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お父さん

『お父さん、空港まで送ってよ』
『えー。寝てるのー。送ってよー。』
父には事前に約束なんてしていない。
父はそんな急なお願いにも、できる事はやってあげよう。そんな人だったなー。と、久々に父の夢を見た。

父がこの世を旅立ったのは20年も前になる。
生前の父に対する私の我儘を思い出すと、今でも胸が苦しくなる事がある。

時間が忘れさせてくれる。なんて言うけれど
そんなのは嘘だ。

あの頃の私よ。
父にもっと優しくできたらよかったね。
あの頃の私よ。
もっと父と優しい時間を過ごしたらよかったね。
あの頃の私よ。
『ありがとう』と『ごめんなさい』を伝えられる時に伝えておけばよかったね。
あの頃の私よ。
父に心配ばかりかけていたね。
もっといい子だったらよかったのにね。
あの時の私よ、、、、。
父ともっと家族について話をしたらよかったね。

無条件に愛してくれた存在がこの世を去り、安心が半分消えた世界で生きるのは簡単ではない。

あの頃の私。
不器用でとてもいい子とは言えなかったけれどそれもひっくるめて愛されていたのだろう。

たくさん困らせてごめん。

そろそろ、私は私を許してもいいかな。

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