みさき

ものづくりが好きです。 心身共にゆたかに生きたいです🍵🍡🌿

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マガジン

  • わたしの放浪記

    2021年7月〜2022年8月に起こった様々なこと。 人生のターニングポイントでもあり、生涯忘れることのないだろう日々を思い出しながら綴っていきます。

最近の記事

人生というフシギなもの

まさに今、眠れない夜を過ごしている。 眠れなくなったのは、なんのことはない。 いつもの寝る前の空想時間が、いつの間にやら過去の振り返りになっていて、幾年か前の麗しい日々を隅々から思い出してしまったからなのだ。 わたしは社会人になって10年目になるのだけど、新卒で入社した会社を割と早くに辞めてからアルバイトを含めるともう6つも仕事を変えている正真正銘の社会不適合者なのだけど、その全ての日々が今となってはどれひとつとっても美しくかけがえの無いものだった。 ある時は仕事が命とい

    • わたしの放浪記(8) 〜ライオンズゲートの夜の湖で〜

      前回の記事はこちら 彼の提案に無意識に頷いていていて、一緒に外を散歩することになった。 とにかく彼は不思議な人だった。 何か喋り足りないと思っているような雰囲気でぐいぐいと距離をつめてくるものの、異性に対する下心のようなものは微塵も感じないのだ。 こちらを見る目が空っぽというか、わたしを通り越したもっと奥を見ているような感じがした。 私もまだ彼に話さなけれなならないような気がした。 共有キッチンの勝手口から外に出た。 8月8日、真夏の新月の夜に出会ったばかりの見ず知ら

      • わたしの放浪記(7) 〜語り明かす夜〜

        前回の記事はこちら お腹も気持ちも満たされて、店内を出た瞬間声をかけられて、あまりに不意打ちだったものでぺこりと頭を下げることしか出来なかった。 お店を出たところで店内にいる3人を見つめる形になった。 髭の男性が「何泊するんですかー?」と聞いてきた。ずいぶん前から友達だったみたいな聞き方だった。 聞かれるがままに「あと一泊します!」と反射的に答えた。 「そうなんですね〜」「では、また!」そんなやり取りでカレー屋さんを去った。 たまたま同じ時間にこの隣町のカレー屋さんに

        • わたしの放浪記(6) 〜鉢合わせ〜

          前回の記事はこちら 翌朝、カフェラウンジで朝食をとろうと下に降りると、昨晩私が座っていたカウンター席に40〜50代くらいの女性が腰掛けている。 長い髪が綺麗で、ふわっとした白い肌が印象的な人だった。 カウンター越しのスタッフと話しながらも女性の手先は一定のリズムで動かしながら毛糸を器用に編み進めている。 空き時間に編み物をしている人が自然に馴染んでいる光景は、ものづくりが好きな私にとっては嬉しいものだった。 私は窓際の2人がけのテーブルに座って料理を待っている間、編み

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        • わたしの放浪記
          9本

        記事

          わたしの放浪記(5) 〜旅の夜〜

          前回の記事はこちら 目的の本屋さんへの再チャレンジを誓いながら、一旦宿の方に歩き出した。 16時を過ぎていただろうか、今日のところはもうゆっくりと過ごそうと思い、宿に戻って荷物を入れ替えてお風呂に入ることにした。 受付時にもらっていた町案内の紙に歩いて行ける距離に銭湯があったので、そこに向かった。 公民館が銭湯になった感じの素朴なところで、懐かしい安心がのあるところだった。 番台の人にお金を払って廊下を進むと向かって左手に女湯と男湯の暖簾が並んでいる。 暖簾をくぐると、お

          わたしの放浪記(5) 〜旅の夜〜

          わたしの放浪記(4) 〜始まり〜

          前回の記事はこちら 前回の旅から2週間後、8月7日当日の朝を迎えた。 前日から楽しみで寝られないほど今回の旅を特別なものだと捉えていた。 わたしは髪を整えながら、気づいたら脳裏に流れてきた歌を口ずさんでいた。 それは小学生の時に音楽の授業で習った宝島という曲だった。 この曲、当時家でも口ずさんでいたほどお気に入りの曲だったけど、もう随分と思い出すこともなくなっていた。 しかし十数年たった今になって突然口ずさんでいた、確かに今の私たちピッタリな曲だと思った。 わざわざ

          わたしの放浪記(4) 〜始まり〜

          わたしの放浪記(0) 〜葛藤する日々〜

          旅立つことになったきっかが実はたくさんあったので、そのあたりを知ってもらうことで理解が深くなるかなぁと書いてみた次第です。 旅立つまでの葛藤をもう少し補足せにゃわかりにくいかも…と不安になりまして、当時のわたしの葛藤状態をエピソードゼロとして書いていきます。 もともと、内気な性格で自分を外に打ち出すことが苦手なタイプだったけど、その分頭の中の声がやまないほど色んなことを考えていたように思う。 何を仕事にしたいかで散々悩んだ経験もあるし、分析したり考えたりするのが好きな自

          わたしの放浪記(0) 〜葛藤する日々〜

          わたしの放浪記(3) 〜次の旅へ〜

          前回の記事はこちら 翌朝、縁側から差し込むやわからい光を浴びて目を覚ました。 念願の”縁側のある部屋で目覚めたい”という目的を達成できた。 だけど、特にだからってなんのことはなかった。 むしろ朝だからか妙に冷めていた。 目的を果たした私は淡々と今日の過ごし方を頭の中で組み立てる。 この日は前職が一緒だった後輩が東京から帰って来るタイミングで、そのついでに旅の最中の私に会いにきてくれるという。 結局2日間ともひとり旅らしい過ごし方をしていないという…笑 部屋を出て、ゲス

