Oh！Sun🌞（お産）

我が家に子どもが三人いる理由

C'mon, babe👍

私には三人子どもがいる。上の子と下の子では10学年の差があるので結構長い子育て期間だった。「十年一昔」と言うように、上の子と下の子ではお産も子育ても取り巻く環境が違った。それは、その間に母としての私の考えがガラリと変わったからかもしれない。

第１子は結婚して間もなく授かった。そんなに早く子どもができるとは思っていなかったのでちょっとびっくりしたが、出来たからには元気な子を産まなければと使命感は沸々と湧いてきた。当時はたいていの女子は結婚を機に退職するのが普通な世の中だった。私も大学卒業後就職し、語学力もそれなりに活かせる職場ではあったものの一生続けるほどの魅力を感じていなかったし、有能な先輩女子社員も結婚を機に皆退職されてたので自分も残る気になれず寿退職した。これからはやってみたいことにチャレンジできる！と意気込んで、通訳を目指して専門学校に通い始めた。授業料も決して安くはなかったが、OL時代に貯めたお金を自己投資に使おうと入学を決めた。電車に１時間弱揺られながら大阪市内まで通い始めて数週間後に妊娠が分かった。そして運悪く当時巷では自分がまだ罹っていない風疹が流行り出していた。授業料はかなり勿体なかったが、妊娠中の身体を労わることの方が大事なことだったので通うのを断念。若干の悔いはあったけれど、これも何かのお導きだと思い、すぐに諦めもついた。

最初の出産は全くの無知の状態。病院に通って定期的に検診を受けていれば赤ちゃんはちゃんと生まれるものと思って何も疑問に思わなかった。里帰り出産の予定だったので産院は評判の良いところを姉に調べてもらい、その結果実家の近くの産婦人科に決め、住まいと実家も車で１時間弱とそれほど遠くもなかったので定期検診もそこで受けていた。マタニティスイミングに通ったり、それなりに楽しい妊娠生活を送っていた。

ところが妊娠８か月の検診で、赤ちゃんが下がってきているのでキャベツ１個より重いものを持たないように。自宅へは戻らず実家で過ごしていた方がいいと言われてしまった。母親は大慌て。素直な私は言われるがままにキャベツ１個より重いものを持たず、家事は母に任せ、a lump on a log （これはカナダの小学校のフランス語の先生がよく使っていたフレーズ、”Don't just sit there like a lump on a log！”から。訳せば「ボーっと座ってんじゃないの！」と、当てられてもすぐに返事が出来なかった時にみんなに言っていた）のように一日中居間でボケーッと過ごしていた。そんな日々を過ごしていたので体重は日ごとに増え、妊娠前より15キロほど増えてしまった。そうなると今度は妊娠中毒症の心配が…といろいろ課題が押し寄せてきた。

何とか臨月を迎えたと思ったら、今度は出産日について医者の方から提案があった。予定日が12月30日だったことから、「この日に産めば年内に退院できますよ…」と12月25日に出産するのはどうかと。私はそう言われたら年末年始の慌ただしい中で出産になるよりもいいのかもしれないと深く考えずに言われるままに同意した。そんなバカなこと受け入れられるものかと今の私なら言えるが、お任せ状態だった当時の私はお産に対して不安でいっぱいだったので医者の言うことには逆らえないものと思った。半年ほど先に赤ちゃんを産んだ友だちから聞いたお産の大変だった話が頭に残っていたことも影響したのだと思う。

出産する日と決めた日の朝、下に降りて早産の危険があったはずのお腹の赤ちゃんだったが、出産体制に入っていないので陣痛が自然に起こる様子など全くなかった。上から下から様々な処置をされて陣痛を起こす準備をした。しかし、自分が何をされているのか分からない恐ろしさとお産への不安で気分が悪くなり、処置室で貧血を起こして倒れてしまった。

しばらくして陣痛が始まりいよいよ分娩室へ。なかなか出て来ない赤ちゃん。医者は私の上に馬乗りになってお腹の上から押した。会陰切開、そして最後は吸引分娩となった。生まれた子は頭が七福神の福禄寿のように細長く、母は生まれた赤ちゃんの頭を撫でながら、ちゃんと戻るか心配していた。へその緒が首に巻き付いていたのも難産になった原因のようだった。

出産後、母体は元気で、おっぱいも良く出た。赤ちゃんも体重は大きめの3,700グラム。黄疸がきつかったので数日は保育器に入っていたが、予定通り１週間で退院。長く伸びていた頭部も普通になっていた。

退院後の初めての育児も何かと壁に…おっぱいは張るのに赤ちゃんはなかなか吸い付かず、あまり体重も増えなかった。医者からおっぱいだとどれだけ飲んでいるのか分からないから搾乳して哺乳瓶であげてはどうかと言われ、実行。20ml飲ませるのに30分かかることもあり、たくさん飲んだと思ったら噴水のように吐き出すこともあった。育児書の通りには育たないという現実に直面！生後１か月頃までは赤ちゃんが泣けば私もどうして良いか分からず一緒に泣くという日々が続いた。

めざすはナチュラルバース！

第１子を出産し、一応経腟分娩だったから自然出産できたと思っていた。実を言うと姉がこれより前に３人子どもを帝王切開で出産していたので、お産に対して「そうじゃないだろう」的な思いがどこかにあった。姉は一人目を何で帝王切開での出産になったのかは記憶にないが、当時の日本のほとんどの産婦人科では第１子を帝王切開で出産した場合、以後の出産は母子の安全を考えてとかでほぼ必ず帝王切開での出産になると言われる。2020年の今でもその流れはあまり変わっていないように思う。今の医者は産科医に限らずリスクを恐れる。アメリカナイズされた日本社会の悩ましい側面で、私の母（現在88歳）の時代だと「〇〇さんは特異体質で...」と医者が言えば患者側も納得せざるを得ない雰囲気だったが、今は患者側も調べればいくらでも病気についての知識を得られるようになったこともあり、裁判沙汰になることも少なくない。そうなると莫大なお金と時間が at stake となる。だから帝王切開で出産した人は以降の出産は帝王切開で出産すると言い切り、自然出産の選択の余地を与えない場合がほとんどと言っていい。

商売をしている家の長男に嫁いだ姉は、第１子を帝王切開で出産したことで第２子以降は帝王切開での出産が決まっていたので、その後の出産は自分の都合で出産予定日前後に出産日を決めて産んでいた。姉にしてみれば、むしろその方が予定が立てやすく都合が良かったのかもしれないとさえ思えた。

30年以上前の話になるが、当時の超音波診断の機械の精度には今とは比べ物にならないほど不確定要素が多く、安易に信頼できるものではないように感じた。産婦のお腹の大きさ、張り具合や赤ちゃんの心音などからの診断も重要で、産科医の手腕が問われるところ。第２子は４月の始め、上の子の新学期が始まってから、第３子は夏休みに入ってから、と姉が入院しやすい時期を選んでいた。私の母はそんな親の都合で出産する日を決めてしまって良いものかと不安がっていたのを思い出す。それも生まれてくる赤ちゃんの運命なのか…

