IMATで不合格になった際の3つの選択肢【イタリア国立医学部入試】
Ciao! イタリア国立医学部生のNobuです。
IMATに合格する受験生がいる一方で、当然ですが不合格になってしまう受験生もいます。特に受験枠がNon-EU枠の場合は、実質倍率が平均で約7倍(2023年度)であり、合格する受験生の方が圧倒的に少ないのが現状です。
そこで本記事では、IMAT(イタリア国立医学部入試)に不合格になってしまったときに考えられる3つの選択肢とそのメリット・デメリットを解説します。
不合格になってしまった場合も、合格発表前に不安を抱えている場合も、本記事を最後まで読んで、今後のプランをどうするのかを具体的にイメージしておくことで、無駄な時間を過ごさずに済みます。
それでは早速、本題に入ります。
IMATの合格発表は受験枠ごとに異なる
IMATの場合、EU枠の場合とNon-EU枠の場合とで合格発表がされるサイトや今後の流れが異なります。
EU枠の場合、合格発表はUniversitaly(IMATの出願時に使用したサイト)上で公開されます。EU枠の場合は複数の大学に出願できるため、繰り上げ合格者が多く出るため、発表時点で合格最低点に達していない場合でも、後々繰り上げ合格する場合があります。
この繰り上げは大学によっては、翌年の春〜夏まで続くこともありますので、最初に発表された合格最低点と僅差の点数であれば、合格する可能性があります。
一方、Non-EU枠の場合は、合格発表日に各大学が合格者のランキングリストを発表します。そのため、発表時間は大学ごとにバラバラで、イタリア時間の夜(すなわち日本では合格発表日の翌日の早朝)に発表されることもあります。
残念ながら、Non-EU枠の場合は実質1大学にしか出願することができないため、全員が第1志望校に出願しており、繰り上げ合格はほぼありません。繰り上げ合格が出たとしても1人か2人ということはほとんどで、合格最低点が下がっても-0.1点から-0.2点ということがほとんどです。
受験した枠によって発表先や、その後の繰り上げ合格の有無が異なるため注意してください。
※ IMATの合格発表日は、入試日から約3〜4週間後で、どちらの枠でも同日です。
IMATに不合格になってしまったら…
IMATをNon-EU枠(たいていの日本人受験生が受験する枠)で受験した場合は、1校しか出願できないうえ、募集人数も少ない大学が多いため、高得点を取れていても他の受験者のレベルによって不合格になってしまいます。
実際、IMATの難易度は近年上昇しており、合格が難しいのが現状です。
前述のとおり、Non-EU枠であれば、基本的に繰り上げ合格はないため、合格発表時の結果を見て、最終的な合否を判断してしまってよいかと思います。もし繰り上げ合格の連絡が来たら、ラッキーぐらいに思っておくと過度な期待をせずに済みます。
終わった試験のことをいくら嘆いても、点数は変わりません。不合格になったことを受け入れて、次の選択肢を考える方向に切り替えましょう。
IMATに不合格になったときの3つの選択肢
IMATに不合格になった際に考えられる選択肢は大きく分けて3つです。
来年のIMATを再度受験する
イタリア私立医学部に入学する
他国の医学部を受験・入学する
それぞれの選択肢のメリット・デメリットを踏まえて、解説します。
1. 来年のIMATの再度受験する
1つ目の選択肢としては、来年、イタリア国立医学部入試(IMAT)に再チャレンジするというものです。
前述のとおり、IMATの難易度はここ数年で急激に上昇しており、特にNon-EU枠(多くの日本人受験生が受験する枠)では、現役合格は難しくなっています。
実は、受験枠を変えることで IMATの合格率を格段に上げる方法があります。詳しくは下記記事で解説しています。
とはいえ、正しい方法で勉強すれば、合格する事自体はそこまで難しくありません。
この選択肢のメリットは、主に次の2つです。
1度受験しているため、試験の流れを把握しやすく、試験の対策がやりやすい
次の試験まで1年間あるので、基礎知識や今回足りていなかった科目・分野を補強する時間が十分ある
