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【タイ在住】スペイン旅行~規制の狭間で翻弄されて~

海外に住んでいて良いことは何かと言うと、場所によるが海外旅行が更に行きやすくなるという点ではないだろうか。特にタイは発着便数も多く、様々な航空会社が乗り入れている。ということで、流行り病の規制の間を縫ってソンクラーン休暇に突撃することにしたのが、美食の国スペインだ。
バル巡りの話を知り合いに聞いてから、スペインはしご酒が夢になっていた。しかもあのサグラダファミリアはもう2,3年で完成するというではないか。これは今のうちに未完の姿を拝んでおくべきではなかろうか。

入国規制は刻一刻と変化する割に、外務省や大使館のHPは情報更新が遅い。
旅行会社やまとめサイトの情報も真偽が微妙だったりする。
結局1次情報が確実よね~と幾度もスペイン国の入国管理サイトを訪れる。最近では帰国子女で良かったと思うのは、専らこういった英語での情報取得の場面だ。にしても入国規制に関する記載は英語だろうが日本語だろうが極めて高度な読解力を要する気がする。「頭のいい人は難しいことを簡単に説明するのよ」という格言を各国政府関係者に贈りたい。

サイトを解読するに、タイを含むほぼ全域のEU圏外国はハイリスク国に認定され、ワクチン証明に加えて陰性証明書(PCRは72時間前以内)が必要とあった。しかもスペイン到着から起算して72時間前という時差も入れるのなら結構キツイじゃないのという感じである。
ところが出発数日前にサイトを再び除くと、陰性証明が要らなくなった…っぽい。ぽい、というのは、メインページに「現在ハイリスク国・地域はありませんが、いつどうなるかは分かりません」と書いておきながら、別紙のハイリスク一覧表も依然として同じ内容で掲載されていたからだ。
これは十中八九いらんパターンだ。しかしスペインの入管で追い返されたら笑えない、しかもPCR予約しちゃったし…よし保険で取っておくか。
2人で5600バーツ、遠方だったので車代1500バーツ。
えらく高い保険代である。


さて、そんなこんなで10時間以上の長距離フライトなんて学生以来だぞ、大丈夫か…と一抹の不安を抱えながらも出発した。
23時発のフライトだが、20時過ぎに空港入りしてラウンジで晩ごはんを頂く。ダイナースのクレジットカードを持っているとこんな貴族的な思いができるとは知らなかった。主人に感謝。

満を持して搭乗するのはルフトハンザ航空。無骨そうだなと口コミを調べたら、やれ「飯が不味い」やら「飯が不味い」やら「飯が不味い」やら。
「ドリングにスパークリングワインがあって素敵」という口コミに一縷の望みを掛けて乗り込む。

意外と普通だなと思いながらも、寝酒は断り夜食は頂く。
トマトパスタとソムタム風サラダとケーキと丸パン。なんとソムタム風サラダがソムタムそのもので物凄く美味しかった。パンが冷たいのは頂けないが、ルフトハンザなかなかやるではないか。
そしてタイの強力な酔い止めのお陰か、11時間超のフライトの8割方は爆睡し、すっきりと早朝のミュンヘンに降り立った。

ミュンヘン-バルセロナ間は2時間以上の国際線なので、当然朝食が出るだろうと高を括っていたら、なんと水すら出なかった(復路で気づいたが寝ていて水を逃していたらしい)。これは要注意案件である。
お腹が少しでも空いた乗り継ぎルフトハンザ勢は乗り継ぎ地で何か食べるか買ったりした方が良い。

何か買えば良かったミュンヘン空港

そうして漸くたどり着いたバルセロナ。入国は…陰性証明はおろか、事前登録した健康QRコードのチェックも、ワクチン証明のチェックも、入国審査も本当に何にもなかった。
肩透かしを食らったスペイン旅行の幕開けである。

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