美崎 洋太

不動産の任意売却を専門にしています。主に自宅を競売にかけられてしまった方がお客様です。多重債務や精神的面も含め、人の負の部分と付き合うことが多いです。その中で、お金や幸せ、生きるということ等について考えさせられることや気付かされることが多く、そんなことを発信していくつもりです。

美崎 洋太

不動産の任意売却を専門にしています。主に自宅を競売にかけられてしまった方がお客様です。多重債務や精神的面も含め、人の負の部分と付き合うことが多いです。その中で、お金や幸せ、生きるということ等について考えさせられることや気付かされることが多く、そんなことを発信していくつもりです。

最近の記事

右折渋滞で気が付いた感謝の循環。

感謝の気持ちが循環していけば、右折渋滞を減らすことができて、今よりももっといい社会とか人生になるんじゃないかなぁ~なんて普段から考えています。 私の仕事は訪問営業なので、日中はほとんど車に乗っています。だいたい平均して毎日100キロ近く移動しています。当然のことながら日々渋滞に巻き込まれたり、信号待ちでなかなか進まないなんてことは日常茶飯事です。 その中で頻繁に目にするのが、片側一車線の道路で右折待ちしている車の後ろにずらぁ~っと並ぶ右折渋滞。 自分が対向車線を走ってい

    • 任意売却の現実。買主が見つかっても取下げに応じない債権者の考え方。

       任意売却は全ての案件で成功するわけではありません。理由は様々ですが、失敗することもあります。  債権者と一言にいっても多種多様な債権者がいて、債権者ごとに考え方が異なります。その考え方の特徴を大雑把に表現すると、民間寄りと行政寄りと言えるのかなと思っています。  民間寄りの考えをしている債権者との交渉は比較的簡単なことが多いです。競売と任意売却でどちらの方が回収額が多いのか、単純比較になることが多いからです。その為、任意売却の方が競売よりも回収額が多くなるであろう、とい

      • 任意売却と自己破産。どちらが先かで大きく変わる結果。

         前回、自己破産のススメという題名で書きました。それに関連して、自己破産はどのタイミングでするのが効果的かについての内容です。  結論から書いてしまうと、自己破産は任意売却が終わった後にするべきだと私は考えています。それは、引越代を捻出できる可能性が大きいからです。引越代を捻出できた場合、精神的負担も多きく変わるからです。  住宅ローン等の支払いが滞り、競売になってしまった方の多くは、任意売却や競売で自宅を手放してもローンの残債が残ります。完済できる人は少なく、個人的な感

        • 自己破産のススメ

           私はお客様の多くに自己破産を勧めています。理由は単純で、お客様にとって、自己破産はメリットでしかないと感じているからです。  自己破産は、人生の終わりのようなイメージが一般的になっていますが、決してそんなことはありません。私個人としては人生の再出発を後押ししてくれる制度だと思っています。  私のお客様(自宅を競売にかけられている人)には色々な事情があり、住宅ローン以外にもカードや消費者金融などで多重債務になっている方も多くいます。これまでに最高で約10社から合計約1,5

          可能性を広げる思考と言葉の使い方。判断は周りがするもの。

           とある友人と話していた時に、思ったことです。「~だろう」と「~なのかもしれない」という言葉の違いって、とても大きいなと。正確には言葉遣いというよりも考え方になるかと思いますが、この違いはとても大きいと思いました。  何が大きいかというと、物事の可能性を広げるのか狭めるのかの違いにつながるような気がします。気がするというか、今のところ確信しています。  何か物事を考える時、思考実験をするような時、自分の中の知識や経験をもとに最初は考えると思います。そして頭の中で答えが出て

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          任意売却はゴールではない。本当の解決とは何だろうか。

