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きっと一生捨てられないもの
書籍「人生がときめく片づけの魔法」の中で、「思い出品から手をつけると必ず失敗する」と書かれている。
なかなかモノを捨てられなかった私は、当時めちゃくちゃ売れていたこの本を手に入れ、かたっぱしから真似をして断捨離をした。それはもう気持ちが良くて、これからは心がときめくものだけを手に入れていこうと思えることができた。いまだにこの本のおかげで気持ちの良い断捨離ができている。
ただ、「思い出の品」の片付けを一番最後にしても、どうしても捨てることができないモノがある。それが特に旅先での思い出の品と、過去の手紙たち。
旅先での思い出の品は、海外で見つけたかわいいショップカードや電車のチケット、パンフレットが多い。手紙は、友達や先輩後輩からもらった手紙で、掃除のたびに読み返してしまう。
全て手に取ってみて、ときめくモノだけを残しておけばいいと著者の近藤さんは言う。掃除のたびに手に取るけれど、結局ときめくのでこの2種類はこれからもきっと捨てられないのだと思う。
特に、絶対に捨てたくないのが亡くなった祖母からの手紙。社会人一年目の時に亡くなったのだけれど、実家に帰った時に困ったら使いなさいと、お小遣いと一緒に同封してくれていた手紙の数々。
一番最後に受け取ることになったのが、大学の卒業式後だった。社会人となる私に向けて達筆な文字でメッセージが綴られていた。
いよいよ社会人としてのスタート。今まで以上のきびしい現実が待っていると思うけど、「自分に負けないで」。一番大切なのは人と人とのかかわりです。どんなに小さな仕事でも「必要とされる人」になるよう、前向きに受け止め、やさしさを失わないように、精進し続けてほしいと思います。(一部抜粋)
何度読んでも、涙があふれてくる。それは、亡き祖母への想いと、祖母が願った姿に自分はなれているのかという悔しさ、この二つの気持ちが入り混じっている。
人生の道標のような、忘れちゃダメなことを思い出させてくれる大切な手紙。何度断捨離を繰り返そうとも、この手紙だけは絶対に、そして一生捨てることはできない。
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