【もしも100万円があったなら】田舎移住で価値観が変わった
もしも「100万円を自由に使っていいよ」とそんな夢みたいな話があったら、何に使うだろうか?
真剣に考えてみたら、自分の価値観が変化したことに気づいた。
特に田舎移住をきっかけに、自分が大事にしたい価値観がはっきりと見えるようになった。例えばわかりやすく、関西にいた20代の頃の私と比べると、こう。
もしも100万円があったら~20代の頃の私~
はい、なんだか足し算できていない。
メンテナンスしながら長く履けて、どこにでも行ける靴が好きだから、夫婦で靴を買うだろう。
チャーチの靴は、バリバリキャリアウーマンだった憧れの先輩が履いていた靴…。ジョンロブはイギリス旅行で英語が伝わらなかった思い出のブランド。
20代の頃の私たちは欲しいもの、行きたい場所、趣味、欲しいものが山ほどあった。
もしも100万円があったら~今の私たちなら
ところが、田舎に移住してきて、こんなもの履いていく場所がない。幼稚園の送り迎え?地域のスーパー?会社の行きかえり?畑!???
だから、30代に突入し田舎移住した私たちが欲しいものは、多分こうなる。
自走式草刈り機 26万
斜面にも使える子なんですって。欲しいの一言だ。
なぜなら昨日、庭にマムシが出たから。草刈りは「命を守る行動」というわけだ。
エコワイター30万+設置費用30万
田舎に行くと、屋根の上に乗っているあれだ。先日、お隣さんの家にのっていて話が盛り上がった。主人の実家にも導入されていて、熱々のお風呂を体感してしまった。
と、そこに仲良くしてもらっている同世代の農家さんが、「最近導入したの~」と話してくれた。
ぐぅ…うらやましい…。
残り14万!?車買えないやん!
おかしい。やっぱり足し算ができない。もっと残るはずだったのに、なぜだろう。
多分、残りの14万はスタットレスタイヤに消えていくのだろう。そこは主人と喧嘩してでも、どうにか旅行費用にあてたい。私はレゴランドに行きたいのだ。
これは実際の会話である。そのうち鬼嫁扱いされるのが目に見えている。
都会はモノが多い でも本当に欲しいものはなかった
実は私たち夫婦は20代の終わり、”モヤモヤ”を抱えていた。なぜなら結婚当初から夫は「カエルの声が聞こえるところに住みたい」と都会に病んでいたから。
私は九州の竹やぶ育ち。夫は中国地方。はるか昔に平家の隠れ里だったという、いわゆる”秘境”育ち。就職で憧れの都会に出たものの、そんな田舎育ちの私たちを満たすモノはどこにもなかった。
靴?服?夢のタワーマンション?それは本当に欲しいモノだったのだろうか。そもそもそんな余裕があったかは別としてだが。
私たちはただ見栄のために「良い靴」が欲しかった。ただ、見栄のために「流行りの服」が欲しかった。
移り住んで、そんな見栄はいらないんだ、とつくづく痛感する。靴も服も、着飾るものは全て、必要最低限で十分。
そんな見栄に使わずに、家族で使うモノや、家族で体験できるコト、知識や経験、未来につながるコトにお金を使いたいと思えるように変化した。
ただ、年齢のせいかもしれないけど。
なにもないのに豊か それが田舎
ほんと、なんにもない。お店はないし、おしゃれなカフェもないし、読みたい本も取り寄せないと手に入らない。お菓子づくりの材料ひとつですらお店では手に入らないし、インスタ映えするようなものはどこにも売ってない。
その代わり、果てしなく豊かだ。
カエルの鳴き声、蛍の揺れ動く光、近所のおじいいちゃんおばあちゃんの愛情に深さ…。田んぼにあんなに山ほどオタマジャクシがいるなんて知らなかった。家の中から蛍が見える地域があるなんて、知らなかった。
子供の頃に触った土の香りを覚えているだろうか。雨の日の、山の匂いを知っているだろうか。雨上がりの、山特有のズッシリとまとわりつく空気の重さを知っているだろうか。
ここの人たちはみんな自然の豊かさに囲まれて、心に”余白”がある。
同じ地区のおじいちゃんおばあちゃんは皆、まるで私たちが子供の頃から一緒にいるかのように優しい。
ご近所さんの愛情
今日もご近所さんたちに、たくさんの愛情をいただいた。
お向かいのおばちゃんが持ってきてくれた、朝獲りきゅうり。三軒向こうのおっちゃんがくれた、大量のきゅうり。
川を挟んで隣の家のおじいちゃんがビニール袋いっぱいに渡してくれた、きゅうり。
おや、今年の夏は嫌な予感がする…
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