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イタリア国立医学部生の自己紹介とmirunoteについて

はじめまして。

イタリア国立医学部に在籍しているNobuです。

早いもので、ヨーロッパに来てもう5年。イタリアにもだいぶ慣れ、時間的な余裕が少しできてきました。

さて、記念すべき1本目の記事は、自己紹介とnoteのこれからの方向性について書きます。


ざっくり自己紹介

改めまして、Nobuです。

東京都出身。好きな食べ物は、ノドグロと生牡蠣。
性格は、自由人(⁈)と言われます。


Nobuの略歴

・現役で東欧の医学部英語コースに入学。
・ウクライナでの戦争を契機に、イタリア医学部英語コースの受験を決意。
・イタリア私立医学部3校(UniSR, Unicatt, MEDTEC School)に合格。
・IMAT(イタリア国立医学部入試)にNon-EU枠2位で合格。
・イタリア国立医学部に入学。現在に至る。


改めて自分の略歴を見てみると、右往左往していますね。一度、東欧の医学部に通ってからイタリアの医学部に来たちょっとレア(?)な日本人です。


なぜ海外医学部に進学したのか?

私は日本の高校を卒業後、直接イタリア医学部に来たのではなく、東欧の医学部を経由してきました。身バレするので、国名は伏せますが。

ちなみに私が高校卒業後すぐにイタリア医学部に留学しなかったのは、集められる情報が少なかったからです。今ほど情報は多くなく、イタリア医学部の大学HPは簡素で、東欧医学部よりもさらに怪しく思えました。

高校卒業してすぐの私には、留学エージェントが斡旋している医学部に進学するのが一番安全策でした。(今は海外医学部事情に詳しいので、自分で調べられますが。)

まずは、私が海外医学部に進学した理由を簡単にお話しします。


日本の入試に向いていなかったので、海外医学部の進学を決意。

もともと日本の医学部を目指していたのですが、入試科目の英語と物理が苦手すぎて、諦めました。浪人しても合格する未来が見えなかったですし、そもそもこの2科目を勉強するのがものすごく苦痛でしたから。

そしてできることなら、早く医学の勉強をしたいと思っていました。嫌いな科目を何年も勉強するより、興味のある分野を何年も勉強したかったのです。

「他に何かいい方法はないものか?」と思っていたところ、たまたま見つけたのが、 ”海外医学部”でした。


怪しさ満載の海外医学部、それでも意を決して入学

海外医学部って、どう考えても怪しいですよね。

なんとなく胡散くさいというか…怪しすぎる

実際、真っ先に出てくる”海外医学部”の情報は、ハンガリー、チェコの医学部留学エージェントのものばかり。内情がわかる情報なんて皆無でした。

しかも、どの国も馴染みがなさすぎて、具体的にどこにあるかなんて知らなかった国がほとんど。だからこそ、ますます不安を感じていました。

それでも、他の選択肢は考えられなかったので、意を決して東ヨーロッパの医学部に進学。

入学した当初は、日本との違いや言語の壁など様々な問題に直面して、何度も挫折しそうになりました。

それでも、個性豊かな友人たちに恵まれ、無事に医学生ができています。


海外医学部留学は正解だった

今振り返ってみれば、東欧の医学部への入学は正解でした。

毎日が刺激的で、価値観の違いやモノの見方の違いはどれも新鮮。色々な国々から学生が集まってくる医学部英語コースは、まさに「多様性」そのもの。

そんな環境で医学を学ぶのは、本当に楽しいです。

まさか、英語嫌いの私が海外医学部に進学するなんて、高3の冬まで考えもしませんでしたから、人生とは実に不思議なものですね。


なぜイタリアの医学部を選んだのか?

その当時、イタリア医学部英語コースの方が、他国の医学部英語コースと比べて優れていると思ったのは、下記の3点でした。

  1. 学費がかなり安い

  2. 周囲の学生のレベルが高そう

  3. イタリア語を学ぶのが楽しそう


私の場合はすでに東欧医学部に在籍していたので、基本的には私が通っていた大学との比較です。

これは入学前に思っていたことで、実際のところは違いました。東欧医学部とイタリア医学部の比較については、また別の機会にお話しします。


理由その1: 学費の圧倒的な安さ

一つ目の理由は、西ヨーロッパの医学部で唯一、英語コースがあり、国立の場合は学費が安いから。

留学には学費のほかに、生活費などがかかりますから、お金には敏感になります。それが医学部となれば6年間もかかるわけですから、学費が安いというのは、かなりのメリットです。

