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前年比250%を達成したリファラル採用の取り組み

こんにちは、 ミラティブで採用人事を担当する野呂です。今日は採用に携わる皆様が最も興味がありそうなリファラル採用の話をします!

前回の記事で2022年の採用振り返りを行いました。そのなかで内定承諾者の30%がリファラルであると書きましたが、本noteで詳細をお伝えできればと思います。

私自身、ミラティブに入社するまではリファラル採用に深く向き合ったことがなかったため、社内外の様々な方と壁打ちさせてもらいながら試行錯誤を繰り返しました。特にこの1年で多くの学びを得られたため、これをまとめることによって、リファラルを頑張りたいと思っている方の参考になれば幸いです。
※本noteで出てくる数字は「正社員」のみにフォーカスしています

リファラル採用の実績サマリー

  • 入社数: 15名(前年比: 250% ※雇用形態問わずの場合333%)

  • 紹介数: 53名(前年比: 214%)

社員数100名以下(※2022年当時)でこの紹介数は、比較的多い方なのではと思います。また、”1名でも紹介してくれた社員”がなんと38名もいます(1人の猛者が何十人と紹介しているわけではないということです)。ミラティブには採用に当事者意識をもった社員が本当に多いと実感する数字です。

入社数15名のうち10名がプロダクト開発に携わる職種(エンジニア / デザイナー / PdM など)であり、採用難易度が高いといわれる職種において成果が出たことも良かった点だと思います。

また、紹介数が大幅に増えたなかで、”紹介からの入社率”も前年比で21% → 28%へと上昇しており、この点も大きなポイントだと思います。組織規模が大きくなるにつれカルチャー浸透が薄くなったり、他部署の様子が見えなくなったりするのはよくある話です。(リモートワークだとより顕著)付随して、リファラル採用の選考通過率が下がっていくというのもあるあるですが、現時点で、ミラティブにその兆候は現れていません。

ミッションが根強く浸透していることに加え、『わかりあおうとし続ける』の行動理念に基づいた様々な施策を行っているからなのではないかと思います。

CxO依存の脱却

実はミラティブは元からリファラルに強い会社で、社員数30名くらいまでは、多くがリファラル入社でした。しかし、紹介元の多数がCxOであり、「リファラルが強い会社」というより「リファラルが得意なCxOがいる会社」という感じでした。

「CxOはもちろん、社員もリファラル力が高い」のが理想ですが、2022年はその点でも大きな変化があったので紹介させていただきます。

  • 入社者のCxOリファラル比率

    • 2021年: 83.3%

    • 2022年: 35.0%

人数だけで見ると、CxOによるリファラル決定数は2021年から2022年にかけても増加しています。しかしそれ以上に、社員によるリファラルが増え、CxOリファラル比率は下がりました。つまり、CxO依存を脱却することができた状態です。

リファラル施策の取り組み事例

ミラティブのリファラル制度

多くの会社にあるように、ミラティブでもインセンティブが生じるリファラル制度を用意しています。制度そのものには大きな工夫はいれてありません。リファラル採用では、社員のエンゲージメントが最も重要であるため、制度そのものをチューニングするより、下記施策のように、「やりづらさ」や「わかりにくさ」にアプローチする方が効果的だと考えます。

「リファラルの壁を壊す」施策

「社員がリファラルをする上でハードルとなるものはなんだろう」と考え、インタビューをし、ネックになっているものを地道に取り除いていくというのが重要です。実際にやったことをいくつか挙げてみます。

社員の”わからない”を壊す

  • 「どのポジションでどんな人材を求めているのかわからない」という方に向けて社内用の求人一覧を整備しました。「社員のxxさんみたいな人」という記載をして、社員にこそ伝わる求人を作成しました。

  • 「どのように声をかければいいかわからない」という方に向けて「声かけ参考文例」なるものを作成しました。相手との関係性に応じて様々な文例を作成しつつ、添えるべきURLなども列挙しました。これによって最初の声かけイメージを掴んでもらいます。

