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ファイナンス思考のススメ!

赤字の企業はいつ黒字化するのがよいのでしょうか。

競争力が有る商品に先行投資し、それが成功した時に黒字化します。大切なことは、黒字に転換できた理由です。

商品のの競争力が他者の商品より勝り、売り上げや利益を順調に伸ばすのが理想的な黒字です。そういう意味では、良い黒字と良い赤字は、どちらも先行投資が実を結び企業の将来価値が上がることから、本質的には同じことと言えます。なぜなら先行投資にかかるコストが吸収され、結果として黒字になるからです。以上のことから、意図的に「黒字化する」のではなく先行投資の結果として「黒字になる」ことが大事です。このような企業は、現段階で赤字で利益を生んでいない経営状態でも、高い時価総額となっています。

意図的に「黒字化する」企業は、注意が必要です。投資家が求めるリターンだけを意識して、選考投資を止めて意図的に黒字にすると、短期的には儲かりますが中期的な成長には繋がりません。

優秀な経営者がいる企業は、意図的な黒字を避けるために、次々に新規事業を立ち上げ、自社の付加価値の向上を図ります。GAFAMがそのよい例です。これらの企業は積極的な先行投資を実施し、営業利益を黒字にする前に将来キャッシュフローを重視しました。赤字であってもキャッシュフローが有る限り倒産することはありません。赤字を織り込んだ企業価値をレバレッジし、資金調達をして、先行投資を継続しているのが、企業経営のカギと言えます。GAFAMはいつでも黒字にできるのに、あえて赤字のまま先行投資をし続け、将来の大きなリターンを獲得しようとしたのです。

黒字が良くて赤字はダメという二元論的な経営感覚では、企業の将来価値は中々向上しません。企業の将来価値を高めるツールがファイナンス思考なのです。企業の価値を見極めるのは、企業のファイナンス戦略に注目してみるといいかもしれません。


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