姉の第三子は2000gに満たない低体重で生まれた。子犬ほどの大きさしかなく、しばらく保育器に入っていた。姉の希望を聞き入れすぎたせいなのか、胎児の測定ミスなのか…いずれにしても医師の判断によるところは大きいように思う。生まれたのだから育つことを祈るしかない。幸い何週間かで保育器からは出られ、その後はすくすくと成長し、今では一児の母となっている。

そんな姉のお産を間近で見て、自分は絶対自然出産をしたいと思った。で、第１子の出産は前回書いた通り。スレスレ合格といったところか。会陰切開をしたので産後はドーナツ型クッションを常に持って歩かないとどこにも座れなかったこともあり、果たしてこれが自然出産といえるのか…なにか違うような気がした。

退院後の育児では手元にあった育児書も我が子を育てるにあたってはあまり参考にならず、書かれている通りに育っていないことに時として責められているような気持ちになり、落ち込み、赤ちゃんが泣くと私も一緒になって泣いていた。それをマタニティブルーというのだろうか…でもそんな上っ面な綺麗な言葉で片づけられたくない。出産も子育ても新米の母親にとっては命がけの一大事なのだから。

子どもを育てる中で、一般的に”良し”とされている出産や育児は本当に正しいのだろうかと沸々と疑問が湧いてきた。今まで学校で教わったことは全て正しく、間違いはないと思って疑いもしなかった私だった。読み書き算数の範囲は生活では必要だが、よく考えてみると大学を卒業し、社会人として働きはしたものの、社会のことや生活のことは特段学ぶ機会はなかったように思う。世の中の仕組みや常識といったもの全ては親や友達から教えられない限り自主学習、本人次第。いきなり「ご自由にどうぞ」と社会に放り出された迷子状態とも言える。危険がいっぱい！

そこでどう巡り合ったか忘れたが、赤ちゃん用品売り場だったか…紙オムツの害について書いてある本が目に止まった。紙オムツの歴史をたどるとちょうど長女が生まれる少し前から紙オムツに紙だけではなく高分子吸収材を使用することにより漏れの心配も少なくなり、価格も下がり、産院のみならず一般家庭にも普及し始めていた。その傾向を危惧した布オムツや赤ちゃん用品メーカーが売り場に置いていたのだろう。私は姉の子のお下がりの布オムツがどっさりあったので紙オムツは外出時だけ使う程度だった。その本を何気なく読むと、赤ちゃんが尿意を感じにくいためオムツが取れにくいとか、脳や心の成長に影響があるとか、紙オムツをゴミとして処分する場合、オムツの主成分の高分子吸収材が解けて中で固まり、焼却炉の寿命を縮めているとか、親の手抜きだとか…紙オムツが様々な角度から批判されていた。一般的な育児書よりは説得力があり、育児に躓いていた私には救いの手のように思え、とりあえずその著者の講演会に行ってみた。

21世紀は心の時代になる。抱き癖は大いに結構、母乳は好きなだけ欲しがるだけ飲ませる。「断乳」という言葉は赤ちゃんには残酷。「卒乳」と言うべき…など当時の育児書には書かれていないことばかりで驚きの連続。子どもは厳しく躾けないといけないと思い、お尻ペンペンなんて平気にしていた私だったけど、それは親のエゴ。赤ちゃんの方が魂のレベルが高く心が綺麗で、ある意味親より大人だということを教わる。子が親を選んで生まれていることも知った。いっぱい抱きしめて「ゴメンね」の連続。でもまだまだ未熟な私は「こうでなければ」だらけだったと思う。

そんな講演の中で今の産科医療の様々な問題が指摘された。知らないことだらけ。医療関係者も知ってか知らずか…診察を受ける側も回りの出産経験者から聞く話がそうなので、当たり前だと思ってしまっていることは実はそうしない方が良いと。例えば普通分娩での会陰切開、新生児のうつぶせ寝、母子別室、抱き癖をつけない…当時最新の育児法だと言われていたことは実はとても危険だったり赤ちゃんの性格をゆがめることに繋がりかねないと。今ではこの考え方はかなり浸透しているようだが、当時としては勇気ある画期的な発言だった。その上講演内容はスピ系の話も盛り沢山。魂が何処からきて何処へ帰るのかを考えれば見えるモノだけではなく見えないモノに私たちは影響を受けて生きていることは明らか。それを語っていたに過ぎない。

このように母体や生まれて来る赤ちゃんのことよりも医者の金儲けを優先させた出産や育児がまかり通っている病院では産みたくない！と思い、第２子が授かった時は助産院か助産婦（当時）さんを頼んで自宅で産むことに決めた。産科医の中にも当時の”普通”とされていた出産方法について問題提起する異端児的な医者もいた。が、その方たちとの出会いはまだまだ後のこと。

バナナ嫌い

育児書通りに育たない長女が泣けば、一緒に泣いていた私だった。なんとしてもちゃんと育てなければ！と母親としての使命感で子育て中心の日々だった。まだ20代後半に差し掛かったばかり。イクメンなんて夢のような言葉がなかった時代。子育てに集中する私を見てか当時の夫は仕事やお付き合い（どんな！？）にと忙しく、帰宅もほぼ毎日深夜だった。今思うに、同級生だった彼はとりあえず育児で必死の私に戸惑い、逃げる口実だったようにも思う。なので必然的に今で言うワンオペ状態。個人差はあるかもしれないけれど、母親はお腹の中で10ヶ月間少しずつ母親になる準備をしているが、父親は生まれてからがスタート。胎児が動いた時にお腹に触れたりしたが、それでも父性が目覚めるのはやはり産まれてから。でも生まれて直ぐの子育てには父親の出番はほぼない（と当時は思われていた！）ので、独身気分が抜けないのもある意味仕方がないと思って実家に甘えていた。

子育てに邁進する私はこれまでにも書いたように育児の勉強をさらに深めていった。子どもを育てる中で自分も人として成長させてもらった。「育児は育自」とはよく言ったもの。赤ちゃんは寝ているだけで何も分かっていないから、とりあえず泣いたらお腹が空いているか、オムツが汚れているかだ、などと言った表面的なことだけを教える保健婦や育児書には一人の人間を育てるにあたっての大切なことはあまり教えてもらえない。ペットと違って人間には心があり、どのように育てるかによってその持っていきようも違ってくるのに。おまけに最初の子は戸惑うことばかり。自分の心身の変化に始まり、生まれた子を育てるという未知の世界への突入…　赤ちゃんの成長を楽しむ余裕はあまりなかった。

生まれたばかりのこの子をなんとか育てなければと３時間おきの授乳やオムツ替え…　慣れない、眠れない毎日。お胸は貧乳だったが、出産後はNice Bodyへと変化した私！母乳の出がとても良かった。でも赤ちゃんの方は吸い付きがあまり良くなく、体重もそれほど増えなかった。なだらかすぎる成長曲線。小食の赤ちゃんによく出るおっぱいは需要と供給のアンバランスを産み、私のおっぱいはすぐ痛みを伴うほど張った。放っておけば乳腺炎間違いなし。それならばと小児科医のアドバイスでおっぱいを搾乳して哺乳瓶に入れ、それを飲ませるという何ともややこしい手間の掛かることをしていた。母乳だとどれくらい飲んだか分からないし、この方法だと一石二鳥だと。20㏄飲ませるのに30分掛かり、やっと飲んでくれたことにホッとしていたら噴水のように吐き出した。それでもすべては吐き出していないから大丈夫と周囲に励まされながらの授乳だった。

