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【寄稿】請求書無くしたから再発行してください事件【親友①のこぼれ話6】

親友①によるこぼれ話です。
又本編が購入されたので、書いてくれました。

相変わらずエッジが聞いていて、見せてもらう度に「そんな事体験してたの?」と驚かされます。

そんな親友①の前回のこぼれ話はこちら


因みにこぼれ話の元となった本編はこちら




請求書無くしたから再発行してください事件

つらつら書いてきた本編のこぼれ話最後の一つである。
まぁこれは短いし些細な事件だ。



多分2023年6月。
会社を買い取るために必要だからと、IとKが経理から3月までの月次集計と請求書を持って行ったのが5月初旬ごろ。

4月分も寄越せと言われたが末締め、翌月請求が基本の会社だったので、5月初旬ではまだ4月請求分の手続き後が終わったところで資料がまとまっていなかった。

無い袖は振れないので渡せない。

その時は出来上がったら送れと言われたが、今までの話を読んでもらえば分かる通り、こじれにこじれていたので当然送らなかった。


ある日取引先から電話がかかってきた。

「お世話になります。□◇株式会社です。企画部長はいらっしゃいますか?」

外出中だった。

代わりに要件を聞くと

「御社のRさんという方から請求書を紛失したので再発行してもらえないかという連絡がありまして…。いつもの通り、企画部長のメールアドレスにお送りして問題ないか確認したいです。」

「……。弊社にRという社員はおりませんが……。」

「えー!そうなんですか?!いつもは企画部長か後輩さんが連絡してくるのにおかしいとは思ったんです。」

「そうなんですね。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。警察に相談しますのでもし電話番号など分かれば教えていただけませんでしょうか?何時ころかかってきたのかも……。請求書は手元にありますので、そちらの電話は無視してくださって構いません。お手数ですが、今後もし同じような電話があれば知らないふりをしていただいて、弊社までお知らせくださいますと大変助かります。」

「大丈夫ですよ。目的が分からなくて気持ち悪いですね……。電話番号は確認してまたご連絡いたしますね。」

「ありがとうございます。お手数をおかけしますがよろしくお願いいたします。」


天井を仰ぐ私。

お察し通りRはF社の社員だった。

弊社だけでなく取引先にまで迷惑かけるとか辞めて欲しい。

とりあえず、本社メンバーに共有だ。

経理部長が怒り狂った。

「うちが請求書の管理できてないみたいやん!風評被害やし、ないやろうけどこれで取引切られたら損害賠償請求するぞ!!!」

もっともである。


そしてその同日に同じような問い合わせの電話が5件あった。

内2件は指定された番号にFAXしてしまったという。

取引先も平謝りだ。

まさか弊社がそんなことになっているとは知らないのだから依頼があれば送るだろう。

そうは言っても、まったく違う会社に送ったとなれば情報漏洩だ。

取引先も念のため警察に不審な電話として通報したらしい。


翌日以降も同様の電話がポロポロとかかってくる。

信用問題になるので避けたかったが仕方がなく全取引先に連絡をいれた。


「この数日、弊社社員を語る不審人物より、【〇月度の請求書を紛失したため再発行して欲しい】という電話があったと、取引先企業様から多数ご報告いただいております。弊社では請求書を紛失したという事実はございません。
 もし、そういった電話がありましたら、名前と電話番号・FAX番号を弊社にお知らせくださいますと幸いでございます。
 また既にそういった電話があり、請求書を送られてしまった企業様に関しましては、弊社へ共有いただきますと共に警察にご相談くださいますようお願い申し上げます。
 なお、弊社からご連絡する際は以下に記載する担当者および電話番号・FAX番号以外からは連絡いたしません。
 ご迷惑をおかけし大変恐縮ではございますがご認識くださいますよう重ねてお願い申し上げます。」


その連絡後、7件ほど送ってしまったという報告があって眩暈がした。

私は半年だけ派遣する側として勤務した某派遣会社のトレーナーに

「普段と違う担当者や違う電話番号から依頼を受けた場合、必ず普段やり取りをしている電話番号に連絡をして在籍を確認してから対応しなさい。」

と指導されていたのでそれが普通だと思っていた。

勿論、今まで行ってきた新人研修でもそう教えてきたが、世の中のコンプライアンス意識は思っていたよりも緩かった。

社会人生活〇年目の衝撃である。


まぁ弊社と先の2社、後からの7社が警察に相談したことを、それとなくオーナーの耳にいれると不審電話はピタッと止まったので、多分問題ない。
請求書なんか何に使うのかと思っていたが、銀行やクラファンで資金を引っ張る材料にしたんだろうと今なら分かる。

IもKも詐欺で逮捕されたらしいので可能であればずっと出てこないで欲しい。

資金が無くなる旅に弊社にやったような感じで色々な個人経営の店を乗っ取っては潰していたそうだ。

今までの会社は泣き寝入りだったらしいので、弊社が予定外に抵抗したのはさぞ困ったことであろう。

挙句の果てに詐欺罪で逮捕だ。
いい気味である。



さて冒頭にも書いたが本編のこぼれ話はこれで最後である。

軽い気持ちで書き始めた「4年勤めた会社が乗っ取られて解雇された話」だが、全部まとめるとそれなりの文字数になりそうだ。

やる気と機会と根性があればこぼれ話も含め、きちんと時系列順で書き直したいと思っているのでその時はまたお付き合いいただけると嬉しい。

毎日熱中症の危険がありますが命大事に皆様に良い思い出が作れますように。


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