同人サークル活動での本当にあった怖い話(実体験)3.ダミーサークル
気づけばシリーズ化
ありがたいことに、身内に大ウケのため、同人サークル怖い話シリーズ化しました。前作「同人サークル活動での本当にあった怖い話(実体験)2.炎上する人」はこちらです。
みなさんは「ダミーサークル」ってご存知ですか?
人によっては「幽霊サークル」って名称を使う人もいるそうですが、どちらにしろ「サークル参加しているのに、実質的な活動実体(配布物、売り子)がないサークル」を指します。
とは言っても、不慮の事故や体調不良、頑張った結果原稿を落として配布物なしになったなどで、わざとではなくとも、そうならざるを得ない事態もありますので、判断がつきにくい場合がありますが、こちらの不慮の事態の場合は「欠席」を用いる形で使いわけられています。
まあそこら辺の定義はさておき、今回も私が体験したと言うか、巻き込まれたダミーサークルの話をします。
これは思い返しても、巻き込まれ事故すぎて怒りと悲しみがいまだに癒えない出来事なので、夏日を過ごしたみなさんの心胆を寒からしめられればと思います。
委託
私はちょうどその頃ジャンル移動をしました。
新しいジャンルに移動して、そのジャンルでもサークル活動で本を数冊出した頃、旧ジャンルの在庫が半端に手元にありました。
どのくらい半端かというと、3種類それぞれに1、2冊程度って形です。
オールジャンルイベントとかなら、旧ジャンルの在庫も新ジャンルでの参加時に一緒に頒布してもいいのですが、新ジャンルでの参加予定がオンリーイベントしかなかったため、旧ジャンルの在庫をどうするか悩んでいました。
一番手っ取り早いのは、虎やBOOTHで通販ページを作っていたので、通販在庫に投げるかなどですが、それにしてもたった1、2冊だったのでどうするか悩んでいました。
そんな折に相互であったAさんから「私、今度旧ジャンルのイベントにサークル参加するから、委託受けるよ?」と声をかけて貰いました。
ここでAさんの事を説明すると、Aさんと私はSNSの繋がりタグで相互になり、公式イベントで一緒に参加したり、コラボカフェでオフ会もしたりな仲なので、気心は知れていました。
ただイベントに参加する時は、私は別の相互さんと合体サークルになる事が多く、その人たちとアフターに行ったりしていたので、イベント中にAさんのサークルとかかわっていませんでした。
なので、当時は「前ジャンルで同カプのサークル主さん」くらいの認知でした。
しかし折角Aさんから委託すると声をかけて下さったので、渡りに船とばかりに数冊の在庫を委託させて頂く事にしました。
イベント当日、事前にAさんから「サークルチケットが余ってるから、在庫手渡しついでに一緒に参加してもいいよ?聖龍さんは別ジャンルだし、お買い物あったら行ってくれていいよ?」と迄言ってくれたので、お言葉に甘えて在庫とともにサークル入場時間に待ち合わせてイベントに参加する事にしました。
当日待ち合わせ場所に待っていたのはAさんとAさんのお友だちがお一人、まとめて挨拶をして、サークル入場をし、Aさんのスペースにみんなで向かいました。
スペースで椅子をセットして敷布を敷くAさんを手伝いつつ、最後に委託する私の在庫をAさんに手渡ししました。
Aさん「じゃあここに置いとくね?」
そう言ってAさんはご自身の本(既刊が一種類、三冊ほど)の隣に私の在庫を並べると、すぐにサッとその上から布をかけました。
そしてそのままAさんはどこかへ行こうとします。
聖龍「え?Aさんどこに行かれるんですか?」
Aさん「買い物だよ?」
聖龍「え?(スペースでの)頒布は?」
Aさん「そんなの、買いたい新刊なくなっちゃうじゃん。聖龍さんが売るならそこ(Aさんのスペースを指して)座ってていいよ?」
聖龍「は??????」
気付けばさっきまでそこにいた、Aさんのお友だちの姿もありません。
見ると壁サークルさんの列にいました。
私が状況把握できずパニックになっている間に、Aさんも別の壁サークルさんの列へと消えて行きました。
あまりの事に頭が真っ白になりました。
「え、どういう事?Aさんサークル参加したんじゃないの?