当時の育児書に「ずっと抱いていると、ずっと抱いていなければならなくなり、家事も育児も大変になるので抱き癖は付けないように」と書かれていたので、あまり抱かないようにしていたら娘は自分の髪の毛を引っ張り出した（それでなくても髪が少なかったのに…）。自虐行為だったのかもしれない。というか、きっとそう。本当に情報に振り回されてロクな育児をしていなかった。生まれた時もへその緒を首に一回巻いていたので、きっと私が心で「まだ早かったな。せっかく通訳の勉強しようと思ったのに…」とふっと思ったことがお腹の子に伝わったんだなと後に胎教のことを学んで知ったが、このことは今でも娘には申し訳ないことをしたと思っているが未だに言えずにいる。本当に無知な母でごめんなさい…後に胎教は修正できることを学び軌道修正が叶い有難かった！

離乳食が始まって長女が最初にアレルギー症状を見せたのは卵だった。目の周りが赤くなりとても痒がった。最初はアレルギー症状とは思わず、２回目に食べさせた時はほっぺが赤くなり、３回目は顎から首にかけてとだんだん赤みが出る場所が下がっていった。保健師さんに相談したら、ウズラの卵から試せば少しずつ症状が改善するとのことだったのでやってみた。そうすると言われた通り、卵での症状は出なくなった。食べものの体に与える影響を初めて実感した。これがきっかけで食べ物についてもいろいろ考え始めた。食べているモノで自分の体ができているんだということは当たり前のこと。でもそれまで日常の生活の中で、改めて感じることは滅多になかった。

子どもは自然と体に必要なものを無意識の内に食べたがるように思う。関西人は納豆を食べる習慣があまりなかった。私の実家でも母は臭うものを嫌ったので韮、ニンニク、納豆は食卓に上ることはなかったので体に良いとは知っていても食べることはなかった。が、関東出身の父親のいる家庭に育った夫は納豆を普通に食べる。その影響か、遺伝子がそうさせるのか娘は納豆が大好きだった。風邪をひいて食欲がなくても納豆だけは食べた。離乳食の定番のバナナも好きだった。すり潰せばすぐに食べさせられ、お手軽なことからしょっちゅう与えていた。納豆は今でも好きなようだが、離乳食が終わって普通に食べられるようになった途端にバナナを全く食べなくなった。今でも「ママがバナナばっかり食べさせたからやわ、きっと！」と言われ、母親の手抜きが響いて今でもバナナ嫌いは続いている。三つ子の魂百まで…こんなに影響するものなので、これから子育てする方はぜひこの点を気を付けてほしいな。

目からウロコ

我が家は長女が幼稚園に入るころ、大阪から川崎へ引っ越した。私は海外か奈良にしか住んだことがなかったので、東京は人間の住むところではない危険な場所だという変な先入観があって…　川崎に引っ越しが決まった時は戸惑った。でも都内ではなく、神奈川県ということで若干の安心感があった。実家が遠くなる分、家族３人で力を合わせて生活する良い機会になるとも思った。私は結婚までずっと実家に居て一人暮らしの経験もなかったので、夫と一緒とはいえ親から離れて暮らすのは初めてのことになる。ドキドキしつつもワクワクもあった。

イマドキは子どもが出来たら子育てする環境を変えたくないとの理由で夫の赴任地に妻や子は一緒に行かない家族も多いようだけど、私の場合一緒に付いていかないという選択肢なんて最初からなかった。自分の親がそうだったように、子どもが学校に通う間は家族は一緒にいてこそ家族という考えだったので、みんなで引っ越すことに何も躊躇も抱かなかった。

どこでもすぐ馴染む娘の性格に助けられお友達もたくさんでき、誕生日会は246沿いのマクドナルドで開いた。二子玉での習い事の帰りに駅近のKFCでおやつを食べるというお決まりのコース。楽しく、ごく普通の子育てをしていた。

新しい環境にも慣れ、平穏な毎日を過ごしていたそんなころ、二人目が授かった。川崎は都会だし、いろんな出産方法が選べる。そんな中、とても評判の良い心温まる助産院が見つかって、自然出産実現に向けていよいよ動き出したことに、まだ安定期にも入っていなかったが出産が楽しみで仕方なかった。そんな矢先、夫の仕事の都合で一年もしないうちに岩手へと引っ越すことになった。

盛岡は岩手県の県庁所在地。田舎ながら都会的なところもあり、住み心地は良かった。ところが自然出産ができる助産院を探しても見当たらなかったので電話帳で岩手県助産婦協会を探し当て電話した。助産院がないなら自宅で出産したいという私の希望を伝えた瞬間、電話口の声が曇った。とりあえず訪問して事情を聞いてくれると言ったので来て頂いた。

いよいよ助産婦さんが訪問してくださる日、ドアのベルが鳴って出ていくとそこにはかなりお年を召した女性が立っていた。伺うと80歳を過ぎておられ、助産婦協会の最年長で会長ででいらっしゃるとか。他にこのようなことを引き受ける方がいなかったのだろう。責任を感じてき来てくださったようだ。家に入って頂き、こちらの希望を告げ、先方の条件も伺ってお引き受け頂けることになった。先方の条件とは、月一回の妊婦検診を近くの産科のある病院で受診し、異常があった場合は直ちにその病院での出産に切り替えることだった。私は迷わず条件を受け入れた。それ以外に自然出産を実現させる方法がなかったから。きっと大丈夫と自分に言い聞かせ、妊娠９か月までの３か月を順調に過ごした。

盛岡では新興住宅地に引っ越したこともあり、近所には同年代くらいの子どもがたくさん住んでいたし、夫の会社関係のご家族も近くに住んでいたので本当に助かった。川崎から盛岡の幼稚園に転園した長女は、これまた馴染むのが早く、友だちもすぐにできた。担任の先生にも「”いーれて”って言えるのでなんの心配もありませんね」と言われた。

岩手では本当に不思議な出会いがたくさんあった。大阪で学んでいた育児クラブの東北に住む方々に呼びかけ、育児サークルを作った。そこから子育てとは関係ない方々ともどんどん繋がっていった。『地球交響曲』の自主上映を企画するグループや波動の研究をしているグループ、自然農法に取り組むグループなど、会って話していると興味が尽きない仲間たちだった。

そんな中、それまであまり気にしたこともなかった農業や農法、宇宙や地球の法則などについて様々に知るきっかけをもらった。スーパーで売られている食べ物の不自然な生産方法やテレビCMで謳われている商品の実態など様々な情報が矢継ぎ早に入ってきた。大人は何も気にせず食べてもそれほど影響は受けないだろう。でも子ども、とりわけ赤ちゃんは、身体が小さいことから食べ物によって出る害は大きいに違いない、と漠然と思った。それに当時、アトピー性皮膚炎で悩む子どもが近くにいたことも考えさせられるきっかけになった。妊娠中の食生活が産まれてきた赤ちゃんにどれだけ影響を与えるかを目の当たりにしたからだった。妊婦だった私は牛乳などの乳製品と卵だけは摂らないように気を付けていた。後は一般的に言われているような生ものやお酒・たばこの禁止（酒・たばこはそもそもNG体質！）。

