「人間」:楽園追放を久しぶりに見ました
私があのディーヴァの世界に放り込まれたとしたら。冒頭のメモリをやりくりしながらそれなりに楽しんでる人間にしかならないだろうと思う。アンジェラのように向上心はないし、ディンゴのように自分の力で生きる覚悟もない。
でもアンジェラやディンゴに憧れる自分を持っていること、それは私にとって救いだったりする。
いきなりポエミー始めてしまった!
興味深いアニメだと教授に見せられてから数年、楽園追放の二回目を楽しみました。
AIとかロボットといいうと「感情を持っちゃった」とか「人格を持っちゃった」とか「暴走した」とかそんな作品が沢山。ただのAIだとドラマが動かないものね。で、そんなAIたちが出演(?)する作品の中で、この楽園追放のフロンティアセッターが一番好きです。だって優しいんだもの。親しみがあって暖かくて意見交換してくれて相手を尊重してくれる。彼は「理想の人間」すぎる。でもきっと人間じゃないんだろうね。感情って自分で殺しちゃわない限りいつの間にか「在る」ものだから。理解するものじゃない。でも彼の理解とその言葉はとっても的確だな、って思います。
これ脚本誰だ! 虚淵玄せんせ……っていうの度々あって困る困らない宙組作品の原作してくださいませんか?
ディンゴの「音楽を骨で感じる」っていう言葉、フロンティアセッターはAIでボディは(基本的に)ブリキのロボットだから骨なんてないんだけど、彼は彼の「骨」で音楽を感じているのだなってわかる。音を楽しんで、セッションを楽しんで、テンション上がってるのがわかってしまうの。声はイメージ通りの機械音らしく平坦で感情は乗ってない(声優の神谷浩史さんすごい……)のにわかっちゃうんだよなー。
本当に「わかってるか」は知らないけど。ただ人間の真似してるだけかもしれない。でも人間って「人間っぽい」だけで人間見い出しちゃうし、そもそも人間っぽくなくても感情見い出しちゃうか。自分のもってるものを重ねてしまう生き物だと思う、人間。クソデカ主語発動。
ディンゴめちゃくちゃ好きです。
アンジェラかなり際どい格好してるのに変な発言せずに紳士なところとか(そこかい)。いやでもいくらカッコよくても女の子に「うへへ……」みたいなキャラはあまり好まないし、それでも好きになってしまったらその部分は務めて忘れようとしちゃうので、私にとっては大事。アンジェラの体はただのマテリアルだってわかってても女の子の姿かたちしてると身構えちゃうんですよね、すぐ重ねちゃうから。
ディンゴが紳士な分、キャラデザとか画面上では、フェチというか好きなんだね😄みたいなカットが結構あってそれはありです。
ディンゴの話だ!
彼過酷な地上で生きていく姿勢と覚悟、かっこいいなと思います。自分の好きな物を楽しんで、楽はするときもあるけど決して無気力でない。地上では誰も無気力でなかったなと思い出しました。ディーヴァでの最初の海のシーンは酷かった。酷いという言葉があってるかわからないけど。フロンティアセッターからのメッセージに騒ぐでもなく怒ることもなく終わったら娯楽に戻る。なんて無気力なんだ! と言ってるけど、あの場に私がいたらあの人たちと同じ自分が容易に想像できてしまうんですよね。つらい。
話それがち。
そう、憧れなんです。自分をしっかり持っていて状況を見極めて仁義を通す。とってもかっこいいじゃないですか。しかもその仁義がジェスチャー付きでアンジェラやフロンティアセッターにも伝わってるところがまたとっても素敵。かっこいいの伝染。
あと三木さんの声が反則だと思います。歌最高……うまく歌おうとしてなくて心の叫ぶままにってのが……
アンジェラ!
まず見た目が良いです(オイ)。キャラデザ最高。くぎゅーのお声によって倍増されたツンデレのかわいさ。でもおしりのカットはちょっとむむむってなっちゃう。メカ乗るには最適だと思うけど地上の砂漠は寒いだろうから暖かい服を調達してほしい。
アンジェラはディンゴやフロンティアセッターにだいぶ影響を受けて変わっていくキャラでとっても魅力的だけど、最初が酷かったかというとそういうことでもない。ディーヴァでちゃんと自分のやりたいことを向上心を持って勤めていた。決してあの海の無気力たちみたいな人間ではなかった。
でも出会っちゃったんだよねー! ふたりと。
地上に降りたばかりはそりゃあ不便だったと思う。身体おっもいし。私は電子的身体を経験したことはないけれど、頭でイメージする動きと現実の体の動きが全然違って絶望することがあるのでちょっとその気持ちがわかるような気がする。現実の身体ってほんと重い。まあ彼女はそんなこと言いながら熱でフラフラしてるのにバチバチに肉弾戦しちゃってるんですけど。マテリアルだと思考と神経と筋肉の連動がスムーズなのかしら。うらやましい!
最後三人の神みたいな人たちが「地上に堕ちた」みたいなところで楽しそうに心から笑ってるの、どっちがいいのかなーって思う。私はアンジェラの方が絶対いいけど、神みたいな人たちはあの笑顔見て心動かされないのか? これだからフロンティアセッターのが人間って言われちゃうんだよ私に。ただこの人たち本当に「人間」かは語られてないのが色んな想像できて楽しいところです。人間だと思ってるけれど実は彼らもAIで別の脅威を排除したかったのかもしれないし、ちゃんと人間でそれこそ「堕ちた」かもしれないし、私の知らない境地まで昇りすぎてしまったのかもしれない。うーん楽しい!
結局フロンティアセッターについて行く人はいなかったけど、残る選択をして見送ってくれた人がいた。彼とっても嬉しかったんじゃないかな。
最後に叫ぶように歌ってるのがちょっと悲しさも混ざりつつ楽しさとかまだ見ぬ何かへのワクワク感とか希望も感じる。
声優さんってすごい。
あとアニメーションも大好き!
全編3Dだけど2Dっぽいシェーディングで確かわざとfpsも落としてるんでしたっけ? ヌルヌルしすぎずでも戦闘シーンは大迫力!
ロボットアニメを好んで見るタイプでないので素人感想ですが、メカもモーションもカメラもとってもかっこいいんじゃないでしょうか!
私が好きならそれでいいか。私は大好きです!
思いつくままにドバーって書いちゃったのでグチャグチャ感想なっちゃいました。
また見てこうやって色々考えたいなーと思う作品です。
とってもよかった!