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ワヤンの楽しみ(1)
「なんでワヤンが好きなの?」
と聞かれることがあるけれど、実際ひとことで答えるのってなかなか難しいなと思っている。ワヤンの上演そのものやガムランが好きというのはもちろんのこと、そのほかのワヤンにまつわるいろいろも含めて、わたしはワヤンが好きだから。なので、いくつかに分けてわたしのワヤンの好きなところを紹介したいと思う。
これを書こうと思ったのは、立て続けに遠くにワヤンを観に行ったから。わたしはまず、特に遠くにワヤンを観に行くのが大好きだなあと実感したので、これを書きたくなった。近くても嬉しいのだけれど(楽だし)、なぜ遠くがよりよいかというと、道中の変わりゆく景色を見るのが好きだからだ。そして、これからワヤンに行くということがわたしをわくわくさせるからだ。遠ければ遠いほど、なんだかわくわくしてしまう。
遠いと少し早めに出ることになるので、日が暮れていくのを眺めることができる。高速道路に乗ったりもするので、いつもとちょっと違った爽快感みたいなものを味わうこともできる。(でもちょっと酔ったりもするんだけどね。)
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この前、車でちょっとうとうとしてしまって、ふと目が覚めたらすごい山の中に来ていて驚いたことがあった。しかも道がどんどん狭くなっていくので、本当にこの辺にワヤン会場があるのかしらと不安になったりした。そしたら田んぼの真ん中にちゃんと会場があって、すごいところに来てしまったなと思ったのだった。
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バイクで長距離は大変なので、2回だけ友人が連れて行ってくれたことがある。最近とある場所に1時間くらいかけてワヤンを観に行った時も楽しかった。わたしはソロのわりかし街中に住んでいるけれど、ソロをどんどん東の方に向かって走っていって、景色がだんだん田舎になっていくのとか、たまらなく好きだ。夜になって、向こうの山のふもとに見える別の街がきらきらしているのも心からきれいだと思う。
ワヤン会場への道のりの景色は、わたしを冒険をしているような感覚にさせてくれる。
わたしはたいていワヤンを最後まで観て帰ってくるので、帰るのが明け方になったりもする。ワヤン会場への道中の楽しみは行きだけにはとどまらない。遠いところだと、きれいな朝焼けが見られる。ちょっと疲れた体に沁みる、これまたすごく好きな瞬間だ。
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これは近くの場合の話だけれど、帰りにバイクの後ろに乗せてもらって、明け方の風に吹かれるのも、実はこっそり楽しみにしている。これがなかなか心地よいのだ。(あんまり遠いと明け方は冷えてしまうので注意が必要なのだけれど。)
前回留学していたときは、グンデルの師匠が帰りによくバイクで送ってくださっていた。その道中、
「今日のワヤンはどうだった?よかったでしょう?」
と師匠がバイクを運転しながら、満足そうにしているその背中を見るのが、とても好きだった。
遠くの場合も、誰かと車で一緒に行くことが多いから、ワヤン談義に花が咲くことも多い。
ワヤンの帰り道も、たまらなく愛しい時間だ。