余談になるけれど、当時も今も変わらず「知らずに食べてしまっている怖い食べ物」リストには次のようなものがある。見た目を重視するあまり農薬や化学肥料漬けになった野菜、害虫駆除のために行われる空港での輸入フルーツへの殺虫剤散布、ジャガイモの芽が出るのを防ぐための放射線照射、ビタミンCという名の酸化防止剤、生産性を上げるため成長促進ホルモン剤を多量に摂取させた乳牛の牛乳、etc.　知らないって本当に恐ろしい。でも知ってももっと恐ろしい！

近年子どもの成長が早いと言われているけれど、それは学校給食で毎回牛乳をんでいるからではないだろうか。成長ホルモン剤を間接的に摂取しているということに気づいている人はどれだけいるのだろうか。女児の初潮年齢が低年齢化しているとも聞く。成長が早いということは老化も早いということにならないのだろうか…　ほんの少し思いを巡らせば気づきそうなことも”便利”とか”みんな食べてる”からとかで済ませてしまっていいのかと。この世に安心して食べられるものがどれだけあるのだろうと思ってしまうほどリストはどんどん長くなっていく。

岩手は農業県だ。リンゴ農家もたくさんある。長野と青森の方がリンゴの産地として有名になっているが、親木は岩手らしい。子が親を追い越してしまった？よくある話だけど…ま、それはさておき、リンゴ農家の隣に住む友だち家族は「家ではリンゴは食べない」と言う。「どうして？」って聞くと「だって駐車場に止めてる車がリンゴに散布される農薬が飛んできて真っ白になるのよ。そんなもんが降りかかってるリンゴは食べられないよ。」って。で、「オレンジは食べるの？」って聞いたら「それは食べる。見えなきゃいいのよ。」私、「。。。」　

巷では有名な話がある。あるお爺ちゃんが「孫が出荷用のイチゴを食べてしまった！」と血相を変えて病院に駆け込んだそうな。なにか間違っているよね。でもその裏には農家の事情があることも知り、経済が絡むと本当に世の中が複雑になりすぎていって、一体何を信じて良いのか分からなくなる。

そんな中、比較的良心的な商品選びをしているのが日本生活協同組合（日生協）。そこで著書『自然流育児のすすめ』で有名な小児科医の真弓貞夫氏の講演会が催された。そのお話しは本当に目から鱗が落ちる内容。私たちが一日に摂取する食品の中には薬品が100種類（約10ｇ~15ｇ）入っているそう。野生生物は”生き物”つまり腐敗するものを食べる。でも私たち人間は”生きていないもの”を毎日食糧として食べている。一晩常温に置いて変化しないものは薬品が入っている。市販のアイスクリームは糊と豆のカスに香料、着色料など85種類の添加物が含まれている。

予防接種の害についても語られ、予防接種はしない方が良いと。医者の子どもは受けていないとも。娘に既に全ての予防接種を受けさせた後だった。当時有料だった風疹の予防接種まで“安心”のため受けさせていた。ガーン…　クスリは（逆に読むと）リスク！病気は治すものではなく治るもの！体格の良い子よりも体質の良い子を育てる！今まで疑いもしなかった育児の常識がガラガラと崩れ落ちていった。

まさかの…

盛岡に引っ越してきて3か月ほど経ち、助産婦会の会長さんは月一回、問診と簡単な触診のため訪問してくださった。穏やかに日々が過ぎていった。

ところが臨月になろうかとしていたある晩、就寝中に大量に出血した。助産婦さんに電話をかけたが、このような状況なら病院へ行って診察を受け、出産も病院でしてほしいと言う。まあ期待を裏切らないお返事… 夜が明けてから夫と共に病院に行った。診察の結果、前置胎盤だった。とりあえず入院して普通分娩もできるように様子を見ることになった。入院中、担当看護師に「なんで自宅で産もうなんて思ったの？危険じゃないの。病院が一番安全なのに！」と言われ、世間一般ではそうなんだけど、私にはそうは思えなかったんだと心で叫んでいた。でもこの状況では医師、看護師の意見を尊重するしかない。不安ばかりが募り意気消沈。メンタル弱いんだな…

症状が安定してきたので一時退院したが、退院した夜にまた出血。病院に舞い戻る羽目になった。予定日が8月末だったが、医師に「当初は自然分娩も並行して考えましょうとしていましたが、あなたは爆弾を抱えているようなもので、いつお産になってもおかしくない状況です。もうすぐお盆休みに入るからスタッフが手薄になるので、その前に産みましょう。」と掌を返したように、まさかの帝王切開する方向に180度方向転換した。
自宅出産の夢が儚く消え、病院での自然分娩の希望は遂に帝王切開という一番望まない出産を選ばざるを得ない状況へ。8月12日、お盆休み前のぎりぎりの日に手術は決まった。
「前置胎盤の原因ってなんなんですか？」と医師に聞いてみても今の医学では分からないとの返事。「なんでこんなことになってしまったの？」と自問自答する日々。でもお腹の子には何の責任もない。何某か自分がそのような状況を作ってしまったのだろう。でも…でも！元気に赤ちゃんが生まれたらそれでOKではないか！と気持ちを切り替えて全て受け入れた。

実家から母も駆けつけてくれ、無事第２子を出産。見舞いに来た長女を病室のベッドの上に座らせて生まれたばかりの次女を抱っこさせた。そもそも自宅出産をしたかったのは、母子共にストレスレスなお産のためということもあったが、第１子への心のケアという意味合いもあった。お腹の大きかったお母さんがいきなり赤ちゃんを連れて家に帰り、赤ちゃんばかり構うと上の子は母親を奪われた気持ちになり、「赤ちゃんは病院に返してお母さんだけ帰って来て！」とか、ぐずって泣く赤ちゃんに「違う赤ちゃんと取り換えて来て！」と言ったりするというよう話を聞いたことがあったからだ。もちろん第２子を妊娠してからの母親の持っていきようで上の子の気持ちは違ってくるのは言うまでもない。大きくなってくるお腹を触らせたり、上の子もこのようにして生まれて来るのを楽しみにしていたことなどを語って聞かせることは何よりも大切だ。そして実際に生まれた赤ちゃんとのスキンシップはお兄ちゃん、お姉ちゃんになった自覚を育て、かわいい弟妹ができたことの喜びにつながる。
第１子誕生までの10か月間で女親は母親になる自覚が育ち、男親は父親になったことを自覚するのは赤ちゃんが誕生後10か月程かかると言われている。弟妹が生まれた上の子も兄姉になった自覚が生まれるのはそこまでかからないにしてもある程度の時間はかかることは安易に想像できる。少しでも早く赤ちゃんのいる風景に慣れてほしいとの思いでの新生児抱っこだった。お母さんのお腹にいた赤ちゃんがここにいるんだと体感してほしかった。本当は出産に立ち会わせたかったがそれは叶わなかったのが心残りだったが、ひとまず姉妹の絆は良いスタートを切ることができたのではないかと思う。

