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見上げればいつも四角い青空#39 盆・暮れ・正月とはこれ如何に

今年も早や暮れていく。

街はいつもより随分と忙しない。
近所の商店街には師走でも年の瀬と呼ばれるこの時期にならなければこんなにたくさん見かけることはないような品が並ぶ。和菓子屋さんの杵つきのお餅、大きな冷凍たらば蟹の足、普段使いはできなさそうな高級かまぼこ、などなど。

掛売りが一般的だった江戸時代の年の瀬は、今とは様相が異なったようだ。

盆か暮れの節気払いで、回収できなければ次の節気まで持ち越しとなるとなれば、お店にとって売掛金の回収は一大事。一方で買った側も天候などに収入が左右される職業も多く、思うように収入が得られなければ、支払いを繰り延べたかっただろう。

そんな悲喜交々な年の瀬だったのかなと想像する。

翻ってボクだ。

年の瀬に回収される買掛金はないけれど、年始に立てた目標はどうかと問われれば捗々しくない。手付かずや未達成のものも多く、達成状況はほとんど不良債権並みだ。
中でも“手つかず”のものが問題だ。

「あなたのすることリストが空になることはない。そんな“いつか”が来ることもない。」という言葉に触れたことがある。ボクはいろんなことを準備が整ってから…と後回しにしがちだ。

じゃあ準備が整うことはありうるのか。
ほとんどのことは準備が整うことなどない。言葉では知っているけれど、残念ながら行動が伴わない。

今年やり残したことの最たるものは、この行動の癖を修正することかもしれない。
したことよりもしなかったことの方が後悔としては大きく残ると言われる。体感的にもほとんどの場合、失敗は「そんなこともあったねぇ」と笑い話になるけれど、行動しなかったツケは、心の中にむず痒い古傷のように、時折いやな痛みをぶり返す。
この癖を今年の終わりに整理して、来年は“手つかず”の目標をなくしたいと誓う。

おくさまが用意してくれた年越しそばを手繰りながら、そんなことを考えている。

もうすぐ年が明ける。

最後まで読んでいただきありがとうございます。同じようでいて同じではない日々の生活の中で感じたことや考えたことを、800字の制限を付けてスケッチしています。よかったらまた立ち寄ってください。
今年もどうぞよろしくお願いします。

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