見出し画像

初めて阿波おどりを見に行ってみた感想とか

「踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」

きっかけは、なんとなく足を運んだ難波で「道頓堀盆踊り」なるイベントに出会ったこと。

夜のミナミって美しい

日本人も外国人も老若男女関係なく、踊りたい人が輪に入って好きに踊る。正直とんでもなく異様な空間だったけど、知らない人同士が目で語り合いながら踊る姿に、心が揺さぶられました。盆踊りは子供の頃から何度も見ていたはずなのに、このときになって、ようやくその楽しさを知ったのです。

家に帰ってからも余韻は続く。

「もっと盆踊りが見たい…堪能したい!」

そう思ったらもう止まれません。
たまたま徳島県で「阿波おどり」が開催期間中ということを知り、すぐに阿波おどりの有料公演のチケットを購入。翌日の朝、ほとんど下調べもせず徳島行のフェリーに乗り込みました。


鉄道の乗り換え感覚で乗船できる「南海フェリー」手軽すぎ

和歌山港までの道中に見える「SiSりんくうタワー」は日本第5位の高さ(2023年)

南海本線 堺駅から電車に揺られること1時間で和歌山港駅へ到着。

動く歩道も

改札を出ると、さながら電車の乗り換えのようにフェリー乗り場へ。乗船券を待合室の券売機でサクッと買い、待ち時間もほとんどなく乗船。

和歌山生まれ和歌山育ちの高校2年生、らしい。

乗船してすぐに僕を出迎えたのは、20年前ちっくなデザインの美少女。南海フェリー公式キャラクターの「高野きらら」ちゃんです。瞳孔開き気味でシリアルキラーっぽい雰囲気がゾクゾクしますね。

船内は、阿波おどり期間中だからかなかなかの乗客数です。

船内もデッキも人気

この日は最高気温が35度近い猛暑日でしたが、海の上は風が冷たく、デッキでも暑さが気にならない。

帰りは夜のデッキでカップ麺を啜る。この時間がたまらんのよ。

ちなみに、夜に南海フェリーを利用するなら注意が必要。南海フェリーは和歌山港・徳島港ともに24時過ぎ着のフェリーが用意されていますが、その時間となるとバスも電車も最終便が過ぎています。

かくいう僕も帰りのフェリーが24時過ぎに和歌山港着だったので、その後1時間歩いて和歌山市駅までいき、始発までの時間をネットカフェで潰したのでした。フェリーの待合室は24時間開いているようなので、そこでユックリするのもアリではあるけど…

夜を待ち浮足立つ徳島市内

12:50頃、徳島港(というよりも南海フェリー発着場)に到着。フェリー乗り場の前には既に複数のバスが待機していて、そのままノータイムで乗り込めました。

バスはどこで降りても210円!現金のほかPayPayでも支払えるみたい

車窓から外を眺めると、なんだか南国っぽいような、それでいて独特な雰囲気を感じます。市内をそこそこ大きな川が複数流れていて、そこを小型のボートが走っていたり、川のそばで人がユッタリと時間を潰していたり。

地図で見ても、徳島市内には吉野川水系の河川が市内の中心部にまで流れており、さながら水とともに生きる「水都」の様相。明治以降、多くの川が埋め立てられてしまった大阪とは違い、とても風情がありますね。

13:00頃、徳島駅前に到着

バスに揺られること20分、徳島駅前に到着。街にはすでに観光客の姿が見られるが、思っていたほどの人通りはなく静かなもの。

しかし、町のいたるところでは、粛々と阿波おどりに向けた準備が進んでいます。人通りこそ多くはないですが、観光客も地元の人も、どこか夜の喧騒を待ちわびているような表情なのが印象的でした。

各連の違いから阿波おどりの深みを感じる

16:00になるころには、遠くに太鼓の音が響きだします。音のほうへ行くと、先程準備が進められていた広場で阿波おどりを披露していました。

和歌山県の阿波おどりチーム「紀州連」

アナウンスいわく、徳島県内の阿波おどり団体(「連」と呼ぶらしい)だけでなく、広島県や和歌山県・大阪府など県外からも多くの連が集まっているんだとか。

淡路島の阿波おどり団体「舞女流華(まじょるか)連」

たとえば、兵庫県の淡路島から参加した舞女流華(まじょるか)連は、伝統的な阿波おどりのほかにも「凧おどり」や淡路島の伝統芸能「淡路人形浄瑠璃」をかけあわせた踊りを披露していました。

お…おもしろい…!!

踊りを注意深く見ていると、連によって踊りのニュアンスが微妙に違っています。こんなことを書くと無学がバレてしまうのですが、正直阿波おどりはみんな同じ格好で同じ踊りを繰り返すものかと思っていました。まさか、これだけ連ごとに個性があるとは。ずっと見ていても飽きないし、阿波おどりの芸事としての深みを感じられます。すごい!

