ふえるわかめ
「ふえるわかめ」が主人公の詩が
教科書に載っていたらどんな感じなんだろう。
袋に大量に入って売られていたり、味噌具のもととして乾燥油揚げなどと一緒に入っていることがある乾燥わかめ、「ふえるわかめ」。
まだ「へるわかめ」を見たことがないので、わかめ界は
通常+増えるバージョンの2種類展開で流通しているらしい。
HELLわかめとか言う、食べたら死ぬわかめ。
増えるわかめの抱えている切なさとか、喜びとか。
皆目見当がつかない。
ここで初めて自分がわかめを道具にしか見ていないことに気づく。
わかめは味噌汁やスープの賑やかし程度にしか思っていない。
あまりに人間目線すぎる。
わかめにもわかめの人生があるのだから、それを人間は考えたほうがいい。
せっかくすくすく育ったのに収穫されて、しまいには乾燥機に入れられてパリパリにされてしまう。
それをまた水で戻される。
これなんだろう、
人間側がわかめにDVしてるみたいだ。
散々いじめた挙句、水で戻して「ごめんね、俺が悪かったよ」って。
そんなわかめ側の叫びを詩にしたためて教科書に載せたほうが、わかめのためになると思う。
「ふえるわかめ」 詩:いけだゆうた
おれは わかめだ
スープに はいっているぜ
どうだ みどりでかっこいいだろう
ぷかぷかときもちがいい
海でおよいでいたころを おもいだすなあ
おれは わかめだ
ふえる わかめだぜ
パリパリにされるのは いやだけど
ふくろの中で みんなといっしょに
すごせるのは あたたかいなあ
あっ じぶんのばんだ
ザザザ