次女はそんな経緯で生まれた。上の子の時よりも私の気持ちに余裕があったのと妊娠中の食生活に気を付けていたこともあり、長女よりも骨太でがちっとした体形。なんでもすることが豪快で、力もあって、２歳の頃には肉たたきで炬燵のテーブルを叩いて穴を開けるほど力があった。（そう、台所グッズは子どもの最高のおもちゃ！）服も二人の趣味は全く異なり、天女の衣のようなフリフリしたガーリーな服を好む長女とは違い、次女はボーイッシュなTシャツ短パンを好んで着ていた。次女の方が体が大きくなるのが早かったことも重なり、お下がりは利かなかった。同じ親から生まれた姉妹でもこんなに違う。

そんな次女が幼稚園に通う頃、三人目の妊娠が分かった。長女は年末、次女はお盆。長女の時は「この日に産めば年内にお家に帰れますよ」と医者に誘導されての陣痛誘発剤を使ってのお産となり、次女の時にネックとなったのが「お盆」という国民の夏休みだった。母親に「あんたはいつも人が忙しい時にお産になるなぁ。」と言われたこともあり、次は絶対お盆と正月前後は避けようと思った。でも思ったところでその通りに都合よく妊娠できる保証はどこにもない。実際、第３子はなかなか来てくれなかった。諦めた頃に妊娠が分かり、やったー！今度の出産予定日は３月末。お盆と正月は避けられたが、年度末…はてさて、今度はどうなる⁉️

Where there is a will, there is a way

子どもは三人欲しかった。子ども二人の場合、意見が合わない時に多数決を取るときれいに割れてしまう。でも三人になれば必ずどちらかに決まる。最小単位の社会が形成される。それに子育てに関しても、一人目は手探りの子育ての試作品、二人目は一人目の失敗を生かした改良品、三人目はさらに見直しての完成品となるという。私の場合、もちろん子育てに関しての「完成形」を目指して第３子が欲しかったのだが、それ以上にお産に対して悔いを残したくはなかった。

世の中の常識として、一度帝王切開で出産すると次の子も帝王切開での出産になる。切開個所の癒着や子宮の破裂などの危険性と母子の安全を考えて、そのような対策を取るようだ。でも、必ずしもそうなるとは限らず、帝王切開後、次の子を自然分娩で産んだ人がいることも知っていた。私もそれを実現させたかった。ところが引き受けてくれる産科や助産師は極端に少ない。と言うか、ほぼいないに等しい。リスクを冒してまで受け入れたくはないというのが本音だろう。何かあった時の医療訴訟は医者の一番避けたいことなのだから。今は既往帝切後妊娠で経腟分娩を目指すことを TOLAC (Trial of labor after caesarean) といい、経腟分娩が成功した場合を VBAC (Vaginal birth after cesarean) というらしいが、当時はそんな洒落た言い方はなかった。というか、そんなことをあえてする人もあまりいなかったので一般にはほとんど知られていなかった。きっと最近はTOLAC希望者が増えてこのような言葉を普通に耳にするようになったのではないかと思う。

第３子の妊娠が分かったのは４年後の夏休みの頃。ちょうど実家の両親が岩手に遊びに来てくれていて、子どもたちと一緒に東北各地へドライブを楽しんでいた時だった。なんだか体がだるい。もしかして…と内心期待を膨らませていた。親が帰路についてから薬局で買った妊娠チェッカーで調べると陽性の印が出た。やったー！待ちに待った第３子が来てくれた。夫にも報告。喜びでいっぱいだった。

第２子を帝王切開で出産した私が自宅で出産を希望したところで、もはや協力してくれる産科医も助産師もいないだろうということは容易に想像できた。自宅出産を強く希望する私だったので、まだインターネットもそれほど普及していない時代、次女出産後、次の妊娠に備えて様々な関連文献を読みまくり、情報を集め、夢実現に向けて備えていた。怖いものなし。夫も私の意思は尊重してくれていたが、あまり協力的ではなかったので自分一人で自宅出産しようと計画を練っていた。まず最初に、親には出産するまで妊娠したことを知らせないことを決めた。余計な心配をかけたくなかったし、欲しくないアドバイスも聞きたくなかった。夫も私も実家が遠いことが幸いし、上手く隠し通せる自信はあった。それから体調の管理を徹底して、前置胎盤予防の方法を教わった通りに実行する覚悟の元、夢実現に向けて着々と準備を進めていった。

お腹も目立つ妊娠８か月頃に母子手帳をもらいに保健所に行った。さすがにこんなにお腹が出ていて見るからに妊婦という状態で行けば妊娠していないとは言われないだろうと思ったが、そこはお役所、医師の診断書がないと発行できないと言われてしまった。「妊娠中、一度くらい病院で診てもらったらどうですか？」と言われたが、私は逆に「じゃ、いつ発行してもらえるんですか？」って聞き返してみたところ、「その場合、産後発行となりますね。」なるほど、産後発行上等！「それならそうします。」と言って帰った。

私の無謀とも思えるチャレンジを知らせたのは心許せる近所に住むママ友二人と育児グループの友だち数名だけだった。出産後に聞いたのだが、夫も大きくなるお腹を見て一抹の不安を抱いていたようだった。私はメンタルが非常に弱い。医者や助産師に自宅出産の危険性についてまくし立てられたり、非難されたりしてしまったらたちどころに気持ちが萎えてしまうだろう。だから誰からも何も言われない状況に自分の身を置きたかった。自分と赤ちゃんだけの幸せな世界にいて、自宅出産は必ず実現するという強い信念を持ち、「私にできる！」という肯定的なイメージを描き、お腹の子と楽しく話をして精神を安定させた。そんな毎日を過ごしていたので、不安材料は全くなく、穏やかな妊婦生活だった。

専門家の診察を一度も受けていないので、赤ちゃんの性別は知る由もないが、私の顔つきが凛々しくなってきたことと男の子を産む夢や男の子を追いかける夢を何度も見るようになったので、男の子ではないかと感じていた。でも生まれるまでは分からないので、お腹の子に仮に心（こころ）ちゃんと名付け、たくさん語り掛けた。何かの時の証拠となるよう妊娠中の大きなお腹の写真も撮っておいた。

幸い異常もなく、臨月を迎えた頃、子どもたちは春休みに入った。まだ雪がところどころ残る盛岡の春。いつもは子どもたちを連れて帰省していた。実家の母からいつ帰るのかと電話。今年はいろいろ忙しくて帰れそうにないと伝えると、「そしたら私がそっちに行くわ」と盛岡に来てしまった。ヤバい！バレてしまう…　まあ、母だけなら何とか説得できるような気がして覚悟を決めた。まだ寒く、服も大きめで体形がカバーされていたのでお腹はそれほど目立たなかった。「実は赤ちゃんができたの」と切り出した。「そう！おめでとう。」と言って客間の和室に荷物を置きに行った時、そこの置いてある赤ちゃん用体重計を見て、「気が早いね。もうレンタルしてるの？」というので、「いや、もうすぐ生まれるの…」「えっ！」と母は言うまでもなくビックリ。でも自宅出産することを伝えても淡々と受け入れてくれていたようだった…とりあえず表向きは（さすが私の母！）。内心はきっと穏やかではなかったと思う。「こっちにいる間に生れたらええのになぁ」と言いつつ、一週間後、産気づかない娘と孫二人を残して母は父の待つ実家へと帰っていった。本当に母には余計な心配をかけることになってしまい申し訳なかった。母は帰ってから体調を気遣う電話をよく掛けてきた。気持ちはとても嬉しかったけど、その心配する気持ちを気にしないように切り替えて過ごした。