社員の”やりづらい”を壊す

元からリファラル会食の費用負担制度は用意していたのですが、対面を前提としたものであり、対面会食を誘うのがためらわれるコロナ渦においては使い勝手が悪くなっていました。そこで、経費精算不要でオンライン会食ができる仕組みを整備し、フルリモート勤務であるミラティブの働き方に最適化しました。

社員の”気まずい”を壊す

リファラルといえど選考通過率が100%ではないため、選考途中でお見送りしてしまうケースがあります。このようなとき「自分から声をかけたのに申し訳ない...」と感じてしまう方に向けて、”選考を終えた後”でも会食費用を負担するという制度に変更しました。

日々模索しながら様々な施策を打ってきましたが、正直まだまだ紹介する上でのハードルは取り除ききれていません。今後も新しい施策を、大胆に考えていきたいです。

「リファラルをドライブさせる」施策

リファラルの壁を壊して、ようやくスタートラインにたちます。、「整えても待っているだけでは何も変わらない」のは、人事施策に関わらずよく言われることです。もちろん、リファラル施策においても、ここからのドライブ施策が超重要です。

全社会での呼びかけ

ミラティブでは毎週金曜日にウィンセッションという全社会を行っているのですが、その中で毎週のように「リファラルお願いします!!」と制度や求人について説明していました。代表自ら喋ってもらったり、採用熱の高いチームのマネージャーに喋ってもらうなど。

毎週のように新入社員がいる状態では、認知を獲得するという点で効果的だったのではと考えます。また、既存社員が何度も思い出せるような状況を作り上げられたのではとも思います。

採用オンボーディング

ミラティブは創業来リファラルを全力でやってきた会社のため、在籍の長い社員にリファラルの依頼をすると「もう一緒に働きたい人は全員に声かけてるよ...!」という状況が多く、新入社員にフォーカスした施策を打ち出す必要がありました。

そこで、新入社員へオンボーディングプログラムとして「ミラティブの採用活動」についてオリエンする場を設けました。具体的なアジェンダは以下です。

  • ミラティブの採用の歴史や方針

  • 現在の採用状況

  • リファラル制度について

  • 社員のみなさんにやってほしいこと

これによって採用に意識を持ってもらうと同時に、「なにをすることで採用に貢献できるのか」というイメージを持ってもらいます。

また、ミラティブでは、採用へのコミット方法をいくつかのステップに分けるという考え方を導入しています。いきなり知人に声をかけて採用決定を生み出すのは、非常に難易度が高いため、「まずはミラティブのnoteをSNSにシェアしてみましょう」といった形で、比較的ハードルが低いアクションからお願いし、それだけでも結果的にはリファラルに繋がっていくということを伝えています。

そうすることで「声をかけられる知人はいないが、会社の魅力を伝える記事は書ける」というようなコミットが可能となります。

新入社員ひとりひとりへのヒアリング

採用オンボーディングを実施した上で、リファラル力が高そうな方には個別に連絡し、該当する知人がいないかなどのヒアリングをしています。以下に該当する方はもれなく声掛けしています。

  • 前職でリーダーやマネージャーを経験していてメンバーを抱えたことのある方

  • 採用ターゲットが多くいるであろう業界出身の方

逆に異業種出身の方に「リファラルで声をかけれる人はいないですか?」と個別で聞くのは強烈なプレッシャーになるため控えるようにしています。(IT業界一筋の僕も「自動車業界の知人紹介して」と言われると辛い)

リファラルパーティー

いわゆるメモリーパレスのことです。

ミラティブでは全社規模で行いました。決行するためリハ含めた丁寧な準備、実施後のオペレーション設計、なにより勇気が必要でした。単純工数でも社員数 x 30minほどのコストが発生するわけで、日夜事業に向き合っている社員から時間をもらっているからです。「成果が出なかったら、隠居しよう」ぐらいの覚悟で臨みました。

いざ決行してみると、多くの社員が前向きに取り組んでくれて、結果的に2名の採用決定を生み出すことができました!

