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yamabra disk: TONINHO HORTA & DOROTA MISKIEWICZ / Bons Amigos

ブラジル音楽を真面目に聴くようになって、かれこれ25年くらいになると思う。さまざまな素晴らしいアーティストの素晴らしい音楽を聴いてきたけれど、その中でも特に好きなアーティストの一人がこのToninho Horta(トニーニョ・オルタ)である。

Toninhoは録音よりよりも生の方が、あの体躯から生まれる底知れぬ力強さが感じられて、ずっと良いって僕は思っていて、だからこそ日本にも何度も来ている彼を、山形への招聘を何度も試みたけれど全く叶わず(招聘元の方に嫌われていたんだろうね)、別ルートで当時の月刊ラティーナから山形公演の打診を受けた時は小躍りするほど嬉しかった。そしてまさか拙宅で食事をしてもらったり、ソファーで仮眠を取ってもらったりなんてことが起こるとは思ってもみなかった。時差ボケもあってご機嫌はあまり良いとは言えなかったけれど、大好きなアーティストを山形に招聘できて幸せだった。公演翌日に駅に見送りに行った時、僕はつい感激のあまり涙腺にきてしまい、それをみて彼らはポカンとして、何を泣いてんだこいつっていう顔をしていたけれど。

山形公演でのToninho Horta。撮影は川上直さん。

さて無駄に前置きばかりが長くなったけど、本作はそのToninho Hortaと、ポーランドの女性ジャズ系のシンガー・ソングライターでヴァイオリン奏者でもある、Dorota Miśkiewicz(ドロタ・ミシュキェヴィチ)とのデュオによるアルバムである。


Toninhoのいわゆる「浮遊感」のある旋律とハーモニーとギターのサウンドに、彼女のスモーキーな歌声とテクニカルな歌唱はとても相性が良いように思う。Toninhoの過去の名曲と、Dorota Miśkiewiczの曲も数曲取り上げているけれど、全く違和感なく溶け合っていると思う。そしてMichael Pipoquinha(ミシェル・ピポキーニャ)のフレットレスベースが素晴らしい。Toninhoの快作です。



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