予定日通りだと夫の誕生日辺りだったが、年度を越して4月に入って10日ほど過ぎたある日、陣痛が始まった。予定日より２週間遅れ、と言っても自分で計算した予定日だし、目安にしていただけだった。遅れていたことはちっとも気にしていなかったし、「お腹の中が好きなんだなぁ、この子は」くらいにしか思っていなかった。でも、それが病院での出産となると２週間が待てる限界だと告げられ、またあの望まない陣痛促進剤などを使った人工的な出産になっていただろう。いや、間違いなく帝王切開！　余計な雑音が耳に入らないところでの出産が実現できそうでわくわくしていた。

もう寝てもいい？

第３子の出産がいよいよ始まろうとしたとき、夫が帰宅した。陣痛の感覚がどんどん短くなっていく。なんか漏れそう！と思ってトイレに走る。これが破水か。今までお産は行程を確認しながら産むことがなかったので、一つひとつのプロセスが着実に赤ちゃん誕生に近づいてきているのが実感できた。

産むのは自宅のお風呂。自然に産むなら一番楽な方法と言われている水中出産と決めていた。羊水の中で過ごしていた胎児にとって水中に押し出されるのはそれほど抵抗がなく、母体の皮膚も伸縮性を増し、痛みも軽減される。薬品なども使うことなくスムーズに産めると確信したから。当時の我が家のお風呂は麦飯石が入ったタンクを通ってお湯が循環する24時間風呂。麦飯石にはお湯の中の不純物を吸着し、ミネラルを放出する作用があり、保温機能の付いたタンクをお湯が巡ることでお風呂は24時間快適に入浴可能だった。月一回の石の天日干しなどメンテナンスには少々手間はかかったが、この時ばかりは取り付けておいて良かったと思った。

陣痛の間隔が狭まり、いよいよと思われるころ、夫に上の二人の娘たちを起こしに行ってもらった。これは家族の一大事！子どもたちにもちゃんと弟妹の誕生の瞬間をその目で見てほしかった。朝起きたら赤ちゃんが居た！では折角の自宅出産の醍醐味が半減する。

お産は思ったほどスムーズには進まなかった。なかなか出て来ず、痛みも増してきたので、心配した夫はパジャマのままバスタブに入って背中を擦ってくれた。当てにしていなかった夫だったが、やはり居てくれて心強かった。長女にはビデオカメラを持たせ記録係を任せた。赤ちゃんの頭が出たのでそのままスルスルと出るかと思いきや何かがつっかえて出られないようだった。手で探ると、肩に臍の緒がかかって妨げになっていた。手さぐりでクルっとへその緒を肩から外した後はスルッと誕生。やっと叶った「心ちゃん」とのご対面！夢で見た通り男の子だった。顔を横向けにして羊水を吐き出させると元気に泣き、ホッとする。

夫に切れ味の悪い安物のハサミで臍の緒をしごきながら切っってもらった（臍の緒は切れの良いハサミでスパっと切らない方がいいと知り…）。体をキレイにしてタオルで包み、ずぶ濡れになったパジャマを脱ぎタオルを巻いた夫に寝床に連れて行ってもらった。子どもたちは大興奮！と思いきや眠気が勝っていたようで、長女曰く「ねぇ、もう寝てもいい？」とつれない言葉。ま、午前３時じゃ無理もないか。長女９歳、次女３歳の春だった。

娘たちが寝にいった後、後産が始まった。プリプリの胎盤が出てきた。フランスではこれをシチューにして食べることもあるとか…でも我が家は庭に穴を掘って埋めた。後に気づくが、その近くの木の生育が異常に良かった^^

かくして家族の新しいメンバーが誕生した。体重3795g、身長50㎝ の元気な男の子。予定よりも２週間ほど遅かったからか結構ビッグなベイビー。翌朝、いつでも連絡くれたら駆けつけるからと言ってくれていた近所のママ友に赤ちゃんが無事誕生した報告の電話を入れた。「えっ！そうだったの⁈おめでとう！」昼間だったら連絡していたよ。本当に気に掛けてくれてありがたかった。

夫は興奮冷めやらぬ内に…かどうか分からないけれど、市役所に出生届を出しに行った。ところが、第三者が立ち会っていないことから法務局から職員が事実関係を確認に自宅を訪問してからの受理になると言われ、まだ戸籍に入れられなかった。（知り合いで自宅出産した人がいるけれど、彼女の場合、ご主人が耳鼻科医だったので、第三者の立ち会いがなくても「医師」ということで即認められたと言っていた。）息子の出生日が４月中旬。法務局の職員の訪問を受けたのは約一週間後。チャイムが鳴ってインターホンに出ると「法務局です」と。玄関を開けるとそこに中年の男性職員と若い女性職員の二人が立っていた。撮りためていた妊娠中の大きなお腹の写真や出産時の記録ビデオを見せながら出産の様子を報告（プレゼン？）した。二人とも感心しきりで、「助産師さんか何かそのようなお仕事をされていたのですか？」と聞かれたので独学で勉強してお産の知識を得た旨伝えると「大変勉強になりました。」と言い残して帰って行かれた。この訪問の結果がなかなか届かず、そうこうしているうちにゴールデンウイークに入ってしまい、結局籍に入れたのは５月中旬。生まれてから１ケ月ほどかかった。入籍後、母子手帳も発行してもらえ、一件落着。

出産直後夫の実家に赤ちゃんができたことを電話で報告。
夫「赤ちゃんができてん。」
義母「あら、おめでとう。いつ予定日？」
夫「いや、もう生まれてん。」
義母絶句。

私の実家にも無事生まれたと連絡した。母から「おめでとう」と安堵の声。心配かけてしまった。本当に申し訳ない。母は産後の手伝いのために盛岡までまた来てくれた。感謝しかない。

今考えると結構無謀なことをしたのかもしれない。人様には決してお勧めはできないが、私の場合はそうでもしないと自然出産の願いを叶えることはできなかった。妊娠中の10か月間、私の身体は誰にも邪魔されない自分とお腹の赤ちゃんの二人の世界。臍の緒で繋がる正に一心同体。知識を増やし、知る限りの努力を尽くして創り出した安心できる環境。そんな中でツルッと生まれてくることだけを楽しみに過ごせたことは大きい。自分主体で行動するということはリスクも自分で負う責任がある。それも全て受け入れる覚悟はあったが上手くいくことしか考えられなかった。つい最近夫に聞いてみた。「なんで反対しなかったの？怖かった？」と。「怖かったに決まってるやん。だけどあなたはそればかりやったから言ってもしゃーないと思った」と。改めてこの人が夫で良かったと思った。

