見上げればいつも四角い青空#10 かくうとましと思ふものなれど…
「酒は百薬の長」という。
本当だろうか。洋の東西を問わず、古代では有益な薬であるとする言葉も多い。
一方で、徒然草では、「百薬の長とは言へど、万の病は酒よりこそ起れ。」(徒然草 175段)と書かれるなどし、万病のもとでもあるという。そして、同段で吉田兼好はお酒の飲み方についても考察している。
とはいえ、「かくうとましと思ふものなれど、おのづから、捨て難き折もあるべし。」とし、困ったことではあるのだけれど、やっぱりお酒は捨てるに捨てられないところもあって、とも言う。
ボクは、お酒を飲み始めたころから、アルコールには弱いことを自覚していた。だからというか、自宅での晩酌などほとんどすることはなかった。
一方で名作と呼ばれる小説には、必ずと言っていいほど、主人公が酒を酌み交わす印象深い場面があり、お酒をスマートに飲める人を羨ましく思ったりもした。
酒席にいるのは好きだったけど、たくさん飲めないことで場をしらけさせるでは、と少し悩んだこともあった。
でも、最近は、少し世の流れが変わったように感じる。
某飲料メーカーは、「飲めても飲めなくても、好きなドリンクを手に、誰もが自分らしく、誰もがともに楽しめる未来へ。」(某飲料メーカーHPより抜粋)とスマートドリンキングという取組みを進める。
そうやって選択肢も増え、アルコール度数も様々なものが登場したほか、ノンアルコール飲料だけでも、ビールテイストにとどまらず、ワインテイストに、ハイボール、レモンサワーのテイストなどいろいろな種類があり、たくさん飲めないボクにとっては、充分に楽しめるのがうれしい。
先日、某飲料メーカーの売り出したノンアルコールビールについて、ノンアルコールだと知らせずに飲んだビール好きの85.5%が驚いたという。
「まあ先ずは一献。」
こんなシーンも、これからは様変わりしていくのかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?