職種限定のプチリファラルパーティー

上述したリファラルパーティーでは、ミラティブの全募集ポジションで行いましたが、プチリファラルパーティーは、ポジション限定バージョンです。緊急度が高く、これまでミラティブで募集してないポジションの場合に効果があります。

例えば、フロントエンドエンジニアの求人が発生した際に、「フロントエンドの知人がいそうな社員」を数名声かけて集まり、一気にリストに書き出していくというやり方です。

このときHRとしては、適切な人選をするために社員の経歴を把握しておくことも重要であり、社員数が100名を超えてきたミラティブにおいてはやり方を工夫しなければ抜け漏れが発生してしまうため、今後の向き合い課題かなと考えます。

※なお、この施策はCTOである@n0mimonoの圧倒的リーダーシップにより、考案から3営業日くらいで完結しました。

その他振り返ってみて気づいたこと

リファラルされて入社してきた人が、リファラルしてくれる

声をかけられる側の心理がわかっているからか、事例として多くありました。類は友を呼び、リファラルが得意な方が集まっているように感じます。

「知人がミラティブに興味あるとのことです」という入り口の増加

これはおそらく採用広報を強化し発信量を増やしたことと、SNSでの拡散を強化したことが影響しています。それらの投稿を見かけた方が、ミラティブ社員に対して「君が働いている会社に興味あるんだけども」というコミュニケーションが生まれ、選考に進んでいくという流れです。

得られた学び

待っていても限界がある、働きかけることが大事

当初リファラルに注力し始めたときは、「ハードルを突破すればいけるやろ」と考えていましたが、実際は違いました。その後のドライブ施策なくして、この実績は生み出せなかったと思います。それも当然で、一部のマネジメント層を除きほとんどの社員にとって、プロダクトや事業の優先度は当然の如く高く、相対的に、人材採用の優先度はどうしても下がってしまいがちだからです。

リファラルも適材適所

「知人に声をかけて、自分の会社に入社してもらう」という経験を生涯で一度でも経験する人は、ほんの数%だと思います。それくらい難易度の高いことであり、リファラルが得意ではない人に、朝から晩まで執拗にリファラル協力を仰いでも互いに疲弊してしまいます。

さきほど記載したように、採用のコミット方法をいくつかにわけて、可能な範囲で活躍できる環境や仕組みを整備するのが大切だと学びました。人材業界のトップコンサルタントも圧倒されるようなリファラル力を発揮する社員がいれば、密に連携をしていくことが大切です。一方で、自らリファラルすることに難しさを感じる社員でも、SNSで「いいね」をするなどより簡単に(かつ、こういった取り組みはチリツモで圧倒的な効果を生み出す)貢献ができるような仕組みと文化を整えることが重要です。

最後に

他社の方に「どれが1番効果ありました?」と聞かれることがたまにあるのですが、これさえやっておけばOK!という強烈な手応えのある施策はなく、「全部の合わせ技です」というのが返答になります。あえてひとつあるとしたら「ひとりひとりと向き合う」というのが大切だと思います。リファラルに非協力的な人には、それなりの理由や事情があるからで、それらにひとつひとつに向き合い、解決していくというのが重要です。

色々な施策を紹介してきましたが、実は効果に影響していない施策があるかもしれないので、しっかりと検証を回しつつ、より高い効果の見込める施策をどんどん打っていきたいです。これを読んだミラティブ社員あるいはミラティブ社員以外の方で「こういう制度あったらやりやすい!」というアイデアがあればぜひご連絡ください!

また、「リファラル採用はコミュニティマネジメントだ」とCEOの@jakaguwaに常々言われていたのですが、その意味がなんとなく理解できた1年でした。ミラティブが運営する『Mirrativ』はゲーム配信を軸とした”コミュニティサービス”であるため、社内にはコミュニティマネジメントのノウハウが山のようにあります。事業部から生まれるノウハウをありがたく拝借していきたいと思います。

コミュニティマネジメントについてはCTOの@n0mimonoがわかりやすく解説してくれています(僕も勉強になりました)。

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