希望を叶えるのは決して楽ではないけれど強い意志を持っていれば可能なのだ。でもどんなことが起きても自分の事として受け止める覚悟が必要だと思う。今は何か不都合なことが起きたら誰かや何かの所為にして、場合によっては裁判沙汰にもつれ込んだりする。出生率が下がっているのだから出産する所はもっと選べるはずなのに産婦人科医院の方がトラブルを避けて分娩は扱わないところが多くなっている。お産が総合病院に集中してしまい、早々に予約を入れておかないと受け入れてもらえない場合があるとも。

お産に限らず何事も他人任せにするのではなく、自ら主体的に学び、知識を付け、行動すればもっと選択肢を広げることができる。既存の情報に流されないで見極める力を養い、望みを叶えるために自分を信じて行動する勇気をぜひ！

番外編

今ドキの感覚

2021年現在、もうすぐ４歳と1歳になる孫がいる。世の常かもしれないが、初孫は娘が妊娠した時からの記憶が鮮明に残っている。私が最後に出産してから21年経ってのお産にワクワクしていたら、娘はこの自然派な母を前にして「私、無痛分娩にするから」と平然と宣った。今までの子育てで子どもたちの意思に強く意見することはそれほどなかったが、今回のこの言葉にはつい口を出してしまった。

その当時ニュースで盛んに無痛分娩による妊婦や胎児の医療過誤を報じていたこともあり、やはり不必要に手を加える出産は良いものとは思えない。でも娘は先にママになった親友たちからの情報で「お産は信じられないくらい痛い！無痛分娩が絶対楽で良いよ」と聞きつけ、決心したそうな。「安易だなぁ今の娘たちは…」とついついぼやいてしまう。そう言えば2021年新春スペシャルドラマ『逃げるは恥だか役に立つ』で主人公の みくり が赤ちゃんを授かり、無痛分娩で出産していた。これが若い妊婦のデフォルトにされてしまいそうな嫌な予感…

私は第３子を水中出産した経験から水（お湯）は痛みを吸収してくれる感覚があり、守られているようで気分が落ち着き、個人的には心身共に楽だった。病院や助産院で用意されている水中出産用のバスタブは一般家庭のそれよりも大きい。小さめのジャグジーバスくらいのサイズ感ではないかと思う。医療スタッフや父親も一緒ならそれくらいの広さが必要なのだろう。でもその広さゆえに息みにくかったというような体験談もある。

さて、娘の出産に話を戻す。無痛分娩すると言う娘の言葉に私があまりにも驚いたので、娘も水中出産についてリサーチを始めた。娘はギリギリまで仕事を続けるつもりでいたので、里帰り出産は考えていなかった。都内に住んでいるので出産方法は As you like で選びたい放題に違いない。ちゃんと調べれば情報はたくさん出て来る恵まれたロケーションだ。数日後リサーチ結果の報告があった。

娘は「ママみたいに自宅で産むなんてこと、恐ろしすぎて絶対にできない！お産は大きな病院でないと不安だから調べてみたんだけど、ここなら妊婦の好きな出産方法を選べるみたい。」と明るい声。私も安堵した。少なくとも直ぐに帝王切開や無痛分娩を勧めてくるような病院ではないし、条件次第では水中出産も可能とのこと。胸が躍った！自分が出産する訳でもないのに…

検診に一度同行した。電車で40分ほどかかり、Door to door で1時間はかかる。決して近くはないけれど母娘が安心できる条件を満たす方が優先された。上の子を連れていなければならなかったりしたらまた違っただろうが、第１子の場合、妊婦の身一つのことなのでそれほど大事でもなく楽しく通えていたようだ。検診は毎回医師ではなく、何度か助産師が担当する日があり、検診時に妊婦同士の交流を図るための集まりも行われていた。私が同行した日の検診は助産師が担当だった。もうすぐ臨月なるというのに超音波ドップラー法で赤ちゃんの心音を初めて聞いたと娘は感動。え？私が妊婦だった頃は妊娠後期なら毎回心音を聞いていたのだが…それに妊娠後期の注意事項としては妊娠中毒症。むくみや急激な体重増加に特に注意しなければならないと私の頃は厳しく注意された記憶がある。ところが娘の検診で助産師は「順調ですね。何か気になることありますか。」と妊婦に不要な心配を掛けない（胎教の大切さを医療界も認めるようになった？）ためだろうか、数値や目に見える形で異常がない限りこちらから質問をしないと何も言わない。「妊娠後期は妊娠中毒症に注意しないといけないですよね」とつい口を挟んでしまった。助産師は「はい、その通りです。塩分や高カロリー食品などは摂りすぎないように気をつけてくださいね」と。検診も様変わりしていることを実感。（ところで、今は妊娠中毒症とは言わず、妊娠高血圧症候群と言い、むくみの症状だけではそれほど心配しなくて良いらしい。）

その後何事もなく臨月に入り、特に異常がないので今のところは希望していた水中出産は可能とのお墨付きを頂いた。娘が産休に入って自宅でのんびりしていたある日、陣痛が始まったと連絡があった。今どきは陣痛タクシーなるものがあり、予め登録しておくとその時になれば直ぐ自宅までタクシーが急行してくれて指定の病院まで運んでくれるサービスだ。私は関西にいて直ぐには行けないのでこのシステムは本当に助かる。婿殿は病院に急行し、東京に単身赴任中の夫も仕事の後駆けつけた。

初産は時間がかかるもの。娘は陣痛室で一夜を過ごした。早朝にソファで仮眠していた婿殿がナースに起こされ、胎児の心拍が弱くなってきたので急遽帝王切開の手術をすることになったと医師から説明を受け、手術の同意書へのサインを求められた。寝耳に水とはこのことか。昨日まで順調だったのに一体何がどうなったのか…でもどんどんお産が進んでいく。

その日の午前中に無事初孫誕生。気胸がみられる為NICUにお預かりとなる。難産の原因は胎児の旋回異常だった。胎児が狭い骨盤や産道を通るために少しずつ頭や体の向きを変える。その際になんらかの理由で旋回がうまくいかず、その内心拍が低下していったということだった。

予定を調整して現地に入った私は二人の見舞いに行った。娘は分娩室から手術室へ向かう途中、水中出産用のバスタブを横目で見ながら移動したと教えてくれた。あんなに異常なく順調だったのに思いもよらない展開となってしまった。でもこれも人生。母子共に大事なく済んで良かったと、良いように受け止めないとね。

NICUに運ばれていった孫を見に行った。保育器の中で管を纏った姿は痛々しかった。腕を動かして管を外してしまうので、腕と管を包帯でグルグル巻きにして固定していた。新生児気胸はそれほど珍しいものではないということだったので、私もそれほど心配はしていなかった。少し抱っこさせてもらった。新生児の感触は最初に我が子を抱いた時の何とも言えない幸せな気持ちを蘇らせる。

初孫＠NICU

母子同室の病棟だったが、娘だけやむなく母子別室状態。娘は母乳を絞ってはNICUに届けていた。それをナースが哺乳瓶に移して赤ちゃんに与える。直接飲んでくれたらそんな手間なく楽ちんなのだが、これも運命のいたずらか…私が娘を育てていた時と同じことを娘もしている。

娘の手術後の経過も順調で、病室で一人でいたので良い意味で他のママさんたちよりは心にゆとりがあった。カーテン越しに他の母子の様子が窺えて、なかなか良い勉強になったそう。