頒布せずに買い物に全員で出かける?私、委託したのに、私が配布するってことなの?他人のスペースで?仮にそうしたとして、これはサークルの参加ルールとして大丈夫なの?というか釣り銭用意してないし、Aさんの既刊の値段知らないし、値札も用意してないし、意味わからない」と内心パニックです。
今迄私は、委託を依頼した事も、依頼された事もありますが、こんな事態に直面したのは初めてです。
と言うか、私が依頼したのではなく、間違いなくAさんから委託を提案して貰ったので、こんな騙し討ちのような目にあうなんて夢にも思っていませんでした。
もう焦りと怒りと悲しみとでパニックです。
結局暫く悩みましたが、サークル主のAさんが不在のまま、私が代理で私の在庫を頒布すると言うのもルール上許されるのか判断つかなかったため、私は自分の在庫の委託(頒布)を諦めました。
悲しいやら辛いやら惨めやらで、イベント開始時間になりましたが何もやる気がおきず、暫くイベント会場の隅でぼーっとしていました。
そこでふと「そういえば相互のBさんが今日参加されていたな。挨拶に行こう」と思い、ふらふらとBさんのスペースに行きました。
Bさんのスペースは賑わっていました。
新刊も既刊もたくさん、売り子さんもいて、いいスペースだなってしみじみと思いました。
Bさんは私を見かけると声をかけ、挨拶してくれました。
Bさん「あ、聖龍さんお疲れ!今日委託だっけ?どうしたの?」
私が落ち込んでいるのがわかったのでしょう、Bさんの言葉が染みて、泣きそうになったのを覚えてします。
ちょうど空いていたタイミングだった事もあり、謝罪と断りを入れつつ、耐えきれなかった事の経緯をBさんにつらつらと愚痴りました。
Bさん「あーAさんか、あの人ねー、私や聖龍さんと違って、真面目にサークルやってないのよ。本もさ、最初に出した一冊から、新刊出たって聞かないよ?私達真面目にサークルやってる側と同じ気持ちがあると思って話したら、こっちが馬鹿みるよ?私も前にAさんと揉めた事あるけど、えらい目にあったから、今日の聖龍さんの事も可哀想だけど、深く考えるだけ無駄だよ?気にしない方がいいよ?」
聖龍「……び、Bさん(涙」
そこでBさんも似たような目にあったのかとわかり、そこから私の話を聞いて貰ったり、逆に話をして貰ったりして慰められてで、本当にとても泣けてきました。
と言うか泣いていました。
年甲斐もなくBさんのスペース裏でメソメソと。
Bさん、その説は本当にお世話になりました。
(因みにBさんとは未だに相互なので、これを書いた後にDMして当時の話をして又労われたりなどしました。重ねてBさんに感謝を送ります)
さておき、Bさんのお陰でひとしきり気持ちが整理ついたら、今度は怒りがわき上がってきました。
Aさんよ、お前私の可愛い我が子(在庫)に何してくとんねんと。
そう、創作物は我が子も同じ、例え前ジャンルの在庫だろうとも、必死で手間暇をかけた大切な我が子です。
それをすすんで「委託する」「預かる」と自ら言ってきたにもかかわらず、粗末に扱うなんて許せるものではありません。
Aさんのスペースに戻って、Aさんと対決しにいきました。
Aさんのスペースに戻ると、Aさんは手に入れたであろう戦利品(新刊)を、布を被せた上からとは言え、私の委託在庫と自分の既刊の上に置いて、ホクホクと読んでいるではないですか。
お前ほんま何しとんねん?!
Aさん「あれ?聖龍さんどこいってたのー?本(私の委託在庫)売れたー?」
聖龍「あなたが今、荷物の下に敷いています。(私の本に)何しているんですか?」
Aさん「…あ!ごめんごめーん!え?売れなかった?じゃあ私折角だし一冊買おうかな?」
聖龍「いやそう言うのいいんで、というか私の本返して下さい」
Aさん「え?聖龍さんどうしたの?(私が怒っているのにようやく気づき焦りだす)」
聖龍「どうしたもこうしたもじゃなく、あなた、私の本委託するって自分から言ってきたのに頒布する気ないどころか、下敷きにして放置していますよね?サークル参加の意味わかっていますか?主催に通報しますよ?」
Aさん「え?いや、そんなつもりなくって、ほら、これからでも何人か私の友達とかくるし?その時に売れればいっかなー?て思ってただけだよ?(絶賛サークルスペースに布被せて、その上に戦利品の本を広げた状態で言う)」
聖龍「そう言う(自分勝手な)の本当にいいんで、兎に角、私の本返して下さい」
Aさん「え、ええー?わかったーわかったよ?はーい」
全く私の真意は伝わっていない感じがありありですが、私が怒っているのは伝わったのか、サークルスペースの布を被した下から私の在庫を取り出し、すごすごと在庫を私に返すAさん。
これ以上の対話は無意味と思った私は、在庫を貰うとさっさと帰路につきました。
帰宅後、当時私はAさんと他何人かでグルーブチャットに入っていたのですが、他のメンバーに事の経緯(委託を提案した側なのに委託された私の在庫をどう扱ったか)を説明して、Aさんとは今後二度と関わりたくないと伝えて退出。
Aさんをブロックし、私とAさんの関係はなくなりました。
Aさんとの関係はここまでです。
今にして思えば
Aさんのサークルはダミーサークルだったんだと、壁サークルさんなどの推し作家さんの本を手に入れる為だけに、サークルチケット目的で、売り子を置かずにイベント参加していたのかと思うと、Aさんは真面目に頒布するつもりでイベントに参加してないんだと気付きました。
私は同人活動、サークル活動について、萌えすぎて見えないものが見えてしまった結果、それを形にしないと駄目な限界オタクが、己の性癖やパッションをこじらせながら、それを発散すべくサークル参加すると思っているので(個人の感想ですが)、神の本が欲しいからサークル参加したってだけで、ダミーサークル参加するって言う事が理解できません。
前回も言いましたが、こういう合わない人はブロックに限ります。
因みにAさんは私との一件で周りの人から距離を置かれ、鍵垢にし、気づけばそのアカウントも削除して、前ジャンルから消えました。
風の噂で別ジャンルに行ったそうですが、サークル参加はもうしていないそうです。
ダミーサークルの噂が出回ったのかもしれません。
因果応報、悪い事はできないですね。
そんな因果応報の話でした。
今日は私の怒りが強かったのもあり、あまり寒くなかったですかね?
次回はこちら「同人サークル活動での本当にあった怖い話(実体験)4.焼きマシュマロ」です。