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パヴィア大学が推奨するIMAT対策の教材とは?現役イタリア医学生が解説します


Ciao! イタリア国立医学部生のNobuです。


年に1回、9月ごろに行われるIMAT(イタリア国立医学部英語コースの入学試験)。IMATは対策できる市販の教材が限られているため、どの教材を利用して勉強するか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。


そこで本記事では、イタリア国立医学部英語コースを初めて開設したパヴィア大学(University of Pavia)が、推奨しているIMAT対策用の教材をまとめました。


また、簡単にではありますが、それぞれの教材のオススメなポイントをIMATの2位合格者が書き加えました。パヴィア大学を目指す学生はもちろんのこと、他の国立医学部を目指す方も教材選びの参考になさってください。


大学が紹介している一部の教材は、すでに新版が発売されているため、本記事では新版を紹介しています。それでは早速、本題に入ります。




Logical ReasoningとProblem Solvingの推奨教材

IMATでは、Logical Reasoning(論理的推論)とProblem Solving(判断推論)は、60問中5問しか出題されませんが、上位合格する受験生が英語を武器に得点を難なく取るため、できれば満点を狙いたい科目です。


Logical Reasoning(判断推論)は、英語の短文を読み、1つの設問に答える問題です。英語力はもちろんのこと、論理的思考力が問われています。


Problem Solving(判断推論)は、文章題、表やグラフを読み解く問題、図形・立体を考える問題などのさまざまなパターンの問題が出題されます。


パヴィア大学が推奨するLogical Reasoning(論理的推論)とProblem Solving(判断推論)の対策用の教材は、下記の6つです。

  1. 700 BMAT Practice Questions

  2. Critical Thinking Skills: Effective Analysis, Argument and Reflection

  3. Cambridge International AS/A Level Thinking Skills Coursebook

  4. The Ultimate BMAT Guide: 800 Practice Questions

  5. Get into Medical School - 1300 UKCAT Practice Questions

  6. Alpha Test


それぞれの教材を紹介します。


1. 700 BMAT Practice Questions

700 BMAT Practice Questions は、BMAT(イギリス医学部入試)用の教材ですが、IMAT対策にも使える問題集です。私を含め、IMATの上位合格者がこぞって使用しています。

BMATのSection 1 とSection 2 は、General Knowledge(一般常識)以外のIMATのすべての科目の試験対策ができる万能型の問題集です。

解説付きの練習問題も多数用意されているので、とりあえず問題集を1冊買うなら、本書がオススメです。


2. Critical Thinking Skills: Effective Analysis, Argument and Reflection

Critical Thinking Skills: Effective Analysis, Argument and Reflection は、IMATのLogical Reasoning(論理的推論)の対策にオススメされている教材です。問題集というよりは、”Critical Thinking”の基礎を学べる教科書となっています。

小手先のテクニック本ではないので、本書の内容を身につければ、IMATだけでなくこれからの勉強にも役立つこと間違いなしです。

Logical Reasoningに苦手意識がある場合は、まず本書を手にとってみることをオススメします。


3. Cambridge International AS/A Level Thinking Skills Coursebook

Cambridge International AS/A Level Thinking Skills Coursebook は、パヴィア大学だけでなく、IMAT合格者の多くがオススメしているLogical Reasoning(論理的推論)の対策用の教材です。

定評のあるケンブリッジ大学出版(Cambridge University Press)が発行しており、英文読解問題の解き方を丁寧に解説しています。

フルカラーで見やすく、分量も多くないので、Logical Reasoning の対策をしたい方にはオススメです。


4. The Ultimate BMAT Guide: 800 Practice Questions

The Ultimate BMAT Guide: 800 Practice Questions は、他の教材と同じようにBMAT(イギリス医学部入試)用の教材ですが、IMAT対策にも使える問題集です。

発売からすでに7年以上経過していますが、現在も人気の問題集で、豊富な練習問題が用意されています。

BMATのSection 1 とSection 2 は、General Knowledge(一般常識)以外のIMATのすべての科目の試験対策ができる万能型の問題集です。


5. Get into Medical School - 1300 UKCAT Practice Questions

Get into Medical School - 1300 UKCAT Practice Questions は、IMAT対策用の教材ではないですが、UCAT(イギリスの医学部入試)は、IMATの Problem Solving(判断推論)対策として、オススメできる教材となっています。

1300もの練習問題が用意されてており、Problem Solving(判断推論)が苦手な方も、これ1冊で苦手意識をなくすことは可能でしょう。

私は受験生のときに、Problem Solving(判断推論)対策の問題集として一時期利用していました。Problem Solving が苦手な方にオススメです。


6. Alpha Test

イタリアでは有名な問題集です。すべてイタリア語で書かれているため、利用難易度は高めですが、海外のサイトでよく紹介されています。



Scientific Theory (理系科目) の推奨教材

IMATでは60問中51問が理系科目の問題となっているため、理系科目の問題演習は必須です。


具体的には、Biology(生物)が23問と、Chemistry(化学)が15問、Physics & Mathematics(物理・数学)が13問となっており、生物は得点の約38%を占める最重要科目となっています。


パヴィア大学が推奨するLogical Reasoning(論理的推論)とProblem Solving(判断推論)の対策用の教材は、下記の5つです。

  1. A-Level Biology: OCR A Year 1 & 2 Complete Revision & Practice

  2. Costanzo Physiology

  3. Molecular Biology of the Cell

  4. Human Molecular Genetics

  5. Chemistry: Structure and Dynamics

それぞれ簡単に紹介します。


1. A-Level Biology: OCR A Year 1 & 2 Complete Revision & Practice

A-Level Biology: OCR A Year 1 & 2 Complete Revision & Practice は、豊富な図やイラストを用いて、丁寧に解説した生物のワークブック。練習問題も豊富に用意されているため、ただ読んで理解した気になるのを防げます。

また、本書は、何百ページもある分厚い教科書とは違い、必要な情報のみを凝縮した薄いテキストなため、生物が苦手な人でも取り組みやすいです。

ペーパーブック版だけでなく、Kindle版もありますが、ペーパーブック版に限り、追加のオンラインコンテンツにアクセスできます。


2. Costanzo Physiology

Costanzo Physiology は、医学部入学後も使えるPhysiology(生理学)の教材。IMATでは高校生物だけでなく、医学分野の知識もよく問われるため、是非とも対策しておきたいところ。

イラストを多用することで、複雑な生理学の概念を簡潔に説明しており、初学者にもオススメの教材です。

各章には章末問題が用意されており、理解度を確認できるほか、ペーパーブック版を購入すると、追加のオンライン教材の動画や問題集にアクセスできます。


3. Molecular Biology of the Cell

Molecular Biology of the Cell は、医学部入学後の生物の推奨教材になることも多く、IMAT対策で生物の基礎をしっかりと身につけたい方に特にオススメできる教科書です。

1552ページもあるので、試験まで時間がない場合はあまり使いこなせないかもしれませんが、生物(遺伝・生理学の範囲を除く)はこれ1冊で満点を狙えます。

IMAT対策だけでなく、医学部入学後も使える生物の知識を身につけたい方は、ぜひご購入をご検討ください。


4. Human Molecular Genetics

Human Molecular Genetics は、医学部入学後の遺伝学(Genetics)の推奨教材になることがある分子遺伝学で著名な教材です。

IMAT対策だけのために本書を利用するのは、オーバーワークな気もしますが、辞書のように不明な部分を調べる際に使うのがよいかもしれません。

最新の研究成果も反映されているため、単純に読み物としても面白い教科書なので、ぜひ一度手にとってみることをオススメします。


5. Chemistry: Structure and Dynamics

Chemistry: Structure and Dynamics は、化学のIMAT対策に推奨されている唯一の教科書です。

単なる暗記ではなく、概念の理解と応用に重点を置いており、図やイラストが豊富にあるため、複雑な化学の概念を分かりやすく学べます。

ペーパーブック版だけでなく、Kindle版があるのもポイント。Kindle版なら、今日から勉強を始められます。



適切な教材を選んで、入試対策を始めよう

本記事では、パヴィア大学(University of Pavia)が、推奨しているIMAT対策用の教材をまとめました。


既にお気づきかもしれませんが、IMATに特化した市販の問題集や参考書はほぼなく、似たような問題が出題されているBMATやUCATの問題集で代用されていることが多いです。

現在、IMAT対策用の問題集を作成中ですので、完成まで今しばらくお待ちください。


また、当たり前のことですが、大学が推奨している教材であっても、受験生それぞれに向き・不向きがありますので、必ずしも本記事で紹介した教材をすべて利用する必要はありません。


私自身、上記以外の教材を使って、IMAT対策おこない、無事にNon-EU枠に2位で合格しました。私がIMAT対策にオススメの教材に下記記事で紹介しています。


自分に合う教材を選ぶのが面倒臭い…効率よく入試対策をしたい…という場合は、イタリア医学生が運営するmirunoteチューターの家庭教師をご利用ください。


IMATに上位合格した医学生が、これまでの指導経験をもとにIMAT合格に向けて、受験生に最適なカリキュラムと教材をご用意します。
詳細は、mirunoteチューター公式HPをご覧ください。


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