儲かるビジネス13選
儲け方は、初めの「立ち位置」で決まる。
立ち位置によって、同じ汗でも成果物に大きな差がでる。
ソフトバンクの孫正義氏は、その「立ち位置」を決めるために、長期間、あらゆる事業を調査した後、狙いを定めて事業を興した。
とはいうものの、中小の社長にとって、現業以外に、新たな立ち位置で事業展開するのも勇気がいるだろう。
「資金」も、「人材」も、「ノウハウ」も足りないと思う。
そこで、既存事業でも儲かる本質部分を13視点ご紹介する。
じっくり自問自答して、時には議論を交わし、ワクワクするようなビジネスを発見してほしい。
永続的に儲かる13のビジネスの要素
1.原材料
三菱、三井、住友、伊藤忠、丸紅などの、大手商社が取り扱っている原材料(鉄鉱石や銅)などは、地球上に大量にあり、人間生活には欠かせないものだ。
料理でも、材料がなければできない。原材料がなければ、製品はつくれない。だから、そのモノを押さえれば優位になるわけだ。
ジョン・ロックフェラーは、石油。
アンドリュー・カーネギーは、鉄。
原材料の本質は?
大元を押さえる
あなたの現在のビジネスで、大元を押さえるとは、つまりどういうことか熟考してほしい。「それがなければ、始まらない」という視点だ。
2.貴金属
金銀財宝系の視点だ。
ダイヤモンドは希少ゆえに価値が高い。
また、持ち運びも便利でユダヤ人の財産を守るツールであった。その硬度ゆえ、工作機器でも大活躍している。金のように腐食しないと資産価値がある。
廃棄されるスマホ、携帯、家電などに、貴金属が多く含まれ、都市鉱山と言われている。
マンサ・ムーサは、マリ帝国10代目の王だったが、貴金属の「金」で40兆円の資産があったらしい。
貴金属の本質は?
希少かつビジネスで使われるものを押さえる。
希少だけではだめだ。実際に人が必要としている希少なもの、という視点を忘れてはいけない。
製品で例えればコアパーツといったところか。
3.武器
インターネットも、携帯電話も、元の技術は「軍事」。
核抑止力と言われるように、強い武器は防衛力となる。
戦争の舞台は、陸海空から、宇宙、サイバー、電磁、情報となっている。
侵略から国を守るために、軍事費は常に使われ続ける。
生存に興味がない人ばかりであれば軍事は必要ない。
人は死の恐怖を感じる。死の恐怖がある限り、軍事産業は儲かる。
人間が争うことなく共存できればよいが、衝突の始まりはいつも誤解と無知から生じる。だから、防ぎようがない。
武器の本質は?
脅迫と防衛
あなたのビジネスでも、「それ(武器)」がある事で、交渉が優位になったり、抑止力になるようなものを探してほしい。
4.金融
「お金」は価値交換の便利なツール。経済を回すツールでもある。
イーロンマスクがpaypal事業に目を向けたのも、お金が大きく動く業界かつ保守的で改革が緩い業界だったからと言われている。
貨幣は貝などの物理的な物から仮想通貨へと変化している。
デジタル通貨は移転も保管もしやすい。
価値交換の手段として、その形態は何であれ「お金」に変わる発明は当分でないだろう。
金融の本質は?
自分たちの価値交換ツールを使って優位に展開する。
各会社が発行するポイントは、「独自の経済圏での囲い込み」である。
独自の基準を作って、お客様をうまく囲い込んでいるビジネスを研究すると良い。
5.防衛
「大事な物を脅威から守る」というニーズは、いつの時代も強い。
人間は、欲望の塊。これからも戦いは無くならない。
スパルタ兵
封建社会傭兵
戦国時代の武士
現代なら自衛隊。
日本も、防衛費にかなりの予算を配分している。
もちろん、防衛は兵士だけではない。
金庫やデジタルセキュリティーなどもそうだろう。
防犯対策、犯罪対策ツールもビジネスチャンスがある。
防衛の本質は?
大事なモノを守る
あなたにとって大事なモノとは何だろう?あなたのターゲット顧客にとって大事なモノとはなんだろう?製品のパーツの中で特に大事なものは何だろう?