          わたしの放浪記(3) 〜次の旅へ〜

          わたしの放浪記(2) 〜諦めの境地〜

          前回の記事はこちら 当日の朝、ひとり旅と言いながらも家から母と一緒に出かけた。 休日によく2人でぷらぷらするその延長で初日の夕方までは母と一緒に過ごすことになった。 ふたりでたまに遊びに来る街だったのでいつものように商店街をみて歩き、昼食を食べて夕方まであっという間に時間が過ぎた。 母と別れ今日の宿に向かった。 駅から10分程大きな道路沿いを歩くと趣のある日本家屋が見えてきた。 わたしが昔から憧れている平屋で、今回の旅の目的の場所だ。 ガラガラガラと引き戸を開けると、玄

          わたしの放浪記(2) 〜諦めの境地〜

          わたしの放浪記(1)

          これから2021年7月〜2022年8月までの1年間の放浪旅を思い出しながら書いていきます。 全て実際にあったことですが、少し時間が経っているので時系列が曖昧な部分もあります。 今でも本当に起こったことなのか分からなくなるくらい、不思議な出来事が多くて忘れられない日々です。 私はたくさんもらったのにどこにも還元していない気がして、せっかくの楽しい日々だったので誰かにそれをお裾分け出来たら嬉しいなと思って書くことにしました。 何より頭の中でばかり完結している自分に嫌気がさ

          わたしの放浪記(1)

          30歳の誕生日にホールケーキをひとりで食べた。

          2022/05/02当時の記事です ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2〜3年前から密かに楽しみにしていた30歳をやっと迎えた。 私のことを誰も知らないこの街で、30歳の誕生日にホールケーキをひとりで食べる人生になるなんて誰が想像できただろう。 みんなは30歳の誕生日をどんな風に迎えるんだろう、そんなことを思いながらスプーンで突きながら食べたショートケーキは美味しかったし、この状況もおいしくなるなぁ…と思ってしまった

          30歳の誕生日にホールケーキをひとりで食べた。

          ちょっと寂しい隔離正月

          ついにコロナに罹りまして、実家の部屋で隔離されたお正月を迎えようとしています。 喉に口内炎の出来物が30個近くあるような(気がする)遠慮のカケラもないような酷い疾患ですね。 口呼吸で寝た翌朝のことを思うと恐ろしすぎて、鼻だけは通っとくれと願えば願うほど、スースーと通りが良かった右の鼻までグジュグジュいいだし、今や両鼻とも鼻水の隙間から酸素を吸えるか吸えないかといった有様となったのです。 作為あるものはすべて失敗するよと、年明けて早々に教えられたような気がします。 寝る

          ちょっと寂しい隔離正月

          2022/12/13 ぜんぶ詰まってる秘密基地にて

          「旅に出るので当面の間教室を休みます」と大好きな場所を飛び出してから早くも1年。 無事戻りましたという報告と、また習わせほしいというお願いをしに敬愛する先生のいる陶芸教室へ。 以前記事にて少し紹介してました、ここです。 教室の近く以前空き地だった場所には小綺麗なマンションが建っていた。 その角を曲がると、すぐに私の愛する場所が見えて来た。 道に沿うようにある細長い小さなトタン屋根の工房。 本当に教室をやってるのだろうか?と思うほどひっそりと佇んでいる姿は以前と何も変わ

          2022/12/13 ぜんぶ詰まってる秘密基地にて

          もうすぐあの人の誕生日

          去年、化け物みたいな人に出会った。 Nさんだ。 例えば、ある程度話を適当に聞くことは処世術のように日々をこなす為に自然とやってしまうことだと思う。 うんうん はいはい なるほど へぇ〜 こんな相槌を使いながら、無意識に言葉を流していく。 ふと、あれ?今なんて言ってたっけ?と思っても、まぁいいかもう言葉は遠くに流れてったしなぁって諦める。 本当はそこまで共感できてなくても、あぁわかるって口が先に発声をしていたり、そういうことは日常的にある。 別にいいんだ、わかってなく

          もうすぐあの人の誕生日

          12/12 思考の整理

          文章にして綴ると、どうもロマンチックになるような気がする。 これまではあえてロマンチックに仕立て上げていたように思う。 自分の考えが儚く美しい響きを纏っていくのが快感だったのかもしれない。 でも今、まさに書きながら変に脚色しないように留めているような感覚がある。 この1年で、人は酔いたい生き物なんだと痛感させられた。 それはそれで悪くなくて、そんな風にロマンチックに脚色していく人生も素敵だと思う。 私もそのひとりで、ドラマを生きたかったし、無意識に脚色しちゃうくらいに

          12/12 思考の整理

          痛く怖しい自己表現を諦めない

          言葉にすることを快感に思っていた時期がある。 ある概念を言葉にすることで、自分の中にえんえんとひろがるモヤモヤした霧を捕まえられた気がした。 これからこんな風にして、少しずつ霧を捕まえてはカタチにしていけるのかもしれないと安心した。 言葉が色んなものを切り分けて生きやすくしてくれると思った。 向こうの景色までクリアに見える日が来るような気がした。 だけどその幸せな感覚は長く続かなかった。 言葉にしていくほどに大事なものがぬるりと指の間から抜け落ちているような心許なさが

          痛く怖しい自己表現を諦めない