ひでさん
うちの悪妻に紹介したい素敵なnoterさん達と、いつか家族でお茶会でもできたらいいなと思っています。
進学、就職、転職、結婚、出産など、人生には転機となる節目がある。 中でもその後の人生を共に歩む妻が男に与える影響は大きい。 結婚して目に見えて飛躍する人もいれば、まるで何かに取り憑かれたように見る見る失墜してしまう人もいる。 一体その違いは何だろうか? 夫を出世させる妻は、俗に「あげまん」と言われ、それはまるで幻の生き物のようだが、世の中には確かに存在する。 例えば、プロ野球の元楽天イーグルス監督として活躍した野村克也さんの妻、サッチーこと野村沙知代さんは、見事なあげ
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第13話:専業主婦とは 】 妻と同棲を始めてから赤字生活が続いていた上に、高価な婚約指輪を購入し出費が止まらなかったが、結婚までの道のりには、まだ大きな出費を伴うイベントが控えていた。 結婚式だ。 すでに幾つかのウェディングフェアに足を運んでいたものの、そもそも結婚式や披露宴に積極的でなかった私は、あらためて妻に問い掛けた。 私「本当に結婚式やる?」 妻「やる!」 即答だった。。 私はこの歳に
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第12話:義父の乱 】 街がクリスマスムードで彩り始めた12月、私たちは調子を崩した。 ただ目まぐるしく忙しかっただけでなく、やはりお互い結婚生活に向かう漠然とした不安からストレスがあったのだろう。 これがいわゆる マリッジブルー というやつなのかもしれない。 妻「婚前契約を結びたいと思ってるの。契約書は準備しておくからね。」 妻はさも当たり前のことのように言った。 私「え!?婚前契約?」
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第11話:婚約指輪 】 私「僕と結婚してください!」 プレプロポーズしたとき以来、2度目の婚約指輪ケース「ぱっか~ん」をして、妻が指定した夜景の綺麗なレストランで、妻が望む言葉で プロポーズ をした。 実に予定調和なプロポーズだったが、妻がそれを望んでいるのだから良いのだろう。 こうして私たちは 婚約者 になった。 次のステップは親への挨拶だ。 現実的に考えると、結婚するためには、あらためて妻の
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第10話:プレプロポーズ 】 妻と同棲して以来、頻繁に頭の中で鳴り響いていたメロディーがあった。 よ~く考えよぉ~♪ お金は大事だよぉ~♪ 保険会社のCMの楽曲だ。 毎月口座残高が減り続けている状況に「結婚には、お金だよ~♪」と、私の思いを代弁してくれていた。 妻曰く、私に気を使い日々できるだけ我慢して買い物をしていると言うのだが、妻が気を使っている生活が、当時の私からしたら どう考えても贅沢な
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第9話:所得倍増計画】 この時期、私の収入を増やすために、妻は私に発破を掛け続けると同時に、もう一つ要求をしていた。 プロポーズである。 一般的に女性は、男性からプロポーズされるのを待つことが多いのではないだろうか。 もうお分かりだと思うが、一般的 という言葉が当てはまらない妻は、私のプロポーズを大人しく待っていられるはずがなかった。 同棲を始めて3ヶ月経った頃から 妻「そろそろかな・・・」
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第8話:金銭感覚 】 私「いやいやいやいや・・・僕はサラリーマンなんだから、そんなすぐに給料は上がるもんじゃないよ。」 妻「じゃあ、どうするの??」 私「転職すれば、少しはお給料が上がるかも知れないけど、今の会社の仕事は楽しいし・・・」 妻「・・・」 私「僕のまわりも共働きの夫婦が多いし、「専業主婦」は諦めて共働きしかないでしょ。」 私は、至極まっ当な話をしたと思ったのだが、妻の捉え方は違って
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第7話:悪妻の手口 】 生活習慣の違いは、お互いの 妥協 と 歩み寄り で落としどころが見つかるものだが、金銭感覚の違い は一筋縄にはいかなかった。 私たちは、お互い30代に入ってからマンションを購入していた。 それぞれまだ住宅ローンは残っている。 私たちは妻の家で同棲することになったが、私の自宅はそのままになっているので、住宅ローンの返済と電光熱費や通信費などの固定費の支出は続いている。 その上
