どうも気になる落語の世界
最近、落語が気になっている。
初めて出会った「落語好き」は、大学のゼミの教授だった。
その先生はいくつくらいだったんだろう?
思い返せばおそらく45歳前後、飄々とした、雲を掴むような佇まいで、教授らしからぬひねた風貌で、意外にもバーバリーのジャケットを愛用する紳士だった。
ゼミ合宿で先生の車に同乗させてもらった時、カーステレオからずっと落語が流れていて、そこで初めて落語好きと知った。
穏やかな語り口調、たまに繰り出される切れ味の鋭い質問、都会的だけど冷たくもない独特の雰囲気は他の教授と一線を画していて、とても好きな先生だった。
専門の芥川の講義では、作品から作家のメンタルの行き詰まりを読み取り、「どうしてこうなってしまったのか…」と無念さを滲ませていた。
先生の作家に対する愛のようなものを感じ、感慨深く思ったのをよく覚えている。
今となってはフルネームすらうろ覚えだけど、先生がいなかったら卒論は書けなかった。
そんな先生といえば、落語。
私の落語への興味は、おそらくここがベースだろう。
その後も落語好きと自称する人には度々出会った。
どの人も、話が印象に残る人ばかりだった。
どこがどうとは言えないのだけど、視野の広さのようなものを感じることが多い気がする。
端的に言えば「頭がいい」のだ。
音声メディアに弱かった私だが、最近Podcastを聴き始めた。
Twitter経由でたどり着いたいんよう!がお気に入りだ。
いんよう!自体もかなり面白いのだが、月一ゲストで出演するサンキュータツオさんがとても良い。
タツオさんは漫才師で国語学者、渋谷らくごの番組編成までしてるというハイブリッドな人なのだが、ここでまた落語である。
そういえば米津玄師も落語をテーマにした曲をリリースしてたっけ。
好きな芸人は伊集院光だし、気になる尖った人たちはこぞって落語がキーワードで引っかかる。
そろそろ私も落語デビューする頃合いかもしれない。