実際、イタリアの医学部に通う学生のほとんどは、イタリアを選んだ理由の1つとして、学費の安さをあげますね。

ちなみに東欧医学部の英語コースは、学費がかなりお高めなところが多いです。これは、外貨獲得(ユーロ獲得)の手段として、英語コースの医学部を開設しているからです。


理由その2: 周囲の学生のレベルの高さ

もう一つの理由は、東欧の医学部のレベルよりもイタリアの医学部の方が高いのではないかと考えたからです。これは教育の質というよりも、学生のレベルの話です。

私は自主的に勉強するタイプではないので、「勉強しなければ」と思える環境が必要です。そして、その環境を作るのは、同学年の学生たちです。

志の高い学生が周りに多ければ、彼らに追いつこうと自分自身も努力するし、逆に怠惰な学生が周りにたくさんいれば、勉強せず遊び呆けてしまう、、、

イタリアは学費が安く、G7の1つでEUの初期メンバーなので、ともに切磋琢磨しながら医学部の終わりの見えない勉強をができる学生が多く集まるのではないかと考えました。


理由その3: イタリア語が話せるようになりたい

臨床実習をその国の病院でする以上、基本的にその国の言語をある程度理解する必要があります。

ハンガリー医学部ならハンガリー語を学ぶ必要がありますが、残念ながらあまり話せても使う機会が乏しいのです。

日常会話で使うことはあっても、将来的なことを考えると、あまり役に立たないかな、、、と思ったり。

それなら、「イタリア語がいいじゃん!」と考えたわけです。イタリアには旅行に行く機会もあるでしょうし、東欧の国の言語より実用的かなという、浅はかな理由です。


以上の理由から、もし他の医学部に入学し直すなら、イタリア医学部だなと決めていました。


しかし、あくまで妄想でした

とは言っても、あくまで妄想してだけでした。実際に行動に移すのではなく、「転校するのもアリだな」くらいの気持ちです。

これは海外医学部生のあるあるですが、「いつか転校したいなぁ」と思っていると、あっという間に2〜3年が過ぎて、もう卒業、、、です。

だから正直、私が一番驚いています。
まさか自分が転校することになろうとは、と。


転校を決めた理由は、ウクライナでの戦争

私が転校を決意したのは、少し特殊な事情からでした。

それは、ウクライナでの戦争です。

私の住む街の鉄道駅にはウクライナからの難民で溢れ返り、NATO軍の輸送機や軍用機を目にする機会が増え、勉強するには適さない環境だなと思うようになったことが、転校を決めるきっかけとなりました。

私の場合は、どうしても東欧医学部がよかったわけではなかったので、すぐに他国の医学部を調べ始め、イタリア医学部にたどり着きました。


転校を決めてから1ヵ月後に私立イタリア医学部に上位合格。

転校を決めてから1ヶ月ないうちに、イタリア私立医学部の入試を受験しました。Transferの入試ではなく、すべて一般受験です。(この辺の話はいずれ別記事で詳しくお話しします)

時間もなかったので、とりあえず受験できるものは受験しようと下記の3校を受験しました。ちなみに、すべてNon-EU枠で受験しています。

  • UniSR (正式名称:Università Vita-Salute San Raffaele)

  • UniCatt (正式名称: Università Cattolica del Sacro Cuore)

  • MEDTEC School (by Humanitas University in partnership with Politecnico di Milano)

対策期間は短かったですが、必死に対策したおかげで、どの大学からも合格をいただきました。

久しぶりの入試対策で、さらにすべてオンライン入試だったので、かなり緊張しましたね。

この辺の私立イタリア医学部入試についてもnoteで紹介していきます。


半年の対策でイタリア国立医学部に2位で合格

ただ、私はイタリアの国立医学部に行きたかったので、私立の合格後も勉強を続けました。

奨学金が取りたらいいなと思い、首席での合格を目指して、かなり入試問題を研究した結果、

IMAT(イタリア国立医学部一般入試)のNon-EU枠
2位で国立医学部に合格

することができました。


生物、化学や物理の知識をすっかり忘れていたので、一から勉強し直したり、General Knowledge の対策をしたりと、なかなか大変でした、、、

この辺りの対策や受験準備の過程はnoteの別記事で詳しく紹介する予定です。


イタリアのどこの医学部に通っているのか?

