就職氷河期の氷河を彷徨った自分⑤
2003年
春、桜咲く。自分は大阪の大学に復学していた。
両親とも約束をした。
約束①バイトは無理にしなくていい
約束②その代わり学業を優先する
約束③就職活動もしなくていい
この3つの約束を胸に新生活を始めた。
大学としては6回生。同級生はほとんどいない。いたとしても社会人コースの人たち。一人の学生生活。孤独な学生生活。
そこに現れた社会学概論の講師、K先生。
授業の終わる前に
「俺、このあと正門を出て右に曲がってちょっといたGMというお店で飲んでるから興味ある人は、一緒に飲まへんか?」
その授業の終了を告げるチャイム。時刻は19:30。自分は次の授業があった。とりあえず次の授業を受けて21:10。正門を出て右に曲がりちょっと行ったGMというお店の前に立つ。気もそぞろにドアを開ける。けっこう重い。するとK先生がビールを飲んでいた。他にも学生ぽい人もいた。昔、部活をやっていたときの後輩もいた。するとK先生が
「お、誰や?」
と声をかけてくれたので
「社会学概論の授業を受けていた者です」
と答えると
「お!!よう来た。入りーや。入りーや。」
と気さくに迎い入れたくれた。
その時に目に入ったのは壁一面の本。
まさに圧倒された。
その頃はビールが苦手で芋ロックを頼んだ気がする。お酒は強くはない。
就職活動はしなくて良くなったが、将来の不安が消えたわけではない。
学業を優先するに当たってモチベーションは向上した。
バイトはしないが昼間もやることがない。大学の昼間の授業もとったが知り合いは誰もいない。
ただ大学は卒業するという両親との約束を守るための生活が始まった。
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