私が帝王切開で出産した時は10日間の入院が必要だったが、今は1週間で退院。それまでに赤ちゃんがNICUから出られないと一緒に退院できない。そうなると産後の身体で毎日電車で1時間かけて母乳を届けなければならなくなる。さあどうなる?!とヤキモキしていたら、誕生3日目にNICUから普通病棟に移動することが叶った。

晴れて退院の日。車を持っていないのでタクシーで家に帰った。レンタカーも考えてみたけれど、車での移動時はチャイルドシートが義務付けられている。その日のためだけにチャイルドシートを準備するのも大変だということになり、タクシーにした。（タクシーだと母親がシートベルトをしているので赤ちゃんを抱っこして乗ることが可能。）新たな生活に向けて発進！

Repeating after me？歴史は繰り返す

その後も子宮外妊娠での入院、婿殿の転勤に伴う引っ越し、娘の転職などイベントが多く、助っ人としてグランマが登場する場面が結構あった。そう、もし親に子育てを手伝ってほしいと思っている場合はなるべく親が若い内に出産しておいてもらいたい。最近はキャリアを積んでから子どもをと考えるカップルも多いし、40代での出産も珍しくなくなってきた。医療の進歩と体力的にも若い方が多くなってきているからだろう。そんなことから子育てと親の介護がダブルで来るという方も少なくないと聞く。年齢が上がればそれだけ難産のリスクも高まる。人生は計画通りにいかないのは常ではあるけれど、可能ならば30代で出産は終えておいてもらえたらと願う。

そんなこんなで娘は第２子を妊娠した。今回は里帰り出産すると言う。理由は一度帝王切開をした場合、二人目以降も帝王切開での出産になるという”出産あるある”が未だに健在だからだ。娘が引っ越した地方ではTOLACが可能な産科が皆無で、娘のリサーチの結果、大阪にそれが可能な産科・小児科専門の総合病院が見つかったからだ。住んでいた地方でもたまたまVBACとなったケースはあるようだけれど、表立ってそれを謳っている訳ではない。医療側にしたら「安全第一」だから。誰のための「安全」なのか…という話だが、その話はまたの機会にするとしよう。

最初の出産では痛み軽減のために無痛分娩からの水中出産をと言っていた娘だったのに、今回は水中出産は取り扱っていない病院だった。自然分娩の大切さに目覚めたのか帝王切開後でも経腟分娩ができる病院を探し当てていた。”帝王切開＝お産の敗者”という思いがあったのかもしれない。私は決してそうではないと思う。テレビドラマ『コウノドリ』で綾野剛扮する産科医サクラの台詞「帝王切開も立派なお産ですよ。」の通り、赤ちゃんがこの世に生まれることが素晴らしい。医療が発達している今日だからこそ母子が亡くなるケースが減っていることも考えあわせると、この時代に生きていることは本当に有難い。

経腟分娩に拘るのはやはり私と同じ遺伝子を持つからか。でも第２子となると上の子のこともあり、家から高速で乗り付ける病院よりはもっと近場の方が良いのではないかと考えてしまう。そんな親心を自宅出産までした私が言ったところで説得力はない。我が母も娘が自宅出産すると聞いてきっといろんな思いが胸を過っていたことだろうに、私の意思を尊重してくれた。今更だが、母の大きな愛に感動する。

そんな母親の胸の内を知る由もない娘は着々と我が道を進んだ。大阪のその病院へ検診に行き、出産の予約を入れた。婿殿も協力的なイクメンなので遠方より仕事を休んで娘に付き添ってくれていた。臨月での移動は厳しいことから産休に入る頃に奈良に戻って来た。予定日は２月上旬。予定よりも２週間早くおしるしがあり、様子を見るも陣痛は始まらない。いつもと違う感じだったのか、病院に行くと大事を取って入院することになった。

上の子は月決めの一時保育に預けていたので日中は大丈夫だったのだけれど、お昼寝をしないことが多かったので、帰宅後は早々に晩御飯を食べさせ、お風呂に入れ、母親がいないことで泣かれる前に寝かせるという日々を送っていた。１週間入院したがお産は始まる気配はなく、大きなお腹のまま家に戻された。

退院後は何事もなかったかのように普通の妊婦生活に戻り、検診も週に1回になっていた。予定日が近づくにつれ、お産が始まらなければ帝王切開に切り替えることも視野に入れておくようにと医師に言われるようになった。大きい病院は毎回担当医が異なるのでなんとも淡々とした口調で告げられる。娘は気にしていないようだったが、私が妊婦だったらその言葉に滅入っていたような気がする。だから私の場合、検診を受けずに自宅出産したのは正解だったと改めて思った！

娘は至って穏やかに過ごしていたが、私の方はお産がいつ始まるかドキドキする毎日を過ごした。本人よりも周囲がまだかまだかとヤキモキする。でも娘にはこんな気持ちを悟られないように平常心で過ごす。お産はこんな毎日が続くのは当たり前。なんでも On demand に慣れてしまっている現代の私たちの暮らしの中で予定が立てられないことにイラっとしてしまいがち。働く女性が増えたこともあり、最初から帝王切開を希望する妊婦が増えているという事実を受け入れられなくもない。でも本来人間は自然の前では無力でどうすることもできないもの。そこに見えない力への畏敬の念と祈る心が芽生える。帝王切開の世界チャンピオンと言われるブラジル（80％が帝王切開で出産）でも、自然分娩を見直す方向にあるという。

胎児はこの心境を察してか予定日当日に陣痛が始まった。10分間隔になったところで病院に連絡を入れた。移動距離を考慮してそのまま病院に向かうことになった。経産婦ということでいきなり分娩室に入った。婿殿は仕事が終わってから夜通し運転して未明に病院に到着。そこで背中を擦ったりのアシストをバトンタッチして私は一旦家に帰った。

ほぼ徹夜の私はフラフラで運転できる気がしなかったが、上の子に間もなく誕生する赤ちゃんとの対面も叶えたかったので一緒に行くつもりでいた。様子を見かねた次女が仕事を休んで運転手を引き受けてくれた。感謝！お産は続いているようだったが、陣痛の合間に連絡が入り、生まれそう、もう生まれる、生まれた！と私たちが移動中に無事誕生。分娩室に入れるのは父親、祖父母、赤ちゃんの兄姉のみで我が次女は入れなかった。生まれたての赤ちゃんに会えると思っていたのに可哀そうだったが、分娩室から病室に移動中に娘には会えたので良しとする。

かくして第２子は自然分娩で無事誕生。生まれたての赤ちゃんと分娩室でご対面。私が近づくと目を開け「もう！大変だったんだから～！！」という表情。「よく頑張ったね。」と頭をなでる。娘も「できたよ！」と涙目。「うん、うん。おめでとう！良かったね！」ジャンボベビーで会陰は裂けまくり縫合が大変だったとか。ともあれ母子とも健康で何よりホッとする。

娘はあと一人は子どもがほしいと言っているが、私にそれをサポートできるような体力が残っているか。次女は３～4年後には孫を抱かせてくれるらしい。我が家のベビーラッシュとなるか、乞うご期待。