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顔面麻痺の主観的な体験記

どうも、絶賛左顔面麻痺中の私です。

せっかく生きてて2度も顔面麻痺(ウイルス由来のベル麻痺)になったので、体験記でも書こうかと思ったんですが、主観的なメモになったので、覚書程度で見てもらえると幸いです(何)


因みに顔面麻痺再発したお知らせ記事はこちら。


顔面麻痺を発症すぐ

片側の顔がまったく動かない。
顔の痛みはない。
皮膚への触覚や痛みは感じる。
耳周りのリンパ腺が腫れている。
気持ち悪い頭痛がする。
リンパ腺が腫れて、腫れた切り傷の傷口からするような熱がある。

麻痺している側の顔の皮膚に触れると触られている感覚はあるが、膜がある、詰まった感じがする。

耳の中が膨れた感じで、耳かきなどで内耳を触ると触っているのは分かるが痛みが鈍い、感じない。
耳は聞こえるがモノラル気味。

目は見えるが目が閉じないので涙が出る。
発話はできるが、唇が固定されているので常時鼻声のようなスースー音がでる。
酷い訛りがついている感じ。

食べ物の味はするが、舌の上に糊やクリームを塗ったような違和感を感じる。
咀嚼を失敗しまくる。
と言うか飲み物は煽らないと空いた唇から吹き出す。

煽る勢いがつきすぎると喉に詰まって咳き込む。
これが誤嚥ってやつかってなって、とろみをつけたほうがいいかとも考えたが、とろみがつくとベチャベチャになって飲み込めない。

何とかこぼさないように啜ると咀嚼音やクチャクチャ音がすごい。
その間にも軽率に動かない側の上唇から水分が吹き出す。
咀嚼していると、動かない方のほっぺたにめちゃくちゃ食べ物が溜まる。
舌が上手く使えないので、舌で口内を支配できない。

口周りにベタベタ食べこぼしがでてくる。
ちょっと食べるだけで布巾やティッシュがどんどん消費されて、本当に一苦労。

水分はストロー利用か、おわんみたいな大きい飲み口のものが楽。
でも飲む時に舌を駆使しないと無理なので、咀嚼音がヤバい。

ペットボトルは無理。
理由としては口が全くすぼめられないので、絶望しかない。

歯磨きが常時垂れ流し状態なので、俯いてする必要がある。

シャンプーは俯くか仰向かないと泡が口に入る。

薬がめちゃくちゃ強い薬なので、胃が荒れる。
普段真夜中にメンチカツを揚げて食べても、酒をショットで飲んでも翌日には元気で胃もたれも、胃痛もしない私が、胃痛になる。

胃が荒れるが、回復にはエネルギーと栄養が必要なのでめちゃくちゃ食べる必要がある。
食べると咀嚼がうまくできなくて、心身疲弊して疲れ果てる。

そのせいか、高カロリーなのに痩せる。
めっちゃ病中感。
やだ私病人。
真面目に病人をすべく、めちゃくちゃ食べて薬飲んで早寝した。



発症すぐの所感

痛みと熱と疲労と、上記の症状のせいで精神的ダメージがめちゃくちゃ強い。
有り体に言うと「惨め」な気分が強くなる期間。

前もこうだったなあ、と言うか、前は経験がないから人様の体験記とか、ベル麻痺でググりまくって気を紛らわせていたが、不安しかなかったなあと、前回のベル麻痺時の絶望を懐かしむ。

でも前もそうやって絶望や惨めになりつつも、コロナ禍で人と会わない幸運も相まり普段通り過ごして、半年かけて治したなと思いだす。
まずは原因の帯状疱疹を治さないといけないから、それがおわってようやく顔面麻痺が治りだすので、どんなに焦っても数週間はかかる。

薬を飲んでウイルス殺して、ご飯モリモリ食って栄養取って、たくさん寝て休めば腫れた神経も落ち着いて、そこから徐々に良くなるからと、自身を叱咤激励する(ニ回目のアドバンテージ)



因みにこの時は帯状疱疹でウイルス活性化期なので、顔面の神経が腫れて動かない状態。
この時期に変にマッサージしたり、電気治療したりすると、余計長引くから、医者から指示された以外のリハビリは辞めましょう(何)

めちゃくちゃ気持ちはわかるが、今は腫れてる期間、日常生活以外に神経を刺激するな危険。





服薬して2、3日頃

片側の顔がほぼ動かない。

無理やり頑張ろうとすると痙攣するが、労力に対して無風。
ときおり瞼など皮膚が薄い所が痙攣する。
ピリピリした痛みが皮膚が薄い瞼などに出る。
無理やり話していると顔全体が熱くなる。

