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Korean economics_전세_チョンセ_解説

まず、韓国の物価ですが、交通などの一部インフラをのぞいて安いとは言えません。特に不動産価格はここ10年の間に2倍に跳ね上がったのではないでしょうか。人口の4分の1が集まるソウル市の中間ランクのマンション(韓国では「アパート」と呼ぶ)の86平米(日本のマンションにある2LDK程度)で5000万円だったのが10年間で1億円になりました。かなりのインフレですね。

もちろん新婚さん含め庶民はこんな大金を持ち合わせていないので、多くの人は「チョンセ」という韓国独自の不動産賃貸システムを使って住居を得ます。詳しくは本文を読み進めたところで記載します。

【不動産用語】

부동산(ブドンサン):不動産
월세(ウォルセ):日本と同じような月々の賃貸契約
전세(チョンセ):基本2年間契約の保証金を預ける形での賃貸契約
반전세(バンチョンセ):ウォルセとチョンセの混合
보증금(ボジュングム):保証金
이사(イサ):引越し

【チョンセとは】

まとまった保証金(大体、売買価格の6〜7割程度)を大家さんに預け、契約期間内は家賃を別途支払うことのない賃貸システム。もちろん保証金はそのまま契約終了時に返されます。(通常、次にそのお家に住む方が決まると、大家さんを通さずその方から同額を貰ったりします。)

なぜそもそもこのようなシステムが成り立つのかと言うと、韓国の不動産価格の上昇神話と預金金利にあります。

不動産価格は前述した通り年々上がり続けていました。(過去形なのは、2022年後半から徐々に下落傾向にあるからです。)ですので投機目的で家をローンを組んで購入した場合、チョンセでローン分を穴埋めし、不動産資産を所有し続けることが、家の所有者にとって利益になります。

次に預金金利についてです。日本がマイナス金利政策を発表した2016年当時、韓国の預金金利は2%程度でした。(メガバンク基準)
3000万円のチョンセを受け取った大家さんがそれをそのまま銀行に寝かせれば1年で60万円になりました。アジア経済危機の時は一時7%程度の金利だったことも。

【バンチョンセの増加】

ただ、近年の金利下落と不動産価格の異常上昇で、従来のチョンセシステムでは需給のバランスがとれなくなってきました。大家さんの立場ではどんなに保証金を貰っても預金金利が期待できないこと、借主の立場では、チョンセの金額が高すぎてまとまったお金を準備できないためです。

そこで流行したのが「バンチョンセ」です。1億円の物件をチョンセ6000万円で募集していたのを、例えば、「チョンセ3000万円+ウォルセ8万円」にするのです。月々の家賃もしっかり受け取る、というわけです。

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