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僕の好きなアジア映画104: 宇宙探索編集部
『宇宙探索編集部』
2021年/中国/原題:宇宙探索編輯部/111分
監督:コン・ダーシャン(孔大山)
出演:ヤン・ハオユー(楊皓宇)、アイ・リーヤー(艾麗婭)、ロイ・ワン(王一通)、チミー・ジャン(蒋奇明)、シェン・チェンチェン
いまでもそういうテレビ番組があるのかどうか、テレビ、特にバラエティーをほとんど見ないので知る由もないのだが、昔はよく未確認飛行物体や地球外生命体などをとりあげたものがよくあった。そういうプログラムを見たのは主に子供の頃であって、この種の話題自体最近は触れる機会すらない。
未確認飛行物体や地球外生命体についてその存在を熱狂的に語るその方面の方々のいかがわしさ、彼らに対する違和感は子供の頃から強烈に感じた。その理由は彼らの熱く語る「科学」が圧倒的に基礎的な科学的知識にかけていたり、事象における因果関係が全く希薄であったり、単に「変な人たち」の非科学的思考や態度としか思えなかった(今ももちろんそう思ってます)。確率論的に言えばこの無限の宇宙において、地球外生命体が存在すると考えるのが妥当ではあるが、もちろんいまだにそれは確定的な立証を施されるに至っていない。
主人公は30年前にはUFO関連で注目を浴び、「宇宙探索」という雑誌を刊行しているものの、今はもう燃料費を払うことにすら窮する状態。昔のネタでなんとか食い繋いでいる。
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そこで一念発起、地球外生命体との遭遇が報告された西方へ(宇宙服を売って)と旅立つ。くだらないギャグを散りばめながら、ドキュメンタリーのように始まり、過酷なロードムービーになっていく。
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最後になって映画は急速にSFの色を帯び始める。結果的に主人公は自身の目的を成し遂げ、成功へと導かれるのである。
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極めて好意的な感想を言えば、未確認飛行物体や地球外生命体を追い求める一途な探求は(餌を目前にぶら下げられたロバのように)、自身の内なる未知なるものをどこまでも追求することに他ならないと、宇宙は無限であるとともに、内的探究もまた無限足りうると、ラストの宇宙を俯瞰したDNA的造形は物語っているのだろう。
ドラマとしての内容はともかく、率直にいってこの映画はなんとも言えない味がある。僕はこの映画は好きだ。スローな始まり、淡々とした中盤、そして最後は壮大なエンディグへと導かれる。監督はなんと孔子の末裔だというコン・ダーシャン。割とどうでも良い情報だが、孔子の故郷山東省曲阜の出身で、75代目の子孫にあたるそうだ。ほんまでっか。
平遥映画祭最優秀作品賞・審査員栄誉賞・映画ファン栄誉賞、北京国際映画祭注目未来部門作品賞、Golden Rooster Award for Best Writingなど。
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