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日清カップヌードルは如何に世界でヒット商品となったのか?

「日清カップヌードル」は、今や世界で最も売れている食べ物の一つです。
販売数は世界で500億食以上です。

日本の人口は1億人ちょっとですから、世界での販売が如何に大事かがわかります。しかし日清は、世界ですぐに販売数を順調に上げることができたわけではありません。

アメリカに進出した当初は、カップヌードルは全く売れませんでした。その理由は、アメリカ人は麺を食べたことがあまりなかったからです。日常生活で食べる習慣がない麺がカップ容器に入った食べ物など、アメリカ人にとっては全くの未知な食べ物以外の何ものでもありませんでした。こんな食べ物は売れるわけがありません。

普通の企業なら商品が売れなければ商品が悪いと言うことで大きく商品の内容を変えようと改善を加えます。しかし日清は、カップヌードルには絶対の自信があったので商品自体は全く変えませんでした。その代わり、「麺」という商品を「スープ」という商品として売り出しました。

アメリカ人は、スープは毎日食べます。具がたくさん入っているインスタントスープとアメリカ人はカップヌードルの商品を思えるようになってからは、瞬く間に日清カップヌードルは売れるようになりました。つまり、アメリカ人はカップヌードルを麺としてではなくスープとして価値を高く評価したのでした。

その結果、年間500万食だったのが、7年間で1億8000万食まで販売数が上がりました。36倍の販売数となったのは、決して商品内容そのものに改善を加えたのではなく、カスタマーが商品を考えるポジショニングを変えたのです。

これは決して日清カップヌードルだけに言えたことではありません。お客様が商品をどのように捉えているか、もう一度丁寧に考え直すと、今売れていない商品も売れるようになる可能性も十分にあります。


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