ヘーゲル「普遍-特殊-個別」
ヘーゲル「普遍−特殊−個別」はマガジン「原文から読む哲学」購読者の要望によって書かれたものです。何か解説してもらいたい哲学の何かとかあればご要望ください。可能な限り詳しく書いてみたいと思います。
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一応文献的にはヘーゲルの『大論理学』や『小論理学』の中の「概念」の項目に登場する概念である。まず『大論理学』では論が三つに分かれている。順番に存在論、本質論、概念論である。そしてこの三番目の概念論も内容が三つに分かれており、それぞれ順番に主観性、客観性、理念となっており、そのうちの主観性もまた三つに区分され、順番に概念、判断、推理となっている。さらに概念も三つに分けられるのだが、その区分が順番に「普遍・特殊・個別」なわけだ。ここでやっと「普遍・特殊・個別」が登場することになる。ヘーゲルの場合精神が展開していくので、階段を登っていくように存在論から本質論が導かれ、本質論から概念論が導かれる。そしてまた概念も判断へと発展し、判断も推理へと発展していくのだが、「普遍・特殊・個別」が『大論理学』の後半に登場するという時点でなかなかに次重要な概念だとみていいだろう。
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