耳の周りに帯状疱疹の発疹(赤いかさぶた)が出る。
耳の奥がキーンと神経痛で痛む。
耳の中の感覚は痛みが鈍いのはそのままだが、膨れた感覚はなくなる。

耳は聞こえるが、常時詰まった感じがして、イヤホンは辛い。
そもそも帯状疱疹で耳詰まりの時にイヤホンするな。
目は見えるし手で押さえれば瞼は閉じるが常時半目、麻痺していない側の目が酷使されるのか霞む。

麻痺側は乾燥、麻痺してない側は疲労で涙が常にでる。
お陰で瞼が腫れる。
医者にお願いして目薬とクリームで保湿しているが、焼け石に水で眼精疲労半端ない。
眼帯をしても瞼が閉じないので、結局乾燥して涙と皮膚はカサカサ。

発話は相変わらず唇が動かないので鼻声気味。
まったく動かなかった時よりましになったので、訛りが消えて聞きやすくはなったが、ラッパの口ができないので半濁音が言えない。
ピーナッツがヒーナッツになる。
舌は相変わらずノリやクリームを塗った膜を感じる。

まったく動かなかった時より、慣れと多少ましになってきた反面、唾液がたくさん出て食べる時のジュルジュル音がやばい。
食べこぼしはなくなったから、ティッシュや布巾はいらなくなったと安心していると、大きすぎる物を飲み込もうとすると失敗する。
失敗した感が半端なくて落ち込みがち。
そんな感じで気を抜くと失敗して吹く事はあるが、全体的に吹き出すのは減った。

仰向けに煽る形で飲むといいが、むせる場合もあるのでリスキー。

ペットボトルは相変わらず無理で、飲み口の大きいおわん型の湯飲みかストローが生命線。

舌をそこまで使わなくても飲めるようになったので、水分だけ飲むなら咀嚼音なくなる。
口の中は片側によりがちだが、舌で多少動かせるようになる。
歯磨きは垂れがちだが、わざわざうつむかず普通にできるようになった。

シャンプーは口に入らなくなったが、目は閉じないので相変わらず仰向けかうつむきで対応している。

胃はステロイド系のお薬なので相変わらず荒れる。
でも発症後から今に至るまで気にせず食べる。
そんな感じに過ごすと、食べる事に疲労を感じる。
この私が、食べるのを面倒に感じるだと……?!となる。

しかし何度も言うが、ここで食べるのを辞めると回復が遅くなる。
メシテロにときめきを感じなければ、めちゃくちゃ自分を甘やかして牛肉とか、ケーキとかも栄養バランス見つつ食べる。
食べないと言う選択肢はない。
かかりつけ医からはちゃんと食べろと言われているので。

心身がしんどくて、食欲がなかったら甘いもんと肉を食え。
後、火照って熱いが冷やさないようにする。


発症後2、3日の所感

片側の顔面が麻痺しているのになれてきて色々できるようになってきたが、麻痺自体は治ってないから焦りが出てくる期。

慣れがでてくるから治りかけみたいな錯覚になるが、まだまだ炎症しているから、デバフ疲労困憊が常についているので、普段通りに過ごすと心身ともに疲弊しがち。

そのせいで、ふとした失敗で落ち込みやすい。

適宜休む、サボる、甘やかす、好きにする、あったかくする、とにかく早く寝ろを徹底する。

休め、私は今病人だ!(何)



発症して5日過ぎた頃

発症して5日もたつと、処方されて飲んでいる薬(ステロイド)の種類が減ってくる。

片側の麻痺した顔が、微妙に、本当に微かに動くようになる。
動くと言ってもぐいっと動くわけではなく、震えてピクッと動くくらい。
微々たるもんだが、意志を持って動かす→錯覚ではなくちょっと動くができる事に感動する。
なお、動かしたら動かしたで神経の誤反応で痛みが走るし、何か皮膚の上に仮面をつけたような違和感が出てくる。

それでも麻痺した側の顔は、動く逆側の顔にただ引っ張られてただけの状態だったので、微かにましになる。

火照りや微熱はなくなる。
ちょっと頭痛を感じるが、気圧のせいかって普段の体調悪い時の頭痛しか感じない。
瞼は相変わらず閉じないけれど、乾燥や疲労で涙がボロボロでていたのが、ポロッと溢れるくらいに落ち着いてきた。

