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”すでにある”ものを味わい、生活を豊かにする

4月に5日間、5月に1週間、茨城の大洗という場所で過ごしていた。ここでの滞在が心地よすぎたので、今回は大洗で感じた私の感情と向き合うこととする。

海も山も神社もある、大洗という小さな街

 大洗マリンタワーから眺めた街並み

東海地方に住んでいた私は、東京より北の関東、東北になじみが薄い。栃木と群馬と茨城がなんとなくどこがどこだか分からなくて、親しみもなじみも街に関する知識も全然なかった。

だから、茨城に来て驚いた。山のイメージだったのにどこまでも広がる海岸沿い、太陽の光が当たりキラキラに輝く海、海を守るように立つ大洗磯前神社の鳥居、一面田んぼの水が張られた場所に沈む夕日、丘の上に咲くネモフィラ、おいしい海鮮やパン屋さん。

豊かな海がどこまでも続く

10日間ほど滞在して、特別なにをしたというわけではないけれど、歩き回ったり自転車で少し遠出をしてみたりしてこうやって言葉で並べてみると、すごく豊かな場所だったんだなあ、と思う。

毎日夕日のきれいさに圧倒されていた

私がとくに感動したのが、夕日だった。朝日は海から昇るのでとても綺麗らしい(早起きできず一度も見られなかった)けれど、夕日も格別。街全体がオレンジに包まれて、街灯や車のライトが少しずつ灯されて、じっとりと闇が迫ってきている、あの時間帯。

田んぼを赤く染めていく、夕焼け

そして、田んぼの真ん中に沈む。沈んだ後の、この上も下もすべてオレンジの世界に変わっていった景色が忘れられない。こんな風に夕日の変化をじっと見ていられるこの生活の豊かさを感じながら、今日もいい日だったなあ、と1日を終える、この時間がとても好きだったりする。

すでにあるものを味わう

私自身、人口3万人の地方の小さな田舎町で生まれ育った中で、「電車は全然来ない、大通りのチェーン店が連なる景色が汚い、世界が狭い、不便、同世代とすぐ比較される」などの「ああもう嫌だなあ」と思ってしまうことをたくさん体験している。

だから私は少なくとも都会の人が想像する(であろう)「地方最高!田舎暮らしは生活が豊かになれる!」と100%は思えない。不便なこともあるし都会に比べて諦めないといけないこともあったし息苦しいなあと思うこともあったし。

でも、これって結局は「ものの見方」の問題なんだなあ、と思う。

こんな何気ない景色にも心を奪われる

今回大洗に滞在してこんなにも気持ちが豊かになれたのは、間違いなく「すでにあるものを味わう」ことをしていたから。ないものに目を向けるのではなくて、すでにそこにあるものをじっくりと味わってみたからだと思う。

ずっと私は、私が生まれ育った街を都会と比べて「あれもないこれもない」とないものばかりを探して「ああ嫌だなあ」と考えてしまっていた気がする。とはいえ、地方がすべて東京になれるわけがないし、なってほしくもない。「ないこと」は、もう決定的にしょうがないのだ。

一方で不思議と大洗では、ないもの探しをしなかった。海とか夕日とか商店街とか「そこにすでにあるものの」のなかから美しさを感じたり「いいなあ」と感じるものに出会ったりしていたのだと思う。

たしかに、ないものもたくさんあるのだとは思う。けれど、ないものに嘆くのではなくて、すでにあるものを味わうことで生活を豊かにできるんだなあ、と本当に身にしみて感じた。

ひたすらに海と空のきれいさを受け止めていた

すでにあるものをしっかりと見て、受け取って、存分に味わうことで、より豊かに日々を感じられる。そんなことを大洗で体験したような気がする。

ものの見方は、そのときの私自身の気持ちの持ちようで変わってくると思う。すっごくネガティブな感情を身に纏ってるときには、きっと良いものも良いとは思えないだろう。逆に前向きな気持ちでいるときには、きっと多少マイナスなものでも見逃せてしまうかもしれない。

見方を変えれば豊かさは”すでにある”んだ

だからこそ、どんな状態であったとしても、まずは「すでにあるもの」に目を向けてみる。「すでにあるもの」から何かを感じ取ってみる。ないもの探しはとりあえず後回し。

そんな心持ちでいろんな街へ移動して、いろんな街の良さを見つけていきたいなあ、と思う。ほかの街や都会と比べる必要なんか、まったくないんだよなぁ。

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