IMATでは、科目ごとの難易度は大きく変わることはありますが、大まかな出題範囲や出題傾向は変更があまりなく、比較的対策しやすい試験です(※ 今後の出題傾向が同じかは全くもって不明です…)
試験範囲を漏れなく対策できるよう、入試までの勉強計画を立て、万全の準備をおこないましょう。
この選択肢のデメリットは、次の2つになります。
浪人しても合格するとは限らない
医学部の卒業が1年遅くなる
当然のことですが、1年間浪人したからといって、合格できるほど甘い試験ではありません。不合格になった理由を分析し、適切な方法で対策をしなければIMATに合格することは難しいでしょう。
「効率的な入試対策がしたい…」「合格者の勉強法が知りたい…」「入試までの勉強の面倒をみてほしい…」という方にはmirunoteチューターがオススメです。
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2. イタリア私立医学部に入学する
2つ目の選択肢は、イタリア私立医学部に入学するというものです。イタリア私立医学部の入試は例年、2月〜5月ですが、上手くいけば、浪人することなく、私立医学部に進学できます。
2024年度の入試では実施されませんでしたが、ユニカミラス大学がIMATの試験日以降にその年の医学部英語コースに入学できる受験の機会を設けていたことがありました。これは浪人せずにすぐに医学部に入学できるもが大きな魅力でした。
とはいえ、IMATの試験日以降の入試日の設定はあくまでそれまでの試験で入学希望者を集められなかった場合にのみおこなう措置のため、IMAT試験日より前にユニカミラス大学の入学定員数がすでに集まっていれば、これからも実施されることはありません。
ただ、仮にその年の医学部には入れなくても、私立医学部入試は2月ごろからおこなわれ、国立医学部と違って、何大学でも受験することができます。
一部の私立医学部は、他の医学部入試と出題傾向や入試問題が類似している場合もあり、個々の大学の入試対策をおこなう必要がない場合もあります。
イタリア私立医学部に入学するメリットは次の2つです。
場合によっては浪人せずに医学部に進学できる
IMAT(イタリア国立医学部入試)より合格する可能性が高い
イタリア私立医学部は、国立医学部入試と違い、特にNon-EU枠で人気があまりなく、大学によっては実質倍率が2倍前後のところもあります。
IMATのNon-EU枠の実質倍率が全大学平均で約7倍(2023年度)ということを踏まえると、非常に魅力的な選択肢であると言えます。
また、過去問を公開している大学はないものの、テストシュミレーターを利用できる大学が多く、大学によっては2000〜3000問ほどのサンプル問題が用意されているため、実際の試験形式を確認しながらサンプル問題を解けるので、試験対策がしやすいのメリットです。
一方、イタリア私立医学部のデメリットは主に次の2つです。
学費がイタリア国立医学部より高額となる
私立医学部の特有の問題の対策が必須
イタリア私立医学部は国立医学部より学費が高く、奨学金を使わなければ、年間2万ユーロ前後(300万円前後、1ユーロ=150円で計算)というところが多いです。
国立医学部であれば、私立1年分の学費で6年間の学費を賄えるため、国立医学部を目指していた方には痛手になるかもしれません。
また,私立医学部の入試問題は癖の強いものも多く、国立医学部入試にはなかったより医学系の知識を必要とする問題や思考力を問われる問題が多数出題されます。
そのため、私立医学部に特化した対策がどこまでできるかが、私立医学部攻略の合否の鍵となり、それ相応の対策が必要です。
mirunoteチューターでは、イタリア私立医学部に上位合格した医学生が私立医学部の特有の問題を攻略するための知識や解法を個別指導(1対1)しています。
また、私立医学部のテストシュミレーターでの不明点や疑問点の解説や問題に関連する知識の確認など、私立医学部受験をサポートします。
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3. 他国の医学部を受験・入学する
3つ目の選択肢として。イタリア医学部ではなく、別の国の医学部を受験するというものがあります。
