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湖と月の記憶

10年ほど前のことです。
長野県から山梨県を家族で3日間旅行した時のことです。
初日は天気も良く、風も穏やかで、一層湖が綺麗に映りました。夕日が沈むまでに何回シャッターを切ったことか。さすがに思い出せませんが、たくさんのデータを泣く泣く消した覚えはあります。


二日目は河口湖付近の、温泉に入りながら富士山を眺めることのできる旅館に泊まりましたが、この時は天気が崩れて霧深く、富士山を眺めることは叶いませんでした。

旅館の屋上がテラスになっていて「富士山は見えないか」と何度も足を運び、その度になにも見えないことを嘆いていたのをよく覚えています。

日が落ち、
月が昇り始めた頃にようやく霧が晴れました。

辺りは薄暗く凪いでおり、青くとても静かで、
生命を感じるものは黄色く輝く昇りかけのまるい月だけ。
呼吸を忘れるほどに美しい光景がそこにはありました。

屋上には自由に使える望遠鏡があったのですが、なんとか少しでもお月さまに近づきたくて、必死になって覗き込んでいました。

肉眼ではそれでも遠くて、カメラのズームと望遠鏡を使ってようやく近づけたのがこの写真。

結局富士山を目の前に拝むことはできませんでしたが、そのおかげで10年経った今でもとても思い入れのある写真となっています。

使用カメラ/COOLPIX S6100

今後もこんな形で思い入れのある写真を紹介していこうと思います。

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