真っ黒に染めたい気持ち
今、唯一定期的に私のセッションを受けてくれているクライアントのTさん。
繊細で一般的な方法でのアウトプットが苦手な彼だけど、ドラムを叩いている時に目に命が宿る。
そんな彼は社会人2年目で、様々な刺激が辛かった過去のフラッシュバックのきっかけになりしばしば感情の渦に飲まれるてしまう。
セッション当日はお母さんから最近の様子を教えてもらうが、この間は夜中に押し入れの奥に閉まってあった墨汁を取り出してきて身体や部屋中を黒く染めてしまったと。
写真を見て、あーTさんの心そのものだな。と。
いたたまれないような気持ちもあったが、同時にこれも一つの作品だなー。と、荒れ狂った部屋と彼の手足の写真を見て思うのでした。
そんな彼がほとんど毎回リクエストする曲「翼をください」
言わずと知れた名曲だが、この歌詞が彼の気持ちの支えになっていると感じた時に歌いながら震えることがよくある。
「いまわたしのねがいごとが
かなうならばつばさがほしい
このせなかにとりのように
しろいつばさつけてください
このおおぞらにつばさをひろげ
とんでゆきたいよ
かなしみのないじゆうなそらへ
つばさはためかせ
ゆきたい」
私はただ、Tさんの幸せを祈り歌うしかできないが、彼が大丈夫と飛び立つ日までひたすらにこの時間を絶やさないようにしたいなと思っている。
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