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【感想Log】二十五、二十一

キム・テリさんとナム・ジュヒョクさんが主演を務めた青春ドラマ「二十一、二十五」を観終えました!

観終えた夜は夢に出てきたくらい印象深く、心に残る作品でした

あらすじ

フェンシングに没頭する主人公、ナ・ヒドは、IMFの影響による予算削減の結果、自身の所属するフェンシング部が廃部になるという危機に直面する

フェンシングを続けるために試行錯誤し、危ない目にあった彼女を助けたのは彼女の家の新聞配達員、ペク・イジン

彼もまた、IMFの影響で父親の会社が倒産し、家族が散り散りになるという重い過去を背負っていた

様々な出来事を共にするうちに、ふたりはお互いを信じあう特別な関係を築いていく

そしてナ・ヒドは、フェンシングの金メダリストであり、ヒドの憧れの人でもあるコ・ユリムが所属する高校に転校し、新たなフェンシング人生を歩みだす

一方、ペク・イジンは父親の借金取りに追われ、ヒドの前から姿を消した

遠く離れていても、お互いの存在を支えにし、それぞれの毎日を懸命に生きる2人。

半年後、ペク・イジンは見習い記者として再びヒドの前に姿を現す

フェンシングの国家代表と、ジャーナリストとして、ふたりの新たな関係が始まる

高校生にしか見えない!

撮影当時、主役のキム・テリさんはすでに30歳オーバー!

にもかかわらず、高校生役に全く違和感がなく、見た目だけでなく、振る舞いや表情まで学生そのもの

相手役のナム・ジュヒョクさんも20代後半でしたが、ふたりとも童顔なためか実際の年齢よりかなり低い年齢設定にも違和感がなく、ふたりの雰囲気もぴったり

また、作品を通して徐々に精神的にも成長していくヒドの様子がありありと伝わってきて、キム・テリさんの表現力のすばらしさに圧倒されました

物語の最初の方には、感情的で勢いで行動していることが多かったヒドですが、イジンとの恋を通して、自分の感情の前に相手の感情を考えられるようになったり、マスコミ対応もこなれてきたり、高校生が大人になっていく過程が丁寧に描かれていたと感じます

ふたりとも経験豊富な俳優さんのためか、セリフがないシーンや、ちょっとした表情、動作からも、役の感情が伝わってきて、わざわざ言葉にしなくても、演技力だけで伝わってくるシーンがかなり多かった印象です

特に、ペク・イジンのナ・ヒドに対する愛情が、ナム・ジュヒョクさんの表情や視線からばちばちに伝わってきて、きゅんを超えて、ぎゅんってなる瞬間がたくさんありました

また、最後の別れのシーンで、イジンがヒドの靴紐を結んであげるシーンがあるのですが、まるで自分たちの恋愛を締めくくろうとしているようで、別れたくない、こんなに大好きなのに、でも結ぶしかない、という二人の苦しい気持ちと愛情が痛いほど伝わってきて、二人の演技力の凄まじさが溢れるシーンだったと思います

社会問題が背景に

作品の序盤からIMFの話が出てくるように、当時のIMFや9・11といった国際情勢や、現代のコロナ禍など、社会問題が物語の下地になっていました

特に若者世代の視聴者にとっては歴史上の出来事となっている現象が、当時、市民レベルにどんな影響を与え、どういう風に捉えられていたのかが如実に表現されていたと感じます

また、日常生活の端々にも、世代の人にとっては懐かしいであろうアイテムが登場していて、カセットテープや当時のパソコン、携帯電話、駄菓子屋まで、時代考証というか、そういう部分の再現はとても細かくて、制作陣のこだわりを感じました

別れの描き方

この作品は、現代と過去を、日記を通して行ったり来たりする構成になっていて、序盤の方でヒドとイジンの恋の結末がわかってしまうので、ハッピーエンド好きとしてはなかなか観る気が起きなかったのが正直なところです笑

けど、二人の恋愛は成就しなかったけれど、個人的には普通のハッピーエンド作品以上に心に残る作品でした

それはきっと、この作品の別れの描き方に理由があると思います

ヒドも言っていましたが、お互いをたくさん愛した分、誰かを愛することの幸せを知り、幸せだったからこそ、人と別れるとはどういうことなのか、本当の意味で学ぶことができた、そういう、最後があったのが二人の恋愛で、最後があったからこそ、お互いが成長することのできた恋愛だったのだと思います


最初に結末がわかっちゃっているので、ヒドとイジンが幸せそうになればなるほど、「でも最終的に別れるんだよなあああ」と胸が痛くなり、視聴中終始、ドキドキとズキズキを同時に感じるという、恋愛ドラマを観ているにしてはなかなか珍しい感情で鑑賞していましたが、観てよかったと思います

ただ最終回は特に、泣きすぎてめちゃくちゃ体力消費しました・・・笑

恋愛の終わりを”結婚”にしないで、”別れ”にしたことがこの作品の魅力であり、メッセージであったと思います



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