           「任意売却は、ゴールではない。ここからがスタートだ。この方にとって、任意売却が本当の解決の一歩になるのだろうか」これは物件の引渡しが終わってお客様(物件の売主)と別れる時にいつも思うことです。  任意売却は不動産売買の取引なので、物件の引渡しが終われば基本的に仕事としては終わりです。多くの場合、お客様とそれ以降の関りを持つということはありません。仕事の範囲を考えると致し方無いのですが、無責任さを感じる時もあります。  その無責任さとは、任意売却を機に人生を好転させられる

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          任意売却の実際。孤独死寸前でアルコール依存症のAさんが立ち上がるまで。(下)

           自宅の売却が決まり、お酒の量も徐々に減ってきて、仕事に行ける日も増えて目に力が入ってきたように見えたAさん。  そのAさんが孤独死寸前までになるまでのお話です。  ある年の8月。売りに出していたAさんの自宅の売却契約が決まりました。それから約2か月のうちには引越をして、新しい所有者に家を引き渡すことになりました。  引越先を探すとき、Aさんにとってとても大きな出来事が起こりました。  Aさんは自宅を売却して、近隣で賃貸マンションを探すことになりました。外国からまだ見

          任意売却の実際。孤独死寸前でアルコール依存症のAさんが立ち上がるまで。(下)

          任意売却の実際。孤独死寸前でアルコール依存症のAさんが立ち上がるまで。(中)

           ある夏の蒸し暑い日、Aさんと一緒に目黒区にある裁判所の機関である民事執行センターに行きました。Aさんの自宅の競売資料を閲覧するためです。  競売の申立てをされた物件には、俗に言う「三点セット」と言われる評価資料が作成されます。裁判所から物件の評価を依頼された不動産鑑定士が作成するものです。任意売却を行う際、その資料が重要な意味を持つことがあり、Aさんの場合もそうでした。  競売資料は基本的に競売の当事者(物件の所有者・債務者・債権者等)しか見ることができません。その為、

          任意売却の実際。孤独死寸前でアルコール依存症のAさんが立ち上がるまで。(中)

          「社会」から必要とされなくても「あなた」から必要とされればいい。そう考えた仕事についてのこと。

           営業車の中で1人、運転中に流れてきたラジオ投稿。今年大学を卒業する学生、なかなか就職が決まらないという。社会から必要とされていないのではないかと言っている。  多くの人が一度はそのように思ったことがあるのではないでしょうか。  結論から言うと、私は「社会」から必要とされている存在ではないと思っている。特段の根拠はないけれど、なんとなくそう感じています。そしてそれでいいとも思っています。  私は聖人君子ではないけれど、反社的な人間でもない。妻がいて、里親の猫3匹と暮らし

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          任意売却の実際。孤独死寸前でアルコール依存症のAさんが立ち上がるまで(上)

           「美崎さーん!覚えてる?Aです!一昨日退所しました!今日、寮付きのタクシーに就職決まりました!本当にありがとう!じゃ、お金切れちゃうからー!」ガチャ・・・  一方的にかかってきて、私に何も言わさず、一方的に切れた電話。相手はすぐにわかりました。私が任意売却という仕事をして始めてのお客様、Aさんでした。  電話が切れた後、コンビニに停めた車の中で1人、感慨深さに震えていました。それは、彼が電話してきたその状況が手に取るように分かったからであり、私がやっている任意売却という

          任意売却の実際。孤独死寸前でアルコール依存症のAさんが立ち上がるまで(上)

          任意売却。家計や生活の破綻から日々思うことを綴ります。

           初めまして。「任意売却」というあまり聞き馴染みのないことを専門に仕事をしている美崎と申します。初めて書く記事です。こういったのを書くこと自体が初めてなので、とても伝わりにくい文章かと思いますがご容赦ください。少しづつでも改善していきます。  任意売却とは、何らかの理由で住宅ローンの返済が困難になってしまった方が、住宅ローンを返済するために自宅を売却することです。(もちろん住宅ローン以外に消費者金融や事業資金といった方もいます。ここではイメージしやすい例として住宅ローンとし

          任意売却。家計や生活の破綻から日々思うことを綴ります。