ビートルズと私

何かビートルズの話が流れてきたので、ビートルズとの思い出というか、ビートルズ好きの亡き親父様との思い出話をします。

原稿？
もう一冊は出せたらいいな😇

ビートルズと親父様

親父様が世代なのもあり、ビートルズが本当に大好きで、誇張なくビートルズのレコード、CDを全部持っていて、ビートルズとジャズの為だけに八畳の部屋をオーディオルーム(レコードからカセット、CDに出力できる機器)にするような、オタクでした。

因みに漫画アニメのオタクでもありましたが、そちらは亡き祖父(親父様の父)に「けしからん！」と見る事を抑圧されていたそうで、反面抑圧されなかった趣味である音楽は、「音楽くらいはいいだろう」と容認されていたらしく、親父様がビートルズやジャズに凄い勢いでハマっていたんだなあとわかる状況でした。

そんなビートルズ好きの親父様ですが、娘である私はご存知の通りビジュアル系の邦楽好きで、息子であるクソ兄貴は邦楽バンドとアニソン好き、後はビートマニアの為にユーロビートを聴いていました。

親父様としては家族と分かち合えない趣味だったと思うのですが、そこは一家の大黒柱なので、休日となれば家の中心にあるオーディオルームでドアを開け放してビートルズを流し、車移動の時には録画したカセットやCDを延々とカーステレオで聴かされていました。

まあ是非もなく、空気で履修させられていた感じですね。

しかし家にいるだけで勝手にビートルズが流れてくるので、当時の私はビートルズの思い出は曲というよりよく流れているBGM程度の認識でした。
勿体ないとか言われそうですが、本当に豚に真珠なんですよね。

そんな風にビートルズに興味がない私は、親父様が熱弁しようとも物理的に曲を流そうとも、聞き流していたのですが、ある日無理矢理ビートルズと向き合う場面ができました。

あれは中1の時の音楽の授業。
アルトリコーダーの課題でビートルズの「ヘイ・ジュード」が出てきたのです。
そして教科書にもなんか「ビートルズの来歴やメンバー紹介」が載っていました。

実は私は楽器演奏が基本どれも苦手で、しかし真面目生徒(オタク)だったので、学校の課題として練習するために、詳しいやろうと親父様に「ヘイ・ジュードのCDない？」って聞きに行きました。

嬉しいオタクの反面

私から話を聞いた親父様は、それはそれは嬉々として「ビートルズ聴きたなったんか？何や、学校の課題か？でも最近の中学はええ事教えてるなあ。これ💿️に入ってるから練習するならステレオの部屋(オーディオルームの事)で聴いたらええわ」と流れるようにいいセッティングされました。

パパ、娘はアルトリコーダーの練習をしたいだけなんや……ってなりつつ、しぶしぶCDかけつつ教科書片手にアルトリコーダーを吹き出しました。

すると私の横で、晩酌の酒(バーボン)を飲みながら娘の調子外れたアルトリコーダー演奏を聴き出す親父様。

何で同じ部屋におんねんとなりつつ、練習しました。
なお、課題は無事合格しました。

その後、課題が終わったのでビートルズともそれきりで、その数年後に親父様も亡くなったので、これ以上の思い出は特にないのですが、でも未だにビートルズの話を聞くと、この時の親父様とのやり取りを鮮明に思い出しますし、本当に全く興味がなかったのに、ビートルズの「ヘイ・ジュード」だけは未だにそらで全部暗唱できます。

ビートルズ好きな人には「何やねん？」と言われそうですが、個人的に親父様とのいい思い出として思い出す、ビートルズの思い出でした。

因みに、親父様が亡くなって、色々あって実家を処分する際に、クソ兄貴が親父様のコレクションをビートルズマニアの人に譲ったそうです。
マニアの人からは「こんなコレクションをどうして？？？」と驚かれたそうです。


棚いっぱいのレコードの山、スナップ写真風のポスター、色々あったんですが、凄かったんだろうなあってなりました。
まあ私にもくそ兄貴にも豚に真珠なので、必要の人に届いてよかったなあとなりました。

そんな昔話でした。