それを守る事業にチャンスがある。
守るべきものは、何も、肉体だけに限られない。柔軟に発想して新しいビジネスモデルを創出してほしい。
6.エネルギー
原材料があっても、それを加工するためのエネルギーがなければ意味がない。
火力、水力、風力、原子力、太陽光、地熱などいろいろなエネルギー媒体がある。
現在は脱炭素化社会で二酸化炭素排出の少ない技術が求められている。
近年では、核融合や小型原子炉などが進められている。
エネルギーは人類に不可欠のため安定ビジネスになる。
よって、エネルギーを作りだすインフラを支配している会社は強い。
クリーンで、持続可能性があり、既得損益と相容れるエネルギー媒体にビジネスチャンスがある。
エネルギーの本質は?
それがないと、モノが動かせないもの。
「腹が減っては戦ができぬ」のように、エネルギーがなければ世の中は回らない。
あなたのビジネスでいえば、あなたのビジネスを動かす動力源かつそれを顧客が必要とするなるものとは何かを熟考してほしい。
7.移動(輸送機器)
馬、馬車、自転車、列車、船、バイク、車、電車、飛行機、ロケットなど、モノを、「早く」、「安く」、「大量」に移動させるニーズは、昔からある。最近は、ドローンのような空中輸送機もでてきた。
「移動」で大事な視点は、次の5点だ。
より早く
より安く
より大量に
より快適に
より安全に
今は、ロケットの段階に来ている。民間人の宇宙旅行が始まり出した。
宇宙へ日帰りで出張する時代もそう遠くない時代に来るかもしれない。
自動車の進化を見ても、人力車、ガソリン車、ハイブリット、EV、燃焼自動車等、進化していく。
人類は様々な目的で移動する。大仏のように微動だにせず定位置で生活し続けることは考えられない。
移動の本質は?
到達点に、早く、安く、大量に、安全に、快適に、媒体(人・モノ、情報)を移動させること。
何も物理的な移動だけに限らない。目標達成のやり方にも移動の本質が隠れている。
さらに「移動」の本質を深堀すれば、人が移動する根本原因は、生きるためのエネルギー確保(狩猟・農耕)であり、知への探求ではなかろうか。
8.情報網
ビジネスでも一般生活でも、情報が多い方が有利だ。
戦時中なら情報は命に関わる重大事項。
人は「よりよい情報」を知りたがっている。それを、いち早く掴むモノが有利となる。
ここにおける「情報網」とはGAFAMなどが提供している情報に関するインフラ事業のことだ。
インターネットやスマホは情報を集める手段であるが、そのプラットフォームを構築した者は強い。
人間活動はすべて情報である。自然活動も同じく情報である。
情報とは動きを捉えることであり、動きから未来を予測することでもある。
情報網の本質は?
未来を先取りする。
ニッチな分野でよい。あなたのビジネスでどんなプラットフォームがあると事業を優位に進められるだろう。
どんな情報を集められれば未来を先取りすることができるだろう?
プラットフォームビジネスを研究するとよい。
9.交通網
モノが運ばれ、人が移動く以上、交通網がいる。
シルクロードは交易に貢献した。世界中に道路が作られ交通網が整備されている。
国は、道を作ることで、安定収益を得ている。
情報網が、情報の道とすれば、交通網は、人やモノの道だ。陸海空とある。
交通網から収益が生まれる。高速道路は、いったん作ると定期収入が入る。
一般道も、車両税、ガソリン税が収入となる。
交通網の本質は?
リアルインフラの整備。
あなたのビジネスで物理的なインフラとは何か研究してほしい。それを作ると安定した利益が得られるものだ。
10.交易(貿易)
交通網の発達と共に、交易が盛んになった。陸はシルクロード、海は大航海時代のイメージがあるが、貿易とは、「境」をまたぐ商材サービスの交換行為だ。
「境」には、文化、地域、国境、人種、言語、法律、宗教、慣習など、さまざまな「壁」がある。
なぜ貿易行為が儲かるかは、その業務の遂行には、文化の違い、言語の違い、商慣習、貨幣の違い、保証関係など、安全に取引するために高度な手続きが要求されるからだ。
要するに「壁」があるのだ。
お互い同じ言語を使って信頼し合っていれば「貿易」も簡単な手続きでできるのだが、そうはいかない。
貿易は、相手が見えずらく情報が少ないからこそビジネスチャンスがある。
また、その地域でしか取れないモノは付加価値を高めやすくなる。
歴史で三角貿易の「綿織物」⇔「茶・銀」⇔「アヘン」など、理にかなった儲かる貿易だ。
ある社長のビジネスだが、日本に棺桶を輸出して、日本から健康器具を中国の富裕層向けに販売している。賢い。
交易の本質は?