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第6話:戦いの始まり 】 今、あの時の「ゼクシィ事件」や「ウェディングフェア事件」を振り返ると、 妻「私、どうしてあんなこと言ったんだろうね~。同棲して2ヶ月で結婚の話は早過ぎだよね~。」 なんて言って笑う。 しかし当時の妻は、おかしいほど真剣だったし、私からするといつ何を言い出すか分からない 宇宙人 のようだった。 そして、これらの出来事も妻の解釈では、 「彼がゼクシィを買ってきて、彼がウェ
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第5話:同棲】 いよいよ本格的に同棲を始めた。 それが戦いの始まりでもあった。 お互い30代半ば過ぎまで自由気ままに生きてきた者同士だ。 そう簡単にいくはずがなかった。 生活習慣、金銭感覚、物事の捉え方など、すぐにあらゆる価値観の違いが浮き彫りになった。 例えば、妻は髪を乾かした後、ドライヤーのコードを一切まとめない。 妻「どうせまた使うから~」 フックに吊るされたドライヤーから一直線にコード
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第4話:お試し同棲 ② 】 私「俺、ご両親が東京に来たとき挨拶しに行くよ。」 お付き合いする目的が結婚であるならば、あれこれ考えてしまう前に、一緒に住み始めてしまうのが得策ではないか。 それが婚活歴5年の長い迷走を経て辿り着いた私の結論だった。 しかし、それをそのまま言葉にすると、 「娘さんと結婚するかわかりませんが、試しに一緒に住んでみようと考えています。」 そんなご両親からすると眉をひそめる
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第3話:お試し同棲 ①】 4月下旬、10連休のゴールデンウイークが訪れた。 いよいよお試し同棲の始まりだ。 1日目、2日目、まだ序盤は大丈夫だった。 3日目、4日目、まぁ、何とか過ごせた。 5日目を過ぎたくらいから、そろそろ一人になりたい病が出る気がして不安がよぎる。 6日目、7日目、ストレスで逃げ出したくなるのではないかと気が気でない。 8日目、9日目、ここまで1週間以上、妻と過ごせたことに自
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第2話:お付き合い】 次の週末、今度は私が妻の家を訪問した。 4月上旬の桜が咲き乱れる季節だった。 妻の家の近くの地下鉄の駅を地上にあがったところで待ち合わせした。 私が到着すると、妻は目の前のコンビニの中にいて、外から手を振るとすぐに気づいて外に出てきた。 私「こんにちわ!」 妻「こんにちわ。ウチこっちです。」 満開の桜が咲き乱れる絶景の通りを横目に もうすぐ春だなぁ〜 なんて呑気に考え
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → 第1話:出逢い 】 2回目のデートは、東銀座にある予約の取りにくい人気の鯛めし店だった。 デートのときは約束の30分前には待ち合わせ場所に行き、お店までの道順を歩いて確認する。 またそこから次に立ち寄るカフェまでの道順も歩いて確認する。 初めて訪れる場所でも迷うことなくスマートに振る舞えるように、婚活を通して身に付けた所作だった。 日曜日の午後12時半の待ち合わせに、妻はやはり少し遅れてきた。
【 最初から読む → プロローグ ① 】 【 前のエピソードを読む → プロローグ ② 】 何を隠そう妻との出逢いは「マッチングアプリ」である。 結婚なんて男にとっては何のメリットもない。 そう考えていた私は、20代の頃は結婚を考えたことなど一度もなかった。 だから結婚して家庭を築いていく周りの友人や知人たちを横目に、私は30才を過ぎても悠々自適な独身生活を送っていた。 しかし、30代の半ばを過ぎると独身生活にも飽きてきて、家族のいる生活ってどんな感じなのだろう?と
【 最初から読む → プロローグ ① 】 仕事だけではない。 妻と出会って私生活も大きく変化した。 以前までの私は、もう何年も運転していないペーパードライバーだった。 そんな私に車で遠出したい妻は、何の根拠もなくこう言い放つ。 「あなたなら出来る」 カーシェアを契約して、久し振りにハンドルを握り恐る恐る運転する私。 そんな運転に怖がりもせず、平気な顔して助手席に座る妻。 「もっとゆっくり走って!」 「次の交差点で右ねー!」 「もうすぐ信号赤だよ!」 偉そうに指示す