ハレの日とアメの日
人間は常に自然に支配されている。
天気、気温、湿度、風、そして自然災害。
暑くても寒くても、風があってもなくても文句を言う人間。
それはきっと、身の危険や生命の危機を本能で感じ取っているからだと思う。
かくいう私も、晴れていてお天気の良い日は行動的になるが、
曇っていて暗い日や雨の日は、何事にも消極的で動けない。
その日の天気によって、仕事への気持ちや外に出ること、何かに取り組むことのやる気が左右される。
晴れている日、太陽から降り注ぐ眩い光が、私の体にエネルギーとなって差し込んでくる。
自他ともに認める晴れ女である私は、太陽を活動源として日々生きている。
気分も前向きになるし、動く力がみなぎってくる。
何事も頑張れるし、パワー全開フルスロットルで動き回る。
雨の日、暗く澱んだ空から涙が降り注ぎ、私の心に暗雲が立ち込める。
雨と一緒に泣いている私は、止むまで涙をとめられない。
気分は沈み、1日中布にくるまって動けなくなる。
何事にも関わりたくないし、パワーオフモードでじっとしている。
特に繊細な心をもつ私にとって、天気は人の機嫌を伺うのと同等レベル。
お天道様に「今日は傘がいりますか?できれば傘は持ちたくないのですが」と
気を遣っているようなもの。
自然にまで気疲れしていたら、日々の生活もままならないのに。
昔のヤンキー漫画で「今日は天気が悪いから学校サボるわ」なんて
セリフがあったけれど、あながちこのヤンキーの言ってることは理解できる。
お天気が悪ければ、外に出たくないもの。
傘さして足元が濡れて、ちょっと気分が悪いもの。
こんな持論、社会では全く通らない言い訳だけど。
晴れている日に可能な限りやることやって、雨の日は充電する。
そんな生活になったら心底わたしはほっとする。
気疲れが一つ減るわけだし、充電する時間が確保できるから。
でも日本の気候だと少し難しいだろうなと思う。
春の嵐、梅雨、ゲリラ豪雨、秋の長雨、台風、雪。
1ヶ月のうち晴れていたのは2日だけ、なんてお天気お姉さんが言っていた時もあった。
住む場所によっては違うだろうけど、総じて同じ状態だろう。
なのでお天道様とうまく折り合いをつけていかなければならない。
そんな嫌いな雨の日だけど、少しだけ好きな面もある。
雨が降る前の湿った匂い。
もうすぐ降りそうと思ってたらほんとに降ってきた時は、
「わたしって孔明かしら…?」と思わずにはいられない。
家の中で聞く雨音。
雨の強弱はまるで交響曲を聴いているような、見事なまでの起承転結。
空にはオーケストラがいるのかと錯覚してしまうほど。
今はまだここまでしか雨の好きなところは見つからないけど、
自分に備わっているこの感性で、もっと雨の良いところを探していけば、
雨の日でも気分良く保てて、動けるようになるかもしれない。
そうなったらどんなに生きやすきいだろう。
私は窓から空を眺めるのが好き。
晴れていて活動的な日でも、雨で心が沈んでいる日でも、
お天道様に気遣いしつつ、空模様を眺めている。
天気にまで繊細な心を持っていることは、もしかしたらすごいことなのかもしれない。
そう思いながら、今日もまた空を眺める。
miru