各種壁の除去、難解な手続き代行、その地域でしか入手できないモノの獲得行為
地球は狭くなり、情報も一気に拡散されるようになった。
しかし、まだまだ貿易作業を難しいと捉える人は多くチャンスが十分にある。
例えば、あなたのビジネスで、お客が欲しがっているが、手続きが難しく困っているものはないだろうか? これは貿易だけに限らない。
11.投資
稼いだお金を低金利で運用してはもったいない。
少しでも利率の高い媒体に投資したいニーズは強い。
しかし、それを勉強する時間もノウハウもない人が多い。
頭の良い人は、周りからお金を集め投資ファンドで稼いでいる。
手元に資金がなくても、ノウハウさえあれば、誰でも投資家となれる。
ウオーレン・バフェットは、株の投資で富豪家になった。
投資の本質は?
参入障壁が異常に高く安定収益が永続的に期待されるビジネスへの投資、またはその実現。
あなたのビジネスにおいて参入障壁が高くて儲かっているビジネスを研究してみよう。
12.広告
日々目にする情報のほとんどが企業が売るための認知活動。
つまり広告である。
「広告」と表示されたものもあれば、ステレス広告もたくさんある。
知らないモノは、検索されないし、購入されない。
ググる、タグる、時代から、AIによって最適化されたコンテンツをスルスルする時代にもなったが、いずれにせよ、知らないモノは買われない。
口コミは、思うほど広がらない。バズっても一瞬で終わる。
作るより、売ることの方が2倍難しいと言われている。だから、企業は広告費を使う。
生成AIが社会に浸透しても「認知なくして購買なし」という本質は変わらない。
広告のプラットフォームを持つ会社は強い。
広告とは、人の「見る」という時間の奪い合い戦争だ。
あなた自身、一日の中で何を何時間見ているか確認してほしい。そこには、多くの広告や広告には見えない広告が目に飛び込んでくるはずだ。それは、「認知無くして購買無し」ということを表している。
広告の本質は?
日々刻々と変化する人の顕在ニーズに適時適材の商材を強制視認させる技術。さらに、潜在ニーズを刺激して購買に繋げる技術。
13.宇宙
アメリカ・ソ連の月面到達に始まり、最近では、イーロンマスクのspace-xなど宇宙関連が熱い。
人類の夢のために宇宙を目指すという耳触りのよいキャッチもあるが、主な目的は、支配権の獲得だ。
陸海空の次は宇宙。
より高度で、難しい空間をコントロールすることは、下位の支配を意味する。
船は、飛行機からの攻撃に弱く、飛行機も、宇宙空間からの攻撃に弱い。
低次なモノは、高次なものから支配される。
次元が高いほど情報量も多く、情報量が多いほど有利になる。
宇宙へ移動する技術、宇宙で生活する技術は、そのまま、地球生活でのイノベーションに繋がるだろう。
宇宙を見ているようで、実は、宇宙開発の中に、ゲームチェンジャー的要素が豊富に含まれている。宇宙は宝の山だ。
宇宙の本質は?
高次からの支配
安価に宇宙環境を提供できる技術、または安価に宇宙に行ける技術など重宝されるだろう。
宇宙が難しければ、宇宙的視点でもよい。
あなたのビジネスを一歩上の次元から捉え直してみよう。何か新しいビジネスモデルが思い浮かぶだろう。
以上13の視点を簡単に説明した。
まとめ
あなたがこれから事業を興すならば、じっくりと立ち位置を決めてほしい。
5年~10年ぐらい世界を周って、本をたくさん読んで、世界の人と交流して、熟考すると良い。
すでに社長である人は、上記13の視点の本質部分を現業に当てはめて研究してほしい。
成功する秘訣は、行動に移すことであって、その行動という成功をどこまで継続できるかである。
ここからが一番大事なことであるが、世の中の本質は、役割分担の果し合い。
儲かる、儲からないに関わらず、責務を全うし、技術を常に向上させている尊い存在がいてはじめて儲かるビジネスが継続できることを忘れてはいけない。
それが本記事でもっとも伝えたい本質でもある。