いい頃合いになったところで「南内町演舞場」へ移動。阿波おどりに熱中しているうちに、気づけば辺りはとんでもない人手となっていました。いったいドコにこれほどの人が隠れていたんだろう。

有料演舞場で阿波おどりを見た感想・価格の妥当性は?

さて、今回僕は「総踊りを見たい」という理由から「南内町演舞場」のチケットを購入しました。が、どうやら総踊りは1日2公演ある内の後半に参加しないと見れないらしい。準備不足がここで出るとは…

阿波おどり未来へつなぐ実行委員会 公式HPより
阿波おどり未来へつなぐ実行委員会 公式HPより

僕は今回、かなりギリギリでの予約ということもあって席が空いておらずB席を購入。1席2000円、中くらいのクラスの席ですね。

「阿呆連」の凧おどりは可愛くて優美!

さて、実際にB席から阿波おどりを見た感想ですが、本当におもしろかった!とくにお気に入りなのは、阿呆連の躍動感ある凧おどり!ほかにも、先程書いたように各連ごとの違いが少しずつ感じられる点もよかったですね。

席料2000円を高いと感じる人もいるかもしれませんが、個人的には妥当な価格だと思います。まったく不満なし!

阿波おどりを堪能したいなら「A席以上」がオススメ

一方、すべてにおいて満足…というわけでもなく、不満点や次来るときに気をつけたいポイントも。

演舞場の長さは大体100mくらい。演舞場に入場してくる連は、ポイントポイントで踊りを変えたり、ちょっとした演舞をしてくれます。なかには、僕のいるB席の前で足を止めてポーズをとってくれる連も。

「よしこの連」はB席の前でポーズを決めてくれたので大好き

しかし多くの連は、入り口でこそ軽く演舞をしても、B席は素通りしS席SS席あたりで足を止めて長めの演舞を行なう。演舞場内で行なわれる各連についてのナレーションも、S席SS席の正面にいる連を主に紹介するため、B席の前の連とズレが生まれる。B席は蚊帳の外という感じで、ほんの少し悲しくなっちゃいました。

それと、C席・B席は各連の身内が多いからか、演舞中でも頻繁に人の出入りが起きます。踊りに熱中したいのに、自分の前を人が行ったり来たり…これは少しだけストレスでした。阿波おどりをちゃんと見たい人、写真を撮りたい人はA席より上位のランクの席に座ったほうが良さそうです。

企業が社員教育兼広報の一環として参加するケースもあるみたい
画像は青いハッピが特徴的な「Panasonic連」

それと…座席がけっこう狭いです。自分は一番端だったのでマシでしたが、内側だとキツキツな印象。これはA席以上だと広くなるのか分からないですが、広くあってほしいところ。

B席・A席・S席は値段もほとんど変わらないし、特別な事情を除けばB席よりもA席・S席を選ぶほうが精神衛生上良いと思いました。値段も2000~3000円ならかなり妥当なラインです。

ちなみにSS席もあるにはあるが、S席とほとんど変わらない場所で、席料は2倍の6000円。ちょっと僕は手が出ないかな…
とはいえ、一生に1回の思い出作りだと考えるなら、6000円だって安いっちゃ安いといえるかも。

有料演舞場に行かなくたって阿波踊りは楽しめる

有料演舞場を出ると、外は文字通りのお祭り騒ぎ。この画像だけ見るとちょっと規模の大きい普通のお祭りですが、町中の至るところで様々な連が野良阿波おどりを披露しているのがおもしろい。

これはドコの連だろう

地元民や観光客を巻き込んで踊る連も。
その光景に、前日道頓堀で出会った、自由で楽しい盆踊りの姿を見ました。そもそも阿波おどりも盆踊りな訳で、こうやって地域住民が自由に参加する形式が本来の姿なんでしょうね。

徳島市内には、無料で入れる演舞場があったり、小規模な演舞が各所で見られたりします。「阿波おどりを見る・堪能する」ということでいえば、有料演舞場のチケットをわざわざ買う必要はないのかもしれませんね。

まとめ

大満足です。

徳島に行って良かった!

なんなら、来年も徳島に来たい。鳴門市でも阿波おどりが盛んらしいから見てみたいし、次は数日滞在してもいいかもしれない。

というか、お祭りって奥が深い!
高知県のよさこい祭りや大阪府のだんじり祭り(は見たことあるけど)など、もっとたくさんのご当地色あるお祭りに参加したくなりました。次はどこに行こうかな。

いいなと思ったら応援しよう!