![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156536278/rectangle_large_type_2_2b5171c6840f6b42582cea1dc0cde234.png?width=1200)
ルイボスティーだって(笑)
「美咲さん、何飲んでるんですか?」
会社の昼休み。
お弁当をむしゃむしゃ食べ、飲み物を飲んでいると後輩から聞かれた。
「ルイボスティーだよ」
すると、少し離れた席からクスクス笑いが聞こえてきた。
「ルイボスティーだってwww」
若い女性社員二人。
声色が嘲笑の響きを持っていた。
そう。私はブスなのだ。
その一言は、160km/hストレートで心臓に届いた。
そしてグシャリと凹んだ。
「へぇ〜。ルイボスティーですか」
後輩が何やら喋っているが、クスクス笑いに気を取られ、会話が全く頭に入ってこない。
私は悲しくなった。
自分が笑われていると知り、恥ずかしかった。
ブスがルイボスティーを飲んで悪いのか。
そうしてお昼休みが終わった。
私の心は潰れた空き缶のようになっていた。
ルイボスティーの件があった今、私は未だに恐怖している。
いつまた誰かに傷つけられるのだろうかと。
私は人とすれ違う時、いつも緊張する。
先日も道を歩いている時、追越しざまに男性から顔を見られた。
全く嫌になる。
あぁ、美人に生まれてきたかった。
ありのまま、まるっと愛される人になりたかった。
せめてポジティブな人間であったならよかった。
そうしたらこんなことで悩みやしないだろうに。
そんなタラレバが頭の中で延々とぐるぐる流れる。
でも、現実はそうはいかない。
私は考え、ある一つの結論に至った。
外見に拘ることってある意味期待なのかも。
自分からも他人からも期待されてるんだ。
だから理想通りでないとガッカリする。
苦しんでしまう。
せめて自分に期待することを辞めたい。
ものすごく難しいけど。
私は努力することも、割り切ることも出来ないから、自分の思いを文章にすることにした。
自分に言い聞かせるために。
でもやっぱり受け入れられない。
そもそも言葉で感情を納得させることなんて土台無理な話なんだ。
それでも私は毎日コンプレックスと対峙する。
辛いけど。
時々、コンプレックスを忘れられる日もある。
勝てる日も、たま〜にある。
私は現実を受け入れる方を選んだ。
だから今日も自分と闘って、ルイボスティーを飲む。