最近みた映画~善き人のためのソナタ~
※結末も記載しております。
記事をご覧いただきありがとうございます。
作品情報
作品名 :善き人のための
ソナタ
製作年 :2006年
製作国 :ドイツ
上映時間 :137分
ジャンル :ドラマ・スリラー
ストーリー
1984年の東ドイツが舞台。
国家保安省の局員であるヴィースラーは国家に忠誠を誓っていました。
ある日彼は、反体制の疑いのある劇作家ドライマンと、恋人であり舞台女優のクリスタの監視を命じられます。尾行や盗聴による徹底した完全監視でした。
しかし、聞こえてくる彼らの世界に次第に引かれていきます。「この曲を聞いたものは悪人になりきれない」ピアノソナタを聞いたヴィースラーは激しく心を揺さぶられたのであった。
感想
ヴィースラーとクリスタ。
2人の共通点は、彼らの肩書とそれに反する気持ちの葛藤があることです。
ヴィスラーは国家保安局員なので、本来であればドライマン達を取り締まらなければなりません。しかし、そうしたくない。見逃したい。無許可での単独行動やウソの報告書など、苦悩しながら彼なりに助ける様子が伺えます。
クリスタも、舞台女優を続けるには権力者に気に入られる必要がありました。芸術運動も規制されていた時代だったからです。ドライマンの芸術家としての活動と、自身の女優としての生き方の為に体を売ることもありました。
「立場上そうせざるを得ない。しかしそうしたくない。」
立場に限らず、日常でも似たような感情はあります。
「のんびり暮らしたいけど仕事はしたくない」
「眠いから今すぐ寝たいけど
お風呂入らなきゃ」
理性と本能だけではなく、社会情勢という外部の影響。自分ではどうすることもできません。この時代でなければ、、。と考えてしまう虚しさもあります。
自分の気持ちに正直になり、肩書きに反した行動が、人の命や人生に関わることを想像できるでしょうか。行動した後に自らに降りかかる仕打ちには耐えられるのでしょうか。
ヴィースラーは彼らを救った後、収容されました。20年にも及ぶ朝から晩までの手紙の開封作業の仕事が待ち受けていました。(ベルリンの壁の崩壊により5年弱で終了)
まとめ
自らの立場とそれに反する
気持ちがあったとき、どう考え、どう行動するのか。
行動した結果、人命にかかわったり自らに降りかかる
試練に耐えられるのか。
立場と葛藤について考えさせられた作品でした。