2021年個展振り返り vol.2
私が撮り続けている水族館作品での個展「みずあかり」が、2021年の写真展のなかでも一番大掛かりなものでした。
当初は2021年6月1日(火)〜7日(月)の会期を予定して、展示準備と同時発行の写真集の準備をしていたのですが、5月末が期限となっていた緊急事態宣言が延長しそうな気配があり、お客様の安全と感染拡大防止の観点から、会期の1週間前に、2021年9月17日(金)〜23日(木)への延期を決定しました。
会場にいらしていただいた方はおわかりになると思いますが、今回の展示は額に入れて壁に貼るという展示方法ではなく、横長や縦長の写真を吊るしたり、円柱のアクリルのなかに作品を入れたりと、体感型の写真展を目指していたため、約3ヶ月間作品を寝かしておく場所にはとても苦労しました。
空調完備のトランクルームを借りて、作品が落ちてクシャッとなっていないか(長い作品はくるくる丸めておくと癖が付く可能性があったので、横にそっと寝かせておいた)をちょこちょこ確認に行ったりと、個展開催前の話はつきません…。
今回の「みずあかり」は、2020年にオープンした新宿北村写真機店の、片面がガラス張りという珍しい構造のギャラリーを見たときに、写真展の構想が頭に浮かびました。
同年に出会ったピュアWプリントは、両面印刷でどちらから見てもきれいな発色をする新感覚のプリントで、これで個展をやりたい!とテストプリントを手にした瞬間に思いました。
が、その矢先にコロナが爆発的に流行して、個展どころか仕事すらままならなくなってしまいました。
そこから1年、魚の体の柔らかさをもっと表現する方法を探りながら、たどり着いたオールドレンズでの撮影方法で作品を撮り、具体的に個展の企画に着手しました。
今までは、企画展以外はすべて自分で展示方法やプリントを構成していたのですが、今回はアートディレクターに入ってもらって、主観ではなく客観視点で構成してもらいたいと思いました。
展示作品も、セレクトを自分がすると「撮ったときの思い」とか、「撮影機材の偏り」とかを、いやらしくも気にしてしまう可能性がある。
せっかくチャレンジ的な空間にするのだから、そこに作者の思いとかを持ち込みたくない。
見る人が楽しければ、撮った人の気持ちなんて会場にはいらない。
そんな訳で、とにかく口を出さず、自分の展示なんだからもっと意見言えよって思われそうなくらい(あ、本当に思われていたら悲しいなw)、すべてを委ねてみました。
結果、私では思いつかないような展示方法を提案してもらえて、なんとなく思い描いていただけの体感型展示を、実行可能な形にできました。
会期中は、場所柄様々な年代の方にふらっと訪れていただいたのにプラスして、今までで稀に見る平均年齢の低さでした。
会場内の写真撮影は接写以外はOKにしていたのですが、作品を背景としてポーズを付けてお互いに撮りあったり、「撮影していいですか?」って聞かれたのでスマホでも出すのかと思ったら、使い捨てフィルムカメラで撮影しだしたりと、写真に関わる人間として頭を固くしたくないなと思えるような、新鮮な体験もできたり。
展示作品はすべて販売対象としまして、大きな金魚の作品や、自宅で展示できるサイズの作品数点は、会期中にご購入いただきました。
ピュアWプリントは太陽光で退色しないので、ご自宅に飾っていただくのにオススメしやすいんですよね。
アクリルの大きな円柱の作品は、素敵だけど家に飾ったら寝る場所がなくなる!という声を沢山いただきましたw
トランクルームに寝せておくのももったいないので、大きなご自宅の方や、オフィス、お店に飾りたいなどのご要望がございましたら、ぜひご連絡くださいませ。
Instagramのアカウントをお持ちの方は、リールでもご覧いただけます。
著作権の都合でYouTube版と使用楽曲が違いますが、Instagramのリールで使用している楽曲は、会場内でもBGMとして流していました。
いただいたサポートは作品制作に使わせていただき、カタチにしてお返しいたします!