが映画のベストをセレクトする上でも、他所とは大きな差異が生じてしまう。

またこれまでは映画館で観たもののみからセレクトしていたが、地元の劇場で上映されなかったものはDVDや配信で観たものもある。

基本的に最近の僕の嗜好を反映してアジアの映画が増えてしまったが、僕にとって面白い映画がアジアの作品に多いだから仕方がない。また例年であれば何作品か選んでいた韓国映画は、パニックもの、サスペンス、ホラーなどが多く、僕の好みではないものが多かった。したがって今回はちょっとファンタジーのあるホン・サンス作品だけになった。『梟』あたりは映像も綺麗でプロット良かったけど、ラストがいい加減すぎる。中国語圏の映画では『宇宙探索編集部』の意外性。切なく清冽な『国境ナイトクルージング』、そして『本日公休』の我々忘れた価値観にも心を動かされた。

ヴィクトル・エリセ、アキ・カウリスマキ、ケリー・ライカート、ロウ・イエなどは流石というべき「作家性」のある作品だった。彼らの映画はやはり格が違うと感じたし、こういう映画が僕は観たいと思うし、もっともっと増えてほしい。また『コット、はじまりの夏』、『パスト・ライブス』も忘れられない美しい映画だった。

以下に作品のデータを掲載します。順番は順位ではありません。

*見出しの写真はGrokで作成した「古い映画館でポップコーンを食べながら映画を見る『ミツバチのささやき』の時のアナ・トレント」ですが、可愛い女の子ではあるがアナ・トレントではない(笑)。



☆WALK UP

2022年/韓国/原題:탑/WALK UP/97分
監督:ホン・サンス
出演:クォン・ヘヒョ、イ・ヘヨン、ソン・ソンミ、チョ・ユニ、パク・ミソ、シン・ソクホ


☆宇宙探索編集部

2021年/中国/原題:宇宙探索編輯部/111分
監督:コン・ダーシャン
出演:ヤン・ハオユー、アイリヤ、、ロイ・ワン、チミー・ジャン、シェン・チェンチェン


☆枯れ葉

2023年/フィンランド・ドイツ/原題:Kuolleet lehdet /81分
監督:アキ・カウリスマキ
出演:アルマ・ポウスティ、ユッシ・バタネン、ヤンネ・フーティアイネン、ヌップ・コイヴ


☆国境ナイトクルージング

2023年/中国/原題:Ran dong/The Breaking Ice /97分
監督:アンソニー・チェン
出演:チョウ・ドンユイ、リウ・ハオラン、チュー・チューシアオ


☆コット、はじまりの夏

2022年/アイルランド/原題:An Cailín Ciúin/The Quiet Girl/95分
監督:コルム・バレード
出演:キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、キャサリン・クリンチ、マイケル・パトリック、ケイト・ニック・クニーニー、キャロリン・ブラッケン、ジョアン・シーヒー


☆サタデー・フィクション

2019年/中国/原題:蘭心大劇院/126分
監督:ロウ・イエ
出演:コン・リー、マーク・チャオ、パスカル・グレゴリー、トム・ヴラシア、ホァン・シャンリー、中島歩、ワン・チュアンジュン


☆パスト ライブス

2023年/アメリカ・韓国/原題:Past Lives/106分
監督:セリーヌ・ソン
出演:グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ


☆瞳を閉じて

2023年/スペイン/原題:Cerrar los ojos/169分
監督:ビクトル・エリセ
出演:マノロ・ソロ、ホセ・コロナド、アナ・トレント、マリア・レオン


☆ファースト・カウ

2019年/アメリカ/原題:First Cow/121分
監督:ケリー・ライカート
出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ、ユエン・ブレムナー、スコット・シェファード。ゲイリー・ファーマー、リリー・グラッドストーン


☆本日公休

2023年/台湾/原題:本日公休/106分
監督:フー・ティエンユー
出演:ルー・シャオフェン、フー・モンボー、ファン・ジーヨウ、チェン・ボーリン、リン・ボーホン、シー・ミンシュアイ、アニー・チェン


いいなと思ったら応援しよう!