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はじめての離乳食


​五ヶ月になったので、離乳食も始まった。
​​もしものときに備えて、はじめての離乳食は平日の午前中に食べるものらしい。
​​なので、朝の6時に起きて、はじめての離乳食を食べる瞬間に立ち会った。
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​​離乳食は結構食べない子供もいて、それで精神的に疲弊するお母さんが結構いるらしい。別に今回食べるかどうかが明暗を分けるわけではないけど、緊張して見守った。
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​​一口目、まったく味の付いてないドロドロのお米を口もとに持っていく。
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​​我が子は口に含んだあと、「ん、これは今までのものとは違うぞ?」と若干訝しげな表情をしたが、「まぁ、いいか」と吐かずに飲み込んでくれた。
​​その後も数口与えたが、イヤがるそぶりもなく口に含み、飲み込んでくれた。
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​​どうやらはじめての離乳食は成功のようだ。妻と小躍りする。
​​その後は自分は立ち会っていないが、問題なく食べてくれているらしい。
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​​星新一のショートショートに、大富豪が発明家に「記憶がなくなるクスリ」の発明を懇願する、そんな話があった。
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​​これまで食べたもの、感動した話、全ての経験を消したら、また始めて食べた感動を味わえる。だから記憶を消して欲しい。そんな話だった。
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​​我が子は今食べれるのはドロドロのお米のみだけど、そう遠くないうちに野菜を食べれるようになり、肉や魚も食べられるようになる。
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​​これから数多の食材を味わい、咀嚼し、血肉にしていく際に、どんな感情を得るのだろう。
​​どうやって自分の好きな味、店、体験をひとつづつ覚えていくんだろうと思うと、心底羨ましい。
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​​ちなみにお父さんと言えば、大盛りの焼きそばとか、肉しか食べない焼肉とかがダメになり、最近は生クリームたっぷりのスターバックスの飲み物を美味しく完食できなくなってきた。
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​​まるっきり正反対だ。
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miruhi
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