見出し画像

キッチンと私のストーリー1

キッチンアドバイザーとして、活動するまでを2回にわたって、書いていきます。プロフィール記事の中にも、掲載していますが、コチラは、「キッチンと私のストーリー」だけをピックアップして、より詳しくリライトしています。

シングルマザーの誓い

22年前、5歳と12歳の子供を抱えて、母子家庭になったとき5歳の息子が言いました。「かあか、(お母さん)なんで泣いてるの?俺たちがいるから大丈夫だよ」と。息子は離婚のことなどわかっていません。でも、この息子の言葉がずーとずーと私の支えになりました。この時に誓ったんです。この子たちを守るために、そしてこの子たちがいつか独立していくときに、誇ってもらえるような自分になろう、と。

名称未設定のデザイン (20)

経済力をつけること、社会に貢献できる仕事をしていくこと、60になっても輝く生き方をしていくこと、3つを決めました。社会で貢献できる力をつけて、経済力をなんとしてもつけたい、この子たちがやがて大人になったとき、年齢がいっていてもこんなに輝いた人生が開ける!ことを示したかったから。

でも、シングルマザーになると世間はやっぱり男社会なんだな、ということ何度も痛感しました。表札に主人の名前がないだけで、こんなに雨,風がまともに来るんだなと感じました。

だからどうしても、気が強くなるし、いつもアンテナを張っている状態でした。引っ越しをしたときは、不動産屋さんになめられているのが、あからさまに伝わりました。「きっと主人がいたらこんな理不尽なことやらないだろうな」そんなことは大なり小なり経験しました。本来は、のろ間でのみ込みも悪く自分の意見も言えない性格なのに、子供を守るためだと真逆な自分になるんだなといつも思っていました。

キッチンとの出会い

専業主婦12年、パソコンも免許もなく何もできない私がやっとパートで採用になったのが住宅機器会社のショールーム受付でした。
それがシステムキッチンとのはじめての出会いでした。


なぜならシングルマザーとして二人の子を抱え、自宅は小さなアパートでシステムキッチンなど見たこともなく、使うこともなかったからです。


ショールームにいると うれしくてこんな家に住んでみたいな、こんなキッチンいいなと、毎日ショールームのキッチンを磨いていました。

画像4


でも、キッチンの商品のこと、パソコン操作のこと、接客を覚えていくには何年もかかりました。図面を見せられてもなにもわからない、社内の教育もない。会社にとっては、パートのおばさんはただ、ショールームでお留守番でよかったからです。

12年も専業主婦で社会に出たことがないので、電話1つ出るにも、会社モードにならない、声が小さい・・・直すべきところがたくさんありました。子供が熱をだしたり病気になれば会社を休まなくてはならず、それが頻繁だといつクビになるかわからない、生活のため辞めることもできない。

画像2

仕事と子育てを両立するために考えたことは、子供たちの健康管理は徹底すること。「手洗い」「うがい」をさせ、朝食は必ず作り食べさせる、夜ごはんの分も何品もできるだけ手作りの料理を用意、少しでも体調がおかしいときは、夜間の救急センターに連れていき、絶対に初期のうちに治すようにしました。当時は、水曜定休、土日はフル出勤だったので、息子の少年野球のお当番もできず、親のせいで息子に野球をあきらめさせたこともあります。

でも、いくら頑張っても、思うように仕事はできませんでした。「アナタは僕が聞いたことにテキパキと答えられない」「研修くらい受けてるんでしょ。こんなこともわからないのか」と業者さんやお客様に叱られて、泣いてました。

はじめての資格

休みの時に他のショールームを見て回り、商品の説明を聞いてはノートを作りました。他メーカーのカタログを取って、図面に起こす練習もしました。専門用語がなにもわからない、材料のイメージがわからないから覚えられないことも、サンプルを取り寄せては勉強しました。

画像1

当時は、ショールームを閉めてから、お客様への提案書類やプレゼンを作るため、残業も半端ありませんでした。仕事に集中するため 朝のうちに夕飯まで作り出てくる、その間、1年生の息子は一人ぼっちでご飯を食べ、娘は塾に行くという、寂しい思いをさせたこと、この時は必死だったけど、子供たちの心をどれだけ傷つけたかずっとあとになって気が付いたのです。

その後、会社の反対を押し切り、キッチンスペシャリスト資格を取得しました。完全に独学、図面も引けない、読めない、状態からの1発合格でした。
40歳近くになって、初めて取得した資格、これを大事にしたいと思うようになりました。


一人のお客様との出会い

キッチンの某ショールームに勤務して8年が経ったころ、家具のショールームと間違えて一人のご婦人が来場されました。
1か月後、入ってこられるなり「あなたに会いに戻ってきました!」と再度来場。
キッチン納入後「キッチンに立つ度あなたを思い出して幸せな気持ちになる」とおっしゃっていただきました。

画像5


この出会いと言葉がキッチンの大きな役割を認識でき、同時にキッチンから幸せな人をたくさん作りたいと思った原点です。
キッチン空間に特化した全国初のキッチンアドバイザーのスタートでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?