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ひかりこ日記102 歌ってはいけない(ぱー4歳)
ぱーは、寝る前に、ママに歌を歌ってもらう。
決まった歌ばかり歌うことに飽きたママは、ふと「日本昔ばなし」のエンディングテーマ「にんげんていいな」を歌ってみた。
みんなでなかよく
ぽちゃぽちゃおふろ〜
と、突然、
「ままぁー」
ぱーが、大声をあげて泣き出した。
「どうしたん??」
ぱーは、答えずに泣いている。
しばらくトントンして、落ち着いたところで聞いてみると、
「かなしい」
「何が、悲しいの?」
「おふろがかなしい」
「なんで?? お風呂いやなん?」
よくよく聞いてみると、歌のムードに郷愁を誘われて、悲しくなったということのようだった。
「ママ、もう、このおうた、うたわんといて」
ぱーは、強い口調で訴えた。
しばらくして……
夕食の準備をしているママの後ろで、ぱーは、1人で歌を歌っていた。
いいなぁいいーなぁー
にーんげんていいーなぁー
不意に、
「ままぁー」
ぱーが、大声をあげて泣き出した。
「なに??どうしたん??」
怪我でもしたのかと、慌ててたが、そうでもない様子。
よくよく、記憶を辿ると…
「ぱーちゃん、悲しくなるお歌、歌ってなかった?」
泣きながら頷く、ぱー。
「それで悲しくなっちゃったん?」
もう一度、頷いた。
それは、歌ったら、あかんやろ……