（185）猫が落ちていますよ

6月も半ばを過ぎ梅雨空の日が続く。とは言え今年は雨がまとまって降ることが多くて、しとしとと小雨が降り続く梅雨ではない。このような梅雨は男梅雨と呼び、静かに降り続く日々が続く梅雨を女梅雨と言い習わすものと思っていたのに友人が知らないと言う。驚いた。こんな些細な当然と思っていることが、案外当然じゃなかったりするものねと、凝り固まった自分の頭にハッとした。 春ころからわたしが朝のルーティンの色々を終え、さてと外出のための身支度を始めるたびにモモがつきまとうようになった。今まではずっと身支度をしだしたら、諦めたようにふて寝を始めるのが常だったのに。 振り返ると廊下にこれ見よがしに「ここに(かわいい)猫が落ちていますよ」と言わんばかりに寝転がっている。そればかりか足元に鳴きながらつきまとうから可哀想で抱き上げてしまう。おかげて大きな猫を抱えたまま、キッチンを片付けたり歯を磨いたりと色んなことが出来るようになった。人間も進化するのです。  何かしているわたしの気を逸らして構ってもらうのは満足のいくものらしくて、ゴロゴロとのどを鳴らして首に腕を回して頬に擦り寄ってくる。キミは恋人ですか？と言いたくなるけど、猫も年をとってお留守番が辛くなってきたのかもしれないし不安があるのかなと気になるこの頃。我が身を振り返って考えると春から疲れが気になるし生活パターンを考え直す時期なのかもと思う。モモの行動は、わたしの生活パターンに影響を与える。というのが昔からのモモとわたしの関係性だからきっとまたそうなるんだね。  落ちてるのではなく、リラックス中のモモ。  ジジオンザちゃぶ台に毛皮。キミは寒いのかい？