絵本「世界の市場 おいしい!たのしい!24のまちでお買い物」

私がとても気に入っている絵本の一つについて書きたいと思う。

「世界の市場 おいしい!たのしい!24のまちでお買い物」

河出書房新社
文/マリヤ・バーハレワ
絵/アンナ・デスニツカヤ
訳/岡根谷実里

1月〜12月まで12カ国、24のまちの市場がユニークでかわいらしい絵とともに紹介されている。各国1人子どもが出てきて、大好きなおやつを紹介していたり、よく売られている食材やその国でよく食べられている料理の作り方、その市場のみどころなどが描かれている。市場の絵の中から探し物をするコーナーなどもあってとても楽しい。漢字にところどころしかふりがなが付いていないので、1人で読むのは小学校中学年ごろからかもしれないが、好奇心旺盛なタイプの子どもなら幼児でも大人と一緒に十分楽しめる。(実際3歳の息子はこの絵本が好きでよく「これ読もう?」と本棚から出してくる。)

この絵本を知ったきっかけは、東京立川のPLAY!MUSEUMで2023年に行われた「谷川俊太郎 絵本★百貨展」という展覧会だった。
大好きな谷川俊太郎さんの作品を面白い工夫がいっぱいの展示で味わったあと、最後色んな絵本が集められてご自由にどうぞというコーナーがあったのだ。その中の1冊がこの絵本だった。

少し脱線するが、私は特別に知育を重視して子育てをしている訳では無い。というのは、学校で良い成績がとれること、名前の知られた大学に通うこと、たくさんお金を稼ぐことなどを子どもの将来に求めている訳ではないという意味だ。
もちろん、上に挙げたことは立派なことなのだが人生の幸福度にさほど直結しないように思うからだ。私が子育てで大事にしているのは、本人が何が自分にとっての幸せなのかを理解して、自分にとっての幸せな人生を実現できる大人になること。そして自分自身も周りの人も大切に扱える人間になることだ。
周りの人に「幸せそう」と思われることと自分の本当の幸せは関係がないと私は思う。
自分で考えること、感じることを大切にできる人になってほしい。だから将来の勉強だとかそういうことのためでなく、純粋な知的好奇心と感性を青々と茂らせることができるように、色んな絵本を本棚に入れて一緒に読んでいる。

我が家は海外旅行に行って異文化を実際に体験させるような経済力があるとは言い難い。
そんな家庭でも、知らない世界をのぞき見てワクワクすることができる素敵な1冊。
サメが並んだ魚市場、船でお買い物をする市場…。
旅の気分を味わえるので大人へのプレゼントにもおすすめしたい絵本だ。

世界を知るとともに自国の文化の面白さも知ってほしいし自分も読みたいから今年は日本の行事の絵本も本棚に追加したい。


いいなと思ったら応援しよう!