偏愛音楽。
偏愛する音楽。1回目はブラジル音楽から。
いわゆる超有名盤とはいえないけれど、個人的に強い愛着があり、よく聴いたアルバムって皆さんにもあると思います。ここに選んだ10枚のブラジル音楽は僕に取ってそういう偏愛の対象となっているものです。いずれも何度も何度も聴いた作品です。一般的な各アーティストの代表的名盤とか、ブラジル音楽のベストとかでは紹介されない、あるいは紹介されることが少ないアルバムかもしれないけれど、興味を持って聴いていただければ絶対に気に入っていただける傑作だと、僕は確信しています。あまりたくさんのディスクを紹介しても聴く気にならんと思うので、この手の記事は毎回10枚だけにします。各々に簡単なコメントを付しました。
Belmondo & Milton Nascimento - Belmondo & Militon Nascimento
Miltonとフランス人のLionelとChristopheのBelmondo兄弟とのコラボ盤。「これはいいね」、と言ってくれる人がほとんどいないのだけれど、僕は愛聴しています。お馴染みのMiltonの名曲が、Belmondo兄弟の手によって新しい響きをもたらされています。
Chico Pinheiro - Meia-Noite Meio-Dia
Chico Pinheiroのファースト・アルバム。現在はジャズ・ギタリストの側面が強いけれど、この頃はジャズの色合いの強いMPB。知的で美しい好盤です。Maria Rita、Lenine、Ed Motta、Chico Cesarなどゲストもよいが、なんと言っても奥様Luciana Alvesの透明感が素晴らしい。
Eduardo Gudin & Notícias Dum Brasil - Eduardo Gudin & Notícias Dum Brasil
São Pauloを代表する作曲家Eduardo Gudinと、彼の率いるユニットNotícias Dum Brasilとのアルバムです。Monica Salmaso、Renato Brazなどすごいメンバーの時の圧倒的なコーラスで、Gudinのこの上なく美しい曲を聴くことができる最高のアルバムです。
Los Hermanos - 4
ふつうLos Hermanosといえばサード・アルバム「Ventura」なのですが、僕はそれと同じくらいこのアルバムが好きです。サウンド的に、煌びやかな「Ventura」に比べてやや地味目だけど。このアルバムも彼ららしい切ない曲がたくさん収録されています。
Joyce Moreno - Hard Bossa
それこそJoyceの素晴らしいアルバムはたくさんあって、しかしこのアルバムが好きっていう人はあまりお目にかからないのです。FarOutからリリースされたアルバムだけにサウンドがソリッドでヴィヴィッドで、洗練と力強さのある素晴らしい作品なんですけど。
Lourenço Rebetez - O Corpo de Dentro
これはSão Pauloで活動するギタリスト/作編曲家のLourenço Rebetezアルバム。プロデュースはArto Lindsay。ジャジーで分厚いホーン・セクションと、チンバウやドラムなどを中心としたBahia〜Afro-Brasilのリズムを組み合わせて、刺激的で斬新なサウンドを作り上げています。
Luciana Souza - The New Bossa Nova
Lucianaは僕の最も好きな女性歌手の一人です。Joni Mitchellの元旦那でベーシスト・プロデューサーのLarry Kleinと結婚。本作も彼のプロデューズ。Joni Mitchel, James Taylor, Sting, Donald Fagen, Randy Newman, Michael McDonaldなどの曲を採り上げた、静謐な大人のBossa Nova。
Mestrinho - É Tempo pra Viver
Dominguinhosが亡くなって、彼のような洗練されたForroを演奏するアーティストがいないものかと探していて、それを満たしてくれたのがこのMestrinhoです。Forroらしいリズムの中にメロウな感覚が息づく彼の音楽は多くの人に受け入れられると思うのですが。
Música Ligeira - Música Ligeira
軽音楽(Musica Ligeira)という名を冠し、São Pauloらしい屈折感の中に美しい音楽を構築している。Stevie WonderやLennon-MaCartney、Prince、そしてChico BuarqueやPaulinho da Violaが全て同列で違和感もない。残念ながらRodrigo Rodriguesが亡くなってしまった。
Sérgio Mendes - Horizonte Aberto
Sergio Mendesももうわからんほどたくさんのアルバムをリリースしていて、「Brasileiro」とか「Brazil’ 66」とか人気のアルバムがあるけれど、正直つまらないアルバムも山ほどあります。で、僕が最も好きなのがこのアルバム。選曲も良いし、高揚感があります。