yamabra disk: LAUFEY/ Bewitched
Laufey(レイヴェイ)の待望のニュー・アルバム。これも先行配信から結構待ったけれど、待った甲斐がありました。彼女の音楽を僕はデビューから追いかけているのですが、本作もまた素敵なアルバムですね。
Laufeyはレイキャビク出身の中国系アイスランド人で、アイスランドと中国のハーフ。現在はボストンを拠点に活動中のシンガー・ソングライター。彼女の魅力はやはりその歌声です。落ち着いていて、若いのに大人の女性らしいしっとりした繊細な情感が溢れています。そして揺れるヴィブラートの残す余韻。本作では歌がさらに進歩したように感じます。柔らかさやノスタルジアはそのままに。歯切れのよさや力強さが加わりました。
基本的に彼女の音楽の概要はオールド・ファッションではあるのだけれど、ギターやピアノを中心に、しっとりとしたストリングスのアレンジと彼女の歌との相乗効果で、その世界観はどこまでもスイートでロマンチックです。
しかし彼女の音楽の魅力は、彼女という個性にあります。ただノスタルジーに耽溺するのではなく、そういうスタイルの中に彼女の持つ新鮮な感覚が輝きを放っています。Tr.3”Hauted"、Tr.10"From the Start"はボサノヴァ。こういう曲を聴くと、彼女のボサノヴァだけのアルバムなんかも聴いてみたいですね。