【イタリア一人旅②】旅で出会った人たちシリーズ
【イタリア一人旅①】人生2度目のローマへたどり着く前に思い出を振り返る|misao sato (note.com)
こちら前回の記事です!
今回の記事ではまだテルマエまでたどり着きません。すみません…
旅に出会いはつきもの。印象的だった思い出の人物たちについての記録です。
1.成田空港でモンゴル人と握手
2018年2月、大きいスーツケースを引きずりながら成田空港に向かった。私は東北在住のため新幹線やバスを乗り継いて数時間かけての移動、成田に行くにも重労働だ。
平日だったので電車はガラガラで広々と座ることができたので良かった。
やはりオフシーズンの旅行は最強だ!
空港に向かう電車でくつろいでいた時、急に背後から話しかけられた。
振り返ると長身のアジア系男性が困り顔で斜め後ろの席からこちらを見ている。
どうやら彼はモンゴル人で、これから帰国するが空港内のどこに行けば自分便に乗れるのかが分からないという事らしい。
成田空港はとにかく広いしターミナルも第一とか第二とかがあるし日本人の自分にとっても魔宮のような場所。慣れない異国であればなおさら不安だろう。
さて、モンゴルに行くのならばモンゴル航空とかなのか???
スマホで航空会社のロゴを見せてみると頷いた。ターミナルの場所は調べてすぐわかったし、幸い同じ方向だったので一緒に行くことにした。
彼は日本語を少しだけ話すことができた。
道中少し話を聞くと、建築関係の仕事をしていて”茅葺”の技術を学ぶために東北に滞在していたらしい。
モンゴルにも茅葺屋根の家があるんだろうか?
私はもちろんモンゴル語を全く知らず、お互い英語は話せない中でわずかな時間ではあったが少しだけ交流ができてこれからそれぞれ一人で遠い国に旅立つ前に楽しい時を過ごすことができた。
最後に握手を交わし、笑顔でお別れした。
今絶賛放送中のTBS日曜劇場『VIVANT』で、モンゴルロケの迫力ある映像と現地の俳優さんたちの姿を見ていると当時の事を思い出す。
どうか元気でいてくれ、茅葺の人。
2.レストランの店員さんと握手
正直言うとイタリアのレストランはぼっち向きではない。
食事は家族や友人とおしゃべりを楽しみながらするものだという文化が根付いていると聞いたことがあるし、日本のような気軽に入れそうなチェーン店もあまり見かけなかった。
朝食や昼食は軽めのサンドイッチなどで十分なので入りやすいバールがあるけれど、夕食はレストランで美味しいパスタが食べたいと思い街をうろついていた。
何件か飲食店が並ぶ通りに出ると、店頭でにこやかに笑いかけるイケメン店員がいた。客引きというやつだ。
店構えは親しみやすい庶民的な雰囲気で看板の値段も良心的だった。
他にたくさんおしゃれで高級そうで客引きなどしなくても賑わっていそうなレストランはあったけれど、案内してくれて入りやすかったし、ぼっちのビビり貧乏一般庶民にはこのくらいがちょうど良い(失礼)だろうと思って賭けてみることにした。
店に入ると閑散としていて不安になったが食べられればいいかと気を持ち直しメニューを見る。注文も客引きの彼が取ってくれた。イタリア語に加えて英語表記もあったので助かった。
でもロッソとビアンコは読めたので赤ワインを頼むのに「ロッソ!」と元気に言ってみると彼は「イタリア語なのに意味がわかるの?」とでも言いたげな嬉しそうなリアクションをしてくれた。
日本には意外とイタリア語の単語がたくさん使われていてなじみがあるし、かのスタジオジブリの名作『紅の豚』はイタリアが舞台であり主人公はポルコ・ロッソなんだぞと教えたかったが無理だったのでただニコニコしてしまった。
トマトソースのパスタと赤ワインは普通に美味しくてほっとした。
ホテルに帰るまでにはバスに乗る必要があったが、バス停の場所がわからなかったので思い切って暇そうにしている彼に聞いてみようと思った。
スマホで調べてみたら、「Dov'e la fermata ドヴェ ラ フェルマータ」で「バス停はどこですか」という意味らしい。
会計の時にそう言ってみたらちゃんと通じた!!
彼は驚いてとても嬉しそうにしながら場所を教えてくれた。謎のぼっち東洋人が頑張ってイタリア語で話しかけた頑張りを認めてくれたようだ。
帰り際なぜか握手をしてバイバイしながら店を後にした。
この経験のおかげで私は今でもいつでもイタリア語で「バス停はどこですか」と尋ねることができるのだ。
3.バールの店員さんにプロポーズされる
イタリア人男性は情熱的で女好きというイメージを持つ人も多いと思う。
もちろん個人差があるだろうしすべての人がそうとは限らないけれど、とある店の店員さんは愉快な女好きだった。
なにしろ初対面の観光客にプロポーズしてくるんだから凄い。
昼食に何かテイクアウトしようと何気なく入ったバールでのことだった。カウンターに並ぶおいしそうなサンドイッチを選んでいたら頭がつるりとしたオジサン店員さんが「どこから来たのか」とにこやかに話しかけてきた。「日本からだよ」「いつまでいるの?」「明後日帰るよ」
「そうなの?帰らないで!僕と結婚してくれ!」確かそんな話の流れだったと思う。まったくもって意味が分からなくて笑ってしまった。
NOと言えない日本人なので、とりあえず「ワーオ、サプライズ!」と返しておいた。
面白体験過ぎてサンドイッチの味は忘れてしまった。
当時の私は写真を撮ることへの意識が低く、ここで紹介した人たちと出会ったお店や食べたものの写真が全然残っていない。
なんなら彼らと記念の自撮りでもしておけばよかった。
特に何も起こらなかったフィレンツェのピッツァ屋さんで食べた美味しいやつの写真だけなぜか残っていたので、関係ないけど載せておく。
今回も特に有益な情報も写真もない旅行記を最後まで読んでくださりありがとうございます!
次回、「憧れのアクセサリー職人&世界最古の薬局編」そして「テルマエ編」へつづく…予定…