yamabra disk: JOÃO DONATO / Serotonina
今年はブラジルのビッグネームの新作がここまであまりなかったけれど、ここにきていくつか凄いのがリリースされています。
まずはJoão Donato。彼が山形で公演を行ったのが、なんともう遠い目になる15年前(73歳)。当時から既にとても無邪気なお爺ちゃんだったのに、88歳になった今もその無邪気さはますます健在だ。
本作ではドナート爺ちゃん、ほぼエレビを弾いていて、これがいつにも増してメロウな感覚を強めています。色彩感のある暖かいサウンド、相変わらずのヘタウマな歌声、独特のリズムとタイム感覚、緩いようでいて抜群のグルーヴ感も流石の一言。
タイトルはなんと「セロトニン」。抑制系の脳内神経伝達物質であり、興奮系を制御することで情動的な安定をもたらす。そのタイトル通り、ほんとに本人もリラックスして音楽を楽しんでいて、そして聴くものにはそれ以上の心地よさを与えてくれる、素晴らしいアルバムです。夏の終わりのパラダイス。ドナートさん歳を取ることを、完全に忘れているようです(笑)。
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