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【連載エッセイ】悪妻のススメ(第4話:お試し同棲 ②)

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4月下旬、10連休のゴールデンウイークが訪れた。
いよいよお試し同棲の始まりだ。

1日目、2日目、まだ序盤は大丈夫だった。
3日目、4日目、まぁ、何とか過ごせた。

5日目を過ぎたくらいから、そろそろ一人になりたい病が出る気がして不安がよぎる。

6日目、7日目、ストレスで逃げ出したくなるのではないかと気が気でない。

8日目、9日目、ここまで1週間以上、妻と過ごせたことに自信が出てきた。

そして何とかゴールデンウィークの10日間を乗り切ったときは、まるでフルマラソンを走り切ったような達成感があった。

やればできるものだ・・・

そう思ったものの、人はそんなに簡単に変われるものではない。

連休が明けて自宅に帰ると、やっぱり住み慣れた家はすこぶる落ち着く。

妻の家にいる間は気が張っていたのか、疲れがどっと出て、しばらく放心状態になった。


その後は完全な同棲を目指しつつ、妻の家と自宅を行ったり来たりしていた。

できる限りは、妻の家で過ごすようにしたが、やはり落ち着かない環境での生活が長く続くと、心のバランスを崩しそうになる。

少しずつ慣れていくしかない・・・

そんな私の内なる葛藤など汲み取ることもなく、私が自宅に帰ろうとする妻はこう言い放つ。

妻「何でいちいち帰るの!?

私「いや、まだ色々と自宅に荷物とかあるし・・・

妻「じゃあ、さっさと荷物をまとめて来ちゃえばいいじゃん!

まぁ、確かに妻の言う通りなのだが、人と住むのが苦手という性分は、昨日今日ついたものではない。頭では分かっていても、心と身体がついていかない。

一方で妻は、私が何を言っているのか理解できないと頭を傾げていた。


そんなある日、福井県に住む妻の両親が東京に遊びに来ることになった。

いつも東京に来るときは、妻の家に宿泊するという。

当然、私たちが 結婚できるかどうか確かめるために、お試しで一緒に住んでみてるなんてことを妻の両親は知らない。

どうしよう・・・隠すのも何だか後ろめたい。

私は妻の両親が東京に来たときに会って、正直に話してみようと思った。

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