英語コースを開設している医学部はヨーロッパに多数あり、国によって医学部の入学時期がずれていたり、大学によっては秋入学・春入学を認めていたりと、すぐにでも医学部に入学したい場合には、選択肢の1つとなるでしょう。
特にヨーロッパの医学部の中でも、ハンガリー、チェコ、スロバキア、ルーマニアなどの東欧医学部は日本人医学生も多く在籍しており、専門の留学エージェントが日本にも存在しています。
他国の医学部に進学するメリットは、次の2つです。
入試がないor入学試験の難易度が下がる場合がある
すぐにでも受験・入学できる大学がある
一般的に東欧医学部の英語コースの方がイタリア医学部入試に比べ、入試の難易度が下がる傾向にあり、大学によっては入試がなく、高校の成績や志望動機書、推薦書などによって合否が決まるところもあります。
また、前述のとおり、ヨーロッパという視点で見れば、秋から冬にかけて受験でき、冬から春にかけて医学部に入学できる大学が存在するため、浪人せずとも医学部の英語コースに入学できます。
諸条件はありますが、後ほどイタリア医学部に編入(転校)することも可能です。
イタリア医学部に編入(転校)する方法は下記記事で解説します。
一方、他国の医学部に進学するデメリットは主に次の3つです。
入学資格に条件があるなど、イタリア医学部より厳しい場合がある
EUの医学部でないと、EUの医師免許は取得できない
大学によっては日本人の場合は留学エージェントを通す必要がある
入学試験がない大学で高校の成績等で合否が決まる場合は、当然のことながら高校の成績証明書が必要です。とはいえ、日本の高校の場合は卒業後5年以上経つと廃棄されてしまい、取得できなくなってしまいまうため、年齢制限がなくとも実質的な年齢制限が発生してしまう場合があります。
また、意外と忘れがちなのがEUの医師免許が取れるか否かです。EUで働くつもりがない方には関係ないかもしれませんが、ヨーロッパで医学部英語コースを開設していてもEUではない国(ジョージアなど)では卒業してもEUの医師免許は取得できず、EUの医学部に編入しても単位を認定されるかは全くもって分からないということになります。
将来的にイタリア医学部への転校を視野に入れている、EUで働きたいという場合は、EU加盟国の医学部を選ぶのがオススメです。
また、東欧医学部の一部の大学は日本の留学エージェントを通さなければならない場合もありますので、受験する大学を慎重に選ぶことを強く推奨します。
mirunoteチューターには,東欧医学部に在籍経験のある医学生が在籍しており、東欧医学部の医学生とも繋がりがあるため、医学部のリアルな実情にも精通しています。
進学する医学部に悩まれている場合は一度、mirunoteチューターのオンライン相談にてご相談ください。
医学部を諦める前に、まずはmirunoteチューターに相談を。
本記事では、イタリア国立医学部入試で不合格だった際の選択肢を紹介してきました。
今回は紹介しなかった選択肢ですが、イタリア医学部を諦めて、医学部以外の別の道を探すという手もあります。とはいえ、日本の医学部ではなく、わざわざ海外医学部という選択肢を見つけてきて、受験をしているということは、それだけ医師になりたいという強い気持ちの表れだと思います。
不合格になってしまった理由は様々かと思いますが、試験本番でのケアレスミス以外に、「勉強時間を十分に確保できなかった…」「効率的な入試対策ができなかった…」などの日頃の入試対策に反省点がある方もいるでしょう。
日頃の勉強の習慣を変えるには難しく、オンラインコースや各種問題集などを利用していても独学では、すべてを網羅することは意外と難しいものです。
mirunoteチューターでは、勉強のスケジュール管理を始め、生徒さんが苦手としている分野や科目を重点的に対策することで苦手分野をなくす根本的な試験対策のほか、試験本番で戦略や点数を上げるテクニックなどの実践的な対策を含め、イタリア医学部受験をサポートしています。
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今回は以上です。
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