慣れか、回復か微妙な所だが、ああようやくマシになってきはじめたという安堵がくる。

突然ふっと、唇が軽くなった。

本当に、本当に微かだがラッパ口ができるようになったので、鼻濁音が言えるようになった。
耳かきを耳にいれると普通の感覚がする。

舌にずっとあった糊やクリームの膜がなくなる。
大きいものを飲んでも吹き出さなくなった。

試しにペットボトル飲んだら、危ない時もあったが成功した。
ペットボトルで飲み物が飲めるようになって感動する。

1時間に二、三回くらいでこめかみ、頬、エクボなどに弛緩と痙攣が交互に発生する。

嫌な感じではなく、楽になってる感がするからプラシーボ的に治ってきてると感じる。
噛み合わせの辺りを指で軽く押すと、知覚過敏みたいな神経痛がするようになる。
これは麻痺の回復期にある誤反応らしい。

思い出したら、確か前回もあった感じだったからニッコリ。

と、ここまで書いたらめちゃくちゃ劇的に回復した風に読めるが、見た目はまだ白目剥いてるし、片側顔面麻痺は相変わらずだし、傍目にはホラーでしかない状態は変わらない。

でも全くできない、少し慣れてきたけど本当にしんどいが終わって、しんどくなくなってきたってのが如実にわかる。

デバフが消えた感じ。
ここからはデバフがない状態で回復できるって兆しが見えだした時期。


発症後5日後の所感

調子に乗るとダメな期。
まだまだ炎症はあるだろうし、疲労もあるし、ここで電気治療とか無理なマッサージも駄目。
たくさん食べてたくさん寝てあったかくしてゆっくり養生する期間。

希望が持てるが過度の期待をするなな時期。

これがきたら取り敢えずの回復には2、3ヶ月くらいかなあって思っとけばいい。



唐突に顔面麻痺罹患した身としての評

顔面麻痺はかかると精神的なショックがデカい。

見た目のやばさ。
中身(自分の精神状態)と見た目のギャップ。
周囲からの目線。
元気なのに思い通りにならない歯がゆさ。
当たり前ができない屈辱感。
精神的に元気であるが故に、無駄に考える余裕があり、これが精神的に病む。

稀有な事象(別の病気に伴う麻痺でなく、顔面だけ動かない麻痺)なので、周囲との認識の差がある。

中身がごらんの通り元気なので、すぐ治ると思われているが、半年はかかるし、早くても人前に耐えられるのに数カ月はかかる。
約束がリスケになるので、なんでと言われて困る事が多々ある。
私は今回2度目だが、1回目の時に何度も何度もお誘いを断って、相手からは元気なのになんでって感じで、めちゃくちゃ落ち込んだ。

顔面麻痺は治りが遅いし、八割がよくて完治は難しい。
そして気にするのは自分ばかりで、精神的に疲弊していて、会えば人目が気になるしで、それが半年以上は続くというね。
そんな時に人と会いたくないし、治ってないからって言っても解って貰えないとくればね。

これは気をつけないと、本当に元気な人ほど病むやつ。


幸い前回はコロナ禍真っ只中で、緊急事態宣言だからとか、職場が厳しくてとか、顔面麻痺以外の理由を並べ立てまくって逃げ切った。
それとは別に後述するが、自分の中で「顔面が麻痺してても私は問題ない」と割り切れたから、それで命助かったのがある。
今は二回目なのでとくに、治る未来を確信できているので本当に元気な病人状態。


まあ元気でも私、今病人ですからね!
詰まる所、顔面麻痺になったら病むから気をつけろ!って話です(何)
参考程度にどうぞ!



処方薬を飲み切る頃

麻痺側の顔面な触れると激痛期が始まる。
これは回復期の神経の誤反応らしいが、まじで頬を擦るくらいで「いってえっ!!!」てくらいの痛みが走る。

場所は日によるが、基本顔面の神経が通っている所全部。

頬、笑窪、こめかみあたりは指で刺すと、ピキイッ!となる痛み。
因みに押さなければ痛みはしないので、少し前に出ていた火照りやピリピリな神経刺激とは別。
押しても治るわけはないから、表情筋のリハビリ(医者の指示あり)以外、自己判断で無為に触るな危険。


瞼は上瞼がだいぶ治ってきた感じがするのと、膜のようなものがあったのが、ポロッと取れた感じがする(錯覚が消えた感じ)

でも下瞼は未だに死んでいるし、治った感事と言っても完治からは程遠いので過度な期待はするな。
といいつつ頬はだいぶ治ってきた。

ニヒルな笑みは余裕でできるし、麻痺側でもピクピク運動ができるようになってきた。

耳は膜がなくなったが、微妙な詰まりは折々感じるが、痛みや熱はなくなった。

上唇が閉じられるようになった。

炭酸もペットボトルも怖くないが、クソデカいサプリをまとめ読みすると失敗しそうになり、そのせいでむせそうになる。

治ってくると過信が出てくるので、治ってきたと思うかも知れぬが、今まで通りおわんやストローを使うのが安牌。

鼻濁音がだいぶ滑らかに戻るが、意識して発音しないと失敗する。

言えなくなっていたが、意識すると言えるようになった程度の戻り具合。

火照りや神経痛はない。
リンパ腺の腫れはない。
もちろん頭痛なんてとんとない。

むしろ一番の難点はステロイド系の薬による胃痛になってくる。
因みに何度も言うが、処方薬がステロイド系の薬。
一応胃薬も一緒に処方されているが、普段めちゃくちゃ健康でアレルギーもなく大食いで健啖家な私ですら、胃もたれと胃痛するレベルのステロイド系の薬の強さ。
食事に疲労を伴うと言うデバフに負けない。


これふと「薬飲めば飲む程体調が悪くなる」って言って、所謂「病人が薬を飲むのをやめようとするシチュエーション」ってこのせいか?!!って知見を得る。

確かに「薬を飲んでいるのに全然顔面麻痺は完治しない(基本発症原因のウイルスを殺してるだけで、顔面麻痺は炎症を抑えつつ自然治癒に任せるしかないので、回復に数カ月かかる)、薬飲む程に身体が苦しい(ステロイド系だから飲む度に胃痛と胃もたれと消化で疲労困憊する)」だからなあってなるが、薬飲まないとウイルスは死なないし、死なない間に神経の腫れが酷くなるし、腫れが酷いと自然治癒なんて夢の又夢だし、薬飲まないと治らないんだから飲む必要あるやろ一択なんだけど、そうか、普通の人はこれが無理なんだなあってなる等した。

本当に体験によって正しく知見を得る。


薬飲み切る頃の所感

そしてこんなアホな思考がスラスラと出てくるぐらいには平常に戻ってきて、治りが見えてきたので、いけるやろうと過信するあたりなので、期待は過度に持つな、お前はまだ病人だ期。



因みに体面は、普通に外出して人と話してもマスクと無表情なら気づかれないが、親しい八百屋のおっちゃんと話すと「どうしたの???」って聞かれるくらい。

そら、話してたら瞬きの度に片目が白目剥いてたら気づくわなってなる。
そう、私今、普通の瞬きをしているだけで片目がナチュラルに白目をむきます。

自分では気づかないが、周りには異常事態です。

「今ちょっと病気してて顔面麻痺状態なんですわーwww」って話すと「そうなのー?お大事にー!」って言われる感じで流しましょう。

自覚を持って病人であれ。



因みに疲れのせいか、帯状疱疹は治ったのに口唇ヘルペスができる。

飲みきったステロイドの代わりに、抗ウイルス薬を処方される。

泣きっ面に蜂どころか、 顔面麻痺に口唇ヘルペス。


最後に

そんな体験記とは名ばかりの主観メモな感じですが、本当に総じて個人的感想は「左顔面が麻痺してる以外超元気(当社比)」なんですよな。

時々絶望するけど、それはPMSでたまにあるし、できなくて惨めになるけど、私今病人だしできなくて普通だし、病人の割に超元気だってすぐ持ち直すし、何より顔面麻痺してても私は私だし?

後、人と会わないってなったから一人でしかできない事をめちゃくちゃ消化できたから、部屋着のほつれを繕ったり、普段食べない炭水化物系のご飯レシピ試したり、甘いもん作って食べたり、かなり病人を満喫できて楽しかった。

普段めちゃくちゃ健康なので、病人になるのも楽しいってところです。


まあそれもこれも前回顔面麻痺を一度体験して、八割型で完治して日常生活に戻れている体験があるからなんですがね。

前回はマジで初っ端に「神経死んでるかも知れないね(かかりつけ医から紹介された大学病院医)」とか言われたので絶望が酷かったのもある。

コロナ禍でディスタンスしていたので、そんな絶望していても緊急事態宣言で誰にも会わず迷惑かけなかったけど、私じゃなかったら病んでたわってなるなどした。

顔が麻痺したままかも知れないで絶望しても、顔が麻痺してても私は私で変わらんやん?と気づいたら気が楽になったし、悩んでいる半年くらいで治ってきたし、麻痺残ってても周り誰も私の顔の麻痺具合なんて興味もないし、気にしないしなってわかったので、それも含めて二回目の顔面麻痺はすごい気が楽。



しんどいけどね!

お茶を飲むだけでテクニカルで、失敗があるって大変だからさ!
同情するなら褒め称えて!!
私は顔面麻痺していてもしていなくても常に光り輝いてる!!!(何)


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