嫌な思いをしたことがあるので、具体的な大学名は載せませんが、イタリア北部の国立大学に通っています。

日本人は皆無ですが、毎日楽しくやれています。色々な国の人々と触れ合えるのも、海外医学部の醍醐味ですね。


note での発信内容

noteでは、主に3つを軸として発信していく予定です。

  1. イタリア医学部入試関連(入試対策・出願方法など)

  2. イタリアでの生活

  3. 海外医学部全般に関するもの


実際にイタリアの医学部に通って分かった、「私自身が受験時に知りたかったこと」をどんどん紹介していきます。


発信内容その1: イタリア医学部入試について

私立イタリア医学部、国立医学部(IMAT)のどちらにも合格しているので、その知識と経験をもとに入試対策・出願方法などを執筆する予定です。

特に入試対策を紹介しているサイトは日本語でも英語でもほとんどないので、入試対策方法や入試情報などを日本語で詳しく紹介していきます。

また、イタリア医学部入試対策に特化したnoteメンバーシップの「mirunote+」では、イタリア医学部合格に必要な知識を詰め込んだコンテンツを制作します。


発信内容その2: イタリアでの生活

入試がまず最初の関門ですが、その後の手続きも色々と大変です。当たり前ですが、イタリアは日本ではないので、何もかもが雑で遅いです。

はじめて留学する場合は、ストレスに押し潰されそうになると思いますが、そうならないために役立つ豆知識などを紹介していきます。


発信内容その3: 海外医学部全般に関するもの

イタリア医学部だけでなく、英語コースのあるEUの医学部の紹介や、転校方法など海外医学部全般の情報も書いていきます。

このnoteは友人の医学生と複数人で運営していく予定なので、それぞれの実体験に基づいて、より多角的な視点で記事を書けると考えています。

特に、1つ目の入試対策はよく聞かれる内容なので、「これさえ知っていれば、イタリア医学部入試で悩むことはない」というレベルの記事を執筆していく予定です。


noteをはじめた理由

一言でまとめると、イタリア医学部(とくに国立医学部)の情報を発信するためです。

未だに海外医学部に関する情報って少ないうえに、友人の〇〇に聞いたとか曖昧な話が多いですよね。だからこそ、イタリア国立医学部に在学している日本人の話は貴重でしょう。

よくある話ですが、他国の学生と日本人学生の大学に関する印象などは、180度違います。それゆえ、聞いていた話と違うなんてことがザラにあるのが、海外医学部です。

By miru

私自身がそういう経験を何度もしてきたので、イタリア医学部への進学を考えている方が、イタリアに来て後悔しないよう、メリットもデメリットも包み隠さず、お話しします。

加えて、私はイタリアと東欧の医学部との比較ができるので、より客観的な視点で記事を書くことができます。

この比較をできる日本人医学生は、ほぼ皆無ですので、海外医学部の中でどこに行くか迷っている人などの参考になる話ができるでしょう(^^)


noteでのこれからの展望

私自身の備忘録も兼ねて、海外医学部留学やイタリアでの生活など、なるべく多くの記事を書いていく予定です。

先述のとおり、目標は、

「mirunoteさえ読めば、イタリア医学部がわかる」

と言ってもらえるようになることです。


嬉しいことに、最近はイタリア医学部を目指す日本人が増えてきたように感じています。

ただ、まだまだ情報が少ないからか、不合格になってしまう日本人が多いのも現状です。とくに、Non-EU枠の場合、イタリア国立医学部の入試のチャンスは年に1度、1校しかないので、一発合格したいですよね。

イタリア医学部を受験する方の役に立つような記事をこれからどんどん書いていきますので、フォローして、更新をお待ちくださいm(_ _)m


mirunoteについて

mirunoteは現役のイタリア国立医学部生が共同で「イタリア医学部をはじめ、海外医学部を目指す人を応援する」ことを目的として、運営しています。

留学エージェントとは無関係の現役医学生という強みを活かして、海外医学部留学に関してデメリットを包み隠さず、紹介しています。

このnoteの他に、海外医学部ブログオンラインチューター有料コンテンツ公式オンラインストアを運営していますので、あわせてご覧ください。



さいごに

ここまで自己紹介とこれからのnoteの記事の方針を書いてきました。

特に面白みのない記事になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

定期更新とはいきませんが、なるべく毎月更新できるよう努力しますので、これからよろしくお願いします!


*最後に一言。

イタリアはお国柄として、毎年いろいろな変更があるので、こまめに公式サイトなどをチェックすることをオススメします。これは医学部入試も例外ではありません。

それではまた次の記事でお会いしましょう。

Ciao!


コンテンツをご覧いただき、ありがとうございます。 頂いたサポートは、書籍代や勉強代に使わせていただきます! これからも有益なコンテンツをどんどん作